Sek8483さんの得点順コメント

Sek8483

2006年よりプレイ。

得点順コメント

98CARNIVAL (S.M.L)
渡会さんとのHシーンの“貫一とお宮”ごっこ楽しかった。物語の終着点までレールは敷き終わっているのだけど、途中下車したところで次の列車を待つ合間、誰かと笑い声を上げられる事ってありがたいと思う。小説既読。
94らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ (TerraLunar)
杏が、ガムフーセンふくらませられるようになるとことか好きです。
92神樹の館 (Meteor)
とても親しくさせてもらったエロゲです。不思議だけど難解ではないシナリオと主人公・工月の視点が快適で、お酒を唇につけながらにもよい、物語の世界。泉鏡花(マイラブ) や上田秋成(先生ナニCiv5出演してんすか?ww) の名前がちらついたりはするけど、おきらく洋館ファンタジーなので、むしろ梨木香歩『家守綺譚』やジョン・クロウリー『リトル、ビッグ』あたりのよしみ。ナボコフ先生の小説みたいに捉えきれない含意にビビる必要なんて無く、欠かせない説明はおいおい付いてくるし、綾取りみたいなストーリーもひたすらキャラを愛でるためのもの。ナボコフ先生を呼びつけたくなるくらい双子はロリぃくて、肉の薄い、妖精みたい。麻子は真珠邸まで手を引いてくれたし、年上・おっぱい・メイドというワタクシ的三重苦を抱えてたはずの紫織さんには本を撫ぜる手つき一つでほだされてしまいました。わけても、竜胆ねえさんがうつくしい。
91腐り姫 ~euthanasia~ (Liar-soft(ビジネスパートナー))
非常に綺麗にまとまった作品。といっても帳尻合わせが綿密なわけではなく、言葉を弄しながらそれが届かない部分の形をも分かった気にさせてしまう、語りきらないままプレイヤーへ委ねる際の見極めが鮮やか。ひとりのキャラを深く掘り下げるうち、辺りの風景までもが熟れながら崩れゆくさまは甘美で、一緒に沈み込みたくなります。どこが焦点なのか判らない雑然とした状況からスタートすると、人物関係も、プレイヤーに与えられる感覚も少しずつ解像度を上げていく。しかし、その片方がシンプルになっていくと他方は逆に情報の奔流になってしまったりする非対称。正気じゃいられない。そしてラストの途方もないぶん投げには思わず爆笑。物語をすること、つまり嘘をつくことを愛しちゃってるゆえの、最後のときを迎えると手ずからトドメを刺して永遠のものにしちゃうような行為であるのかもしれない。ひとりよがりだけど、嫌いになれないFinの打ち方でした。
91narcissu(非18禁) (ステージ☆なな(同人))
死についてのお話。「〇〇君、高速の事故で亡くなったらしいわ。二年前」と同窓会で聞いた日のことを思い出したりする、それくらいの距離にある死についての話。いつ頃からかわたしの中で、この作品はBURGER NUDSの楽曲「エコー」とイメージが結ばれてました。記憶をそういった卑近な趣味とつい結びつけてしまい、今では誤読を含みながらこの物語を好きでいるのだけど、片岡ともの試行がねらった箇所もその辺だったような。後に追加された綾川りのCVのギリギリまで抑え込まれた響きは、セツミに個性というか異物感をアペンドし、声がついて彼女はもっと謎めいた。人物像が二重になりブレた印象。そして遠くたどり着いた先にあったのは美しい情感だけど、工務店のタオルとか"死"とかの道具立てがあっけないほど身近で、やっぱり少しだけズレてる。隙間だらけ。その光景が心細すぎるから、余白には色んなワタクシ事を預けてしまいたくなります。
91シンフォニック=レイン 愛蔵版(非18禁) (工画堂スタジオ)
ファルがペンダントを渡すところが好きです。ときに、岡崎律子の逝去を引きあいに「音楽が良い」と語ることには違和感があります。「亡くなったから音楽が良い」と聞こえる (→耳鼻科)。
91SWAN SONG (Le.Chocolat)
ひまわりがたくさん咲いてる、あの光景が好きです。
90ユメミルクスリ (rúf(ruf))
(GiveUp) ねこ子シナリオがいちばん良い出来栄え。あえかシナリオは、イジメは納得できずとも理解できてしまうという不条理でもってプレイヤーをおびやかし、悪人をトイレにザァっと流しておしまい!ともしないので安心感アリ。そして、波長が合ってしまったのは桐宮先輩。「あなたはわたしです。でもわたしはあなたではありません」ブツブツ愛を呟きながらマジカル☆瞳孔開きっぱ、夢みるプレイだった。真顔で選択肢キメてったらバッド入っちゃったから、そこにてゲームオーバー! 『AURA』に「袋小路なんだ。おまえの目指す道。どこにも行けないんだ」ってセリフがあったけど、彼女のストーリーはその袋小路で終わらせてしまってもう十分だと、心底からそう思えたんだ……。と、以上のようなエモいプレイもやり得るくらいの深みを、基本的には浮ついたハイテンションで滑って行けちゃう作品。主人公の父親が、力不足で親切なごく普通の大人だったのも好感です。
90SEVEN-BRIDGE (Liar-soft(ビジネスパートナー))
完全版を見てみたい。いや絶対に見たくもない。でも好き。
89Forest (Liar-soft(ビジネスパートナー))
雑踏のなかを進んでいくお話。音と文章がパラレルにやってきて気を散らされるのだけど、字幕付きの洋画を観るときくらいの覚悟を持ちカウチポテトにて臨むのが吉。物語の脈絡を見失いがちですが、その惑い求めてる感覚を楽しむことこそ主眼になっており、最終的な着地点はむしろあっけないほどシンプルに収束していく。詩や小説が朗読されるときの音を苦手とする方には向かないかも。語り手によって変化してしまうあやふやな物語となっていて、ストーリーでなく語呂合わせを聞きたがる人を喜ばす仕上がりです。それと面倒くさくて重たい人は多いので、彼女たちをいとわずに好いたり嫌ったりできないとやや読みづらい。たくさん挿入される他作品については興味を持てれば読み良いだろうけど、知ってりゃスバラシイといったものでは無し。知らないキャラが闖入してきて飛び交う日本語が意味わかんないものとなると、そこにこそお祭りの空間が現れたりもします。
89キラ☆キラ (OVERDRIVE)
鹿之助がたくさんの事を忘れちゃうライブシーンが好きです。
88車輪の国、向日葵の少女 (あかべぇそふとつぅ)
絶対にツッコんではいけない社会SF。「Fと書いてる。だから作品の見解はF」と捉えてしまうと、ストーリー上の演出が明瞭すぎてアホらしくなる。感涙ものテレビ・ドキュメンタリをプロレス観戦するようにして見るくらいのつもりが、楽しむにはベストポジションな気もする (看板ヒールも最後まで手を抜かない仕事をしてます)。また、終盤の例のシーンからは物語が転調するので、頭を切り替えていかないとやや不協和音に悩まされることに。以上がクリアされれば、印象的なつかみから読者を揺さぶっていくシナリオは読み進めやすく、キャラクターを恐ろしい目に遭わせることで「自分が何からできていて、どんな社会にいるのか」を読者にさとらせるのがとても巧い。ヒロインでは灯花が好きかも。おそろしく芯が強い夏咲とはまた違う、弱い優しさを持った子で、ぐずぐず関係や耽溺エンドとの表裏一体まで含め、優しさとはこういう性向のことなのかもと納得。
87群青の空を越えて (light)
背景設定が作り込まれてるけど、あくまでも背景。学者先生の理論がひねくれていって引き起こる政治思想の対立という(ソ連みたいに)歪なものを、人々にしっかり埋め込んでおいて群像劇を描いたのが上手い。ただし描き込まれるキャラが多いためプレイヤーに人物をさとらせる暇はなかったのか、テキストはその心情を説明しきってしまい、シナリオに沿ってキャラが整然と配置されたことを際立たせる。そこが作品の色であり、また読後感には影響を及ぼしてるように見える。プレイヤーがめいめい任意の期待を託せるような主人公たちが間を取り持ってたなら、あのラストシーンへの納得はつけやすかったはず。ところが「俺を信じろ!」と言い切るアバウトさは持たせず、作品はキャラを説明して理解される事にこだわる。萩野社は色んなモヤッとした願いを一身に引き受けさせるには誠実で理知的すぎて、泥臭い活動をやりきれない、どこまでも戦闘機乗りでした。
87戦国ランス (ALICESOFT)
イベントで強めの枠(例えば魔軍)をはめているので戦略の幅は広すぎず、そのゆえゲームバランスが良いところがある。序盤にターン行動回数をいかに早く増やすかみたいな小さな最適化が楽しくて、一方で、猿殺しルートはつまらないと感じた。実績やレアアイテムを集めさせる形でボリュームをつける設計となっていないのは好ましいところです。あまりシナリオを問題とするゲームでもないのだけど、魔人が主人公まわりを悲惨な目に遭わせるうちに、ちゃんと "倒すべき敵" に見えてきてしまったのは少し口惜しいような気もする。この主人公には、カルタゴの将軍をならって、象さんを前面におっ立てながら「いやそこは進まねえだろぅぅぅ!?」という意外な悪路を越え、もっと自己本位なロマンを目指して進軍して欲しかった。
86俺たちに翼はない (Navel)
プレイヤーを飽きさせないのに手厚い。各章で模様替えをして、ひと癖つけたヒロインをそれぞれの主人公でちゃんと立てて、とにかく笑わせる。そして、寂しすぎるから必死の笑いを止められないのは『それ散る』とも同様。同じプロットしか書けないライターさんというのは下手くそだけど、同じスタンスでしか書けないライターさんは信用できると思う。個人的クライマックスは小鳩さんとのお風呂。なにあの締めつけられる感じ。笑いを取りにいけないぶきっちょヒロインと、さすがに笑い飛ばせない主人公に何やらせてんの。風呂ってパーソナルスペースでセックスがゆるゆる親密になったりする反面、カノジョと喧嘩したときとか、風呂場の扉がパタリ閉じるともう追っていけないのだけど、なんかアイツらの家の風呂には扉とか欠落しちゃってる。しかも命の匂いが立ち込めてる。古い日本家屋だったこともあって、なぜか風呂場でするお産の光景とか連想しました。
86最果てのイマ (XUSE)
どうにも手段が目的になったアホらしさがある。田中ロミオの書くものには、他人に何かが伝わることへの絶望と、伝えることへの愛着が混じり合っているので、手淫が目的になったところで問題ないはずです。ところがこれだけ"読め度"が高くなってくると、「読み手を選ぶね」と言うことにすらもわたしがモニョってしまうのは、完成された物は醜くて、完成させていく姿のみが美しいと感じてしまったから。あまりにも転倒しているし、不毛です。それでもなおエクスキュースとなりうるのは、爆発ドッカァァァン!で血を熱くさせ、奪われていくことにお涙を頂戴して、ヨメ度の高い娘さんもいるという、結局はエンタメに落とし込んでいくテクニック。この作品は「難解だから良い」に堕してはおらず、アホなわたしがこの物語で遊べたことの理由ってつきつめればそこなのだと思う。
85大悪司 (ALICESOFT)
歴史改変ものでありパロディ満載、キレイじゃない雑踏から何が飛び出してくるかわからない世界観によって物語の裾野が広がり、ゲームの自由度を実際以上に感じさせてくれている。そして個性的なキャラを立てる極端なパラメータをもってしても、ゲームバランスが保たれている点が非常に巧い。簡素な戦闘システムではあるのに、あるキャラが他のキャラの代わりとして利かない印象をここまで出せているのだからすごいと思う。運営面では女の子たちをお風呂屋さんに沈めるのがとても良い味を出しているのだけど、もっと顔つきキャラを沈めたくなるよう、エロCG回収の他にゲーム的な誘因がより強くても好みだったかもしれません。例えば、プレイヤーが戦略ミスしたら金銭面が負のスパイラルで苦しくなっていき、救済措置というか生贄として、顔つきキャラを誰か選んで沈めざるを得なくなる。そんな物語ができるゲームバランス。ゾクゾクする。
85夏めろ (AcaciaSoft)
青春の匂いが漂っては消える作品です。教室のすみ、並んだ机にかかるまだ短い影。委員長の指が優しく鼻先を撫ぜてくれるときの、濃密な時間を匂わせたテキストが素晴らしい。ずっとそう思っていたのですが、久しぶりにプレイしてみると足コキはあってもちゃんと嗅がせてくれるシーンがどうしても見つからない。……上履きを脱いで足を投げ出したあの子に甘酸っぱい香りをグイグイ押し当てられてると、親指の部分のほのかに蒸れた布地が鼻にもぐりこんできて奥の方がツンと痛くなり、それは喉の深いところで甘みへと変わって、にっこり笑った彼女が「靴下で興奮するだなんてホント恥ずかしいよねぇ。男の子って汚い、ねぇ? とってもみじめ。……ごめんね? 汚くてごめんなさい」その声を熱に浮かせていったのは、どうやら全部わたしの妄想だったみたい。でも、空があんなに綺麗だったのは本当。
85はるのあしおと (minori)
ゆづきが街で立ちつくしてる場景が好きです。
84サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- ()
幸福と不幸にひとつながりの意味を見るなかで、生の意義を知ろうとする物語。人のつながりをゆったり見渡していくためか、稟たちのみならず、香奈や桜子たちまでも愛らしくなりました。 → 長文感想(39998)(ネタバレ注意)
84CANNONBALL ~ねこねこマシン猛レース~ (Liar-soft(ビジネスパートナー))
ゲーム性という怪しい用語にはストーリーテリングへのプレイヤーの操作感も含まれるけど、あの面倒なレースゲームをそれなりに楽しめた理由は、しょっぱい主人公が型破りに魅力あふれる才人たちに近づけることがその操作感と連動してるところにある気がします。加えて、レースでは何だかんだ言ってプレイヤーは上位集団に居るわけで、そこの顔ぶれは偏ることに。魔王バルトアンデルスのように本筋へも頻繁に関わる人とのしがらみが生まれ、確かに魅力あってもその顔は見飽きる。そして人種差別主義者や美食家あたりが、身近ではないけど印象的なひと言を残していく人となる。もっと絡みに行きたかったりするけど、そこはゲームクリアに関係ない。縁がない。ためにまだ見ぬ会話テキストが散逸すると、実際のところ以上に物語の宇宙は広がって見えました。辺境には何か価値あるものがまだ残ってそうで、自分のプレイに出てこなかったお話へと思いはせてしまう。
84ひまわりのチャペルできみと (Marron)
笑いとイチャラブを大量に盛り込み、ついに質的変化を遂げたユニークな作品。「こんなダダ甘な世界あるわけねー」ってなる嘘を率先して認めるかのようにして奇妙にシビアな裏設定が明かされると、おままごとなイチャラブはおとぎ話な残酷でバランスされた。この裏張りがされると、アイツらはただ騒いで笑ってたのでなく、親切だから笑い合ってきたのだなと受け取れる。普通にコメディ楽しむのが主旨だけど、ついでに笑うこといいなって再確認もさせてくれました。キャラ絵も好きです。というか馴れた。声が無い分だけ脳みそも暇をする長ーいプレイ時間、この絵柄には思わぬ魅力が見えていきました。女の子の顔はそりゃ端正なのが良いのだけど、カノジョにそれ求めるかと訊かれるとわりと別の話だったりするもの。違和感バリバリだったキャラ絵なのに、良いも悪いも失せるほど馴染んでしまったプレイ体感は、憧れが通り過ぎた後の恋愛にちょっとだけ似るかも。
84CROSS†CHANNEL (FlyingShine)
主人公が泳ぎつづけるマグロ。ひたすら喋り続けることで、他人を理解した"つもり"を吸い込んで吐き捨ててをくり返さないと死んじゃいそうで、ロミオ成分の高いキャラ作りだこと。とかく「私にとっては~」と語りたくなる作品なのだけど、実際にはプレイヤーの群青指数ってさほど高くないわけで、少なくともわたしは太一ほどピュアじゃない。それを、クリーンルームみたいに綺麗な構成してる物語のなかに太一を生きさせることで、あそこにいるのは自分なのではないかと感じさせ、ついにはその男が狂っているのかも判然としなくなってくるのが面白い。田中ロミオはかなり下品にうんちくを垂れて自分語りするライターさんだけど、どうしても人目は気になるのか立派な便器をこさえてからきっちりと垂れ流す。あの世界のまっしろくて人工的な綺麗さ、汚さはそこに由来してるように思う。しかしまぁヒロインの描き方のえぐいこと。霧が犯されてしまうとこはグロ。
84ドラクリウス (めろめろキュート)
本作や『ひめしょ!』で藤崎竜太シナリオを読んでると、昔、TRPGでGMやってたときを思い出します。設定だけは作り込んで(アドリブに必要だから)、シナリオの算段も一応つけとくけど、ストーリーラインは場当たり。セリフをぶつけ合いながらお話を転がしてく潤やリカたちは、TRPGメンバーがルール解釈をめぐりガチ口論やらかす時みたいにギスギスしてる(笑) 彼らが行成りに暴走して物語の収拾つかなくなるほどの活躍を見せるかと思えば、作者が愚痴をたれたりモットーを語り出したり、あげく、しれっと設定はぶん投げられて伏線も宙ぶらりんに。そんな物語の作り方は、小説の読み方を採るならば未完成品にすら見えます。しかしながら、物語の予定を立てることになおざりな藤崎シナリオだからこそ、その場でクレバーな解決法を探り当てるヤツはいっそう輝きました。お膳立てされてない成功が勝ち取られるまでの思考プロセスが、おもいきり痛快。
84木洩れ陽のノスタルジーカ -Raggio di sole nostalgico- (STREGA)
音声まわりに粗があり、SF考証はいろんな意味で甘いし、個別ルートはちょっとチグハグ。でも「問題じゃないさ」。あまねく物語で、しねまは笑いかけると笑い返してくれる。この子の機械の手が冷たいことで自分がまだ温かいことを思い出させてくれる、ひたむきに優しいおとぎ話です。 → 長文感想(22132)(ネタバレ注意)
84それは舞い散る桜のように (BasiL)
未完ではあるのだけど、あの終わり方はわりと好き。舞人の背景を考え合わせると、プレイヤーもヒロインも同じ立場で物語からシャットアウトされたのだろうなと自然に納得できました。「恋も物語も、絵空事。けれどまた始めから再開したとき、今度も笑えるならばもうそれでいい」という覚悟において、舞人と作品の向いている方向はひとまず一致してたような。そうしてつま先立ちでコメディを続ける姿からは、なんだか、ルオーの描く疲れたピエロとかを思い出してしまう。妙に真面目くさったことを言ってますが、まるで知りもしない画家先生を引き合いにしてみてるだけで、もちろんプレイ中は頭空っぽになるまでゲラゲラ笑っていました。小町さんとか特に爆笑もの。恋する乙女としては本当に無敵キャラすぎる感じで、敵がいないからってそれ何になるんだという感じで、とてもじゃないけど笑いがもう止まんないです。
84装甲悪鬼村正 (NitroPlus)
英雄編がいちばん筆に勢いがノってた気がする。そして、ノりノりなあまり"人"の姿には足りてないという印象も強い。作品のテーマがために欠けてしまっている"丿"。ごく普通の人が備えるバランスを欠いた彼らだから前のめりにぶつかりきれたのであって、そうして散らす火花が美しかったのはどうしようもなくスクリーンの向こう側。物語をふり返ると、凡庸な人であるわたしならすでに知ってることのみが明かされたようで、すると、湊斗景明は大太刀を振り回しながらごく当たり前のところへ着地しただけに見えてしまった。すごく浅い見方とわかってはいても、粋狂なノりにやや置いて行かれたのでしようもない。語りが流暢だからこそ、暴力を振るう技術に信条がのせられることへは身構えてしまうし、話に乗っかるのにもためらいがちに。「真面目にやれよ」という雪車町に好感があります。
84ナツユメナギサ (SAGA PLANETS)
オールクリア後に思い返す美浜羊ルートエンドが好きです。ネタバレが面白味を削ぐ作品なので長文感想には特にご注意を。 → 長文感想(12706)(ネタバレ注意)
83BackStage (TJR(THE JOLLY ROGER))
演劇を描くふりをしながら、そもそも役者を描くつもりしかなかったバックステージもの。光明や京香がマジメに創作論議を打ち上げてはみても、天然アイドルゆとり猫が茶化しきっちゃうのがご愛嬌。やや作りには甘いところがあるので、そっと埋もれていて欲しくもなるようなエロゲです。 → 長文感想(13536)(ネタバレ注意)
83遥かに仰ぎ、麗しの (PULLTOP)
本校と分校の視差とかも面白いけど、それよりなにより殿子の二心ない愛情に感動した。主人公はチャンスが来るとレバレッジ効かせて賭け、勝ってしまうのでやや全能感があるのだけど、それを笑顔で褒めてくれる殿子はもっと超然としてる。捉えどころなくて、おそろしく正しい直観を持ち、例の対等でない関係を望んで主人公のガードを外すと、するり身の内まで入ってくる。その彼女から全幅の信頼を寄せられると、羊飼いが牧羊犬に向けるような一体感ある愛情を注いでもらっているようで心おどった。ヒトの感情が難しすぎて敬服しながら、その笑顔のために奔走するワンコの気分になる。手のひらで踊りつつ、男を立ててもらえることがすごく心地良かった。全能感がシナリオ由来に見えるとまた違う読感にはなるのだけど、岬に立つ殿子の横顔はそこを引き受けてしまえるくらい神秘的だったように思います。可愛い。猫かわいがりしたい。
83向日葵の教会と長い夏休み ()
詠がおりこうだったように、雛桜が大人の事情に聡いように、色んな要素を考慮しつつ必要なところをちゃんと満たした作品。必要に応じておりこうに削られた細部とか、大人の事情もあって後回しにされたエロなんかが、ちょっと惜しいように感じられます。 → 長文感想(21333)(ネタバレ注意)(4)
83機械仕掛けのイヴ Dea Ex Machina (NineTail)
完全にバカでしかなくて、どこまでも真面目というシームレスが最高。「大人のオモチャを作って敵を倒す!」とか言われてモニタの前ではわたしが半笑いなのですが、ゲーム内では登場人物たち大爆笑、その目がまるで笑ってない。そうして開発されたエログッズを渡された女の子は、愛想笑いで「男の人って……」とか及び腰だったのに、いつの間に激しく喘いでいる。なら抜きゲーなのかと思いきや、情欲に溺れてた機械の女の子が譲れないエゴを抱えて戦っており、クリンチしてでも噛みついてでも負けるものかと必死。この作品には、ベイリー『時間衝突』のようなある種のバカSFとも同じ匂いがする。全力全霊でバカをやる、愛すべき世界(と制作陣)。物語がまずバカを目指してみせながらそのバカが突き抜けてシリアスへ化けると虚心に読めたりするのだけど、科学研究が本質的に無闇やたらであることや、セレンディピティなんかとは似た装いをしてるような。
83夏ノ雨 (CUBE)
主人公の母である桜井夏子は作品に愛されたキャラクター。であるので、憎むことも簡単。彼女を始めとする普通にダメな人たちをどうにか愛そうとして、シナリオが採った“描かない”手法は、弱点を削って綺麗にまるめられたこの作品の数少ないユニークな持ち味です。 → 長文感想(23796)(ネタバレ注意)
82紙の上の魔法使い (ウグイスカグラ)
本を疎んでいる本。読み手を排撃する物語。いやそも「排撃原理」って何だよとツッコミたくなる妙な言葉遣いでもってミステリを見せかけて、しかしストーリーは面白いという難儀なエロゲ。といったあたりの話をぜんぶ吹き飛ばす、かなたの笑顔が最強に可愛いかったです。 → 長文感想(17461)(ネタバレ注意)
82パルフェ ~chocolat second brew Re-order~ (戯画)
(GiveUp) 玲愛・里伽子を未プレイという、伝え聞くかぎり、ショートケーキの苺を残しての中断。とても楽しかったです。丸戸史明には盤石の信頼があり、残りのルートも間違いなく良いものだから、もう実際には読まなくていいやと思ってしまった。王道エンタメとか感動ものは好物なので、そんな妙な賢者モードになるのが謎です。丸戸作品には、エロゲが持つある種のB級感、踏んだら物語が破綻するところを行き当たりばったり踏み抜かずにはいられないバカ根性が薄い印象があります。良いライターさんだと感服しつつも、わたしがエロゲに向ける歪んだ欲望とは違ってよく整った物語に、はぐらかされたような心持ちになったり。あるいは単に、主人公が自分を丸くして社会につながっていこうとする姿勢が眩しすぎて、取り残されてしまうのかも。丸戸作品が見せる "あと少しだけの優しさ" って、わたしの場合それ無しでも人に親切にしたりされたりやってゆける気もする。
82スズノネセブン! (Clochette)
すみれが下着とか気にもせずスズスポをチェックしてる姿が好きです。唐突に昔話をすると、高校時代に同じ部活の子が汗だくTシャツの首元からブラちらとかしてると、当然、わたしの視線は吸い寄せられるのです。しかし、ふと見ると彼女は目の前のタスクにひたすら集中していて着乱れなんて気にもかけてない。その瞬間の自分のちんこが恨めしくなった罪悪感というか謎の敗北感が、すみれからは呼び起こされた。全くおかしな話だけど呼び起こされちゃったので、そこからは常時スーパー妹タイム。デン塩以外にキッパリNGを突きつけるのが素敵すぎる。口角あがった悪魔の微笑みがかわゆすぎる。どちらかというと共通や他ヒロインのルートで暗躍してる姿を見ていたい。男を立ててくれなくてもいいから思う存分スズスポを刷りまくって欲しい。暇ができたらわたしのも擦って欲しい。接待感あるブランド色に妙な記憶がからまり、非常にいい思いさせてもらいました。
82ゆきうた (Survive)
シナリオはあまり好みじゃない。それぞれのキャラの心情は上手いこと切なくなる配置がされていたのに、佳境に入ったとたん「不幸になーれ」とライターさんの魔の手が伸びてくる展開が露骨すぎるような。テーマは『Kanon』あたりの時代背景に寄りかかりきりだし、何よりも、それで出したアンチテーゼは冴えないものに見える。そうしてキャラが振り回されて、置いてけぼりにされたのが残念なのです。なれども菜乃がなんとも菜乃です。ユニークにボケ倒しながらも本人は真顔、「てへぺろっ」みたいな安全圏からする笑わせ方ではない全身全霊アホの子で、しかも意味不明キャラにはなってないさじ加減が絶妙です。さらに心をつかんできたのは雪那。知識量や計算量をこれ見よがしに書きたてる表現でなく、その計算結果だけポンと出してしまうから、キレる子だなぁとひとりでに感心させられました。でもアホの子二号。かたくなで短気なところもすごい好き。
82果てしなく青い、この空の下で…。 (TOPCAT)
素朴でどこか気の抜けた田舎を描くことから始めて、読者を脅かそうとはせず、たんたんと閉塞感を出していくのが怖ろしい。物陰からワァ!と大男が出てくるみたいな油断をつくタイプの脅かし方ではない。決して吠えない犬にジィッと見つめられる感じで、最初は風景に溶け込んでいたものが少しずつ薄気味悪くなり、そのうち肌にまで危機感が伝わっていく。で、その頃にはもう逃げ場がない。印象的だったシーンは雨音があの屋敷を目前にしたときのこと。彼女は主人公の言葉によく耳をかたむけ、その危惧するところにも納得して、なお自分の決心は変えなかった。その不合理な決心がすごく綺麗なのです。手の届かない女性とはまた話の違う、今ここで手を繋いでいる女性に届かないものを認めるしかなかったのが切ない。すでに失われているものの再確認というか。あの雨音に届かなかったことで、逃げ場なんてない狭い物語であることが何となく飲み込めました。
82プリンセスうぃっちぃず (ぱじゃまソフト)
前半と後半でのギャップが巧みです。エロ萌えコメディで物語に引き入れておいてからシリアスへとつなぐ手際はとてもスムーズ。そうして愛すべきキャラクターたちをきっちり酷い目に遭わせることでドラマティックにする、教本どおりの物語の作り方。しかし爽快な戦闘パートがはさまれるため、これ見よがしの絶望ムードが続けられることはありません。主人公は痛みを感じながらも心は折らず、何よりも寄りそうヒロインと学園生活にあった空気を分かちあって行けるので、長くて重いシナリオでも楽に読み進められるさじ加減がありがたい。残酷なおとぎ話が、おとぎ話としての分をわきまえてプレイヤーには重荷を背負わせない。ただ、メインヒロイン二人に目当ての娘がいるかで評価の変わる運ゲーではあるのかも。戦闘パートはわりかし運ゲー。好きな子いじめちゃうガキ大将じみたねちっこさを、ノリよく受け入れてくれるヒロインとのエッチも濃厚で良かったです。
82るいは智を呼ぶ (暁WORKS)
人物でなくポジションで見ても整理がつくよう考えます。コミュニティの中心は智。男らしさと女らしさを行ったり来たり、リーダーでありマネジャーもやる。男らしい役回りの花鶏&るい、マネジャー的な役割は伊代&こより。茜子さん猫さん。呪い=キャラ付けなので、仲間うちのキャラ付けを意識するあまり無理が祟ってコミュニティの崩壊をまねいたりもする。また彼女たちのお喋りは、ライターさんの台本にそって当意即妙なかけ合いをしてるのが妙。言葉をもてあそんで難解用語に酔うようなセリフ回しは、友だちと酒を交わしてすっかり酔った手慰みにピーナッツの殻をむきだす時間帯の、生産性ない楽しさに似た感触でした。職場やゼミでやられたら張っ倒したくなる類のセリフ回しではあるけど、家柄も学校も別々の彼女たちが欲しがったのは隠れ家、たまり場。あの "仲間ことば" でコミュニティが築かれていくところには、作品の優しい嘘があったのやも。
82マブラヴ オルタネイティヴ (âge(age))
[ネタバレ?(Y1:N0)]
82G線上の魔王 (あかべぇそふとつぅ)
基本スタイルは『車輪』と同じで、最大瞬間風速にがっちり狙いをつけて観せるシナリオがやっぱり巧い。ただ、風刺的な社会SFから推理ミステリへと装いを変えたため、細かな設定の齟齬はいっそうキズとして目立つ。また話の本筋が男の子的にカッコイイだけにヒロインの心情問題がうまく絡みきれず、かといって添え物となるほど簡明でもないので、交わることなく二本立てになった印象がややある。ところで、椿姫、花音、水羽までは気持ちがついていったが、メインヒロインで何かどうでもよくなってしまった (『車輪』でも同様)。出会い頭のインパクトを最優先にした一本道ツリー分岐型シナリオゆえ、大風呂敷をたたみ始めればほころびが出てくるのだけど、ストーリーラインのその位置でヒロインをするハルがその巻き添えになった気もします。あと、精根尽きるくらいの感動、感動、感動なので、ハルにたどりつくまでにはもう涙腺や表情筋がへとへとでした。
82StarTRain (mixed up)
麻衣子はTVやネットからの借り物のネタで、微妙にスベリながら友達を笑わせようとする。作品はまず、そんな若者たちがするそこら辺にも転がってそうな泥くさい恋愛を描くのだけど、いざ大切な主張をしようとすると足は地面から離れ、恋をしてる自分自身だけの "お花畑" に飛んで行ってしまう。その最たるが七美ルート。自分に手の届くモノだけじゃもどかしくて、背のびしながら「幸せ」とか観念ばかりふりまわして、物語そのものが若者の主張を体現しちゃう。そうして描かれるのはごく普通の思春期とは別モノの歪んだ何かなのだけど、プレイヤーはその何かから思春期をひしひし追想することができる。そんなデフォルメが魅力ある作品。でもその見方をしたとき、奏だけは "お花畑" に入って行かず、あの変てこで、なんかもう微笑ましいバストアップマシンを使う。だから何?って話だけど、物語が過ぎると彼女はとても綺麗になってました。
82明日の君と逢うために (Purple software)
若宮明日香が好き。彼女の見せた、ただの興味で新天地へと足を向け、後に残るものへの気づかいに欠けるというメンタリティはひどく綺麗で、その好奇心って誰かと別れるのに充分な理由たりえるとわたしは感じます。シナリオはそこを軸にして進む・残されるというテーマに集中していて、そのバリエーションばかり。それもあって新味はないけど、テーマまわりでキャラを立てたことが要領を得ていて、サブまで含め全員にしっかり何かを欲しがらせてる堅実な物語づくり。ヒロインはみんな何がしかの形でリーダーシップをとれるタイプではあり、会話が上手く、そして欲をかいたりあきらめたりをする"交渉可能な人"。見つめ合ってのイチャイチャのみに頼ることなく、後ろ髪とか、背中を押すその手の震えからもキャラの魅力が伝わってくる。そうして取捨選択のはっきりしたヒロインを描くからこそ、何だかんだ言っても笑顔でこっち向いていてくれる結びは幸せです。
81キミへ贈る、ソラの花 (Cabbit)
カレーを作りながら、まつりは言う「いやー。玉ねぎ切っても涙が出ないとかいいね。感動的だね」。あっちこっちの可哀想なエロゲヒロインに涙するうち、目にしみるオピニオンでもって泣かされてんのかもと疑心暗鬼になってきたわたしに、彼女のささやかな言葉はありがたいものとなりました。 → 長文感想(21689)(ネタバレ注意)
81僕と、僕らの夏 完全版 (light)
長編小説での時間の流し方に近いものがあり、一文を取り出して意味をうんぬんするのは難しく、またルートごとに文脈が異なると同じ一文であっても意味を変える。なべて地味だけども、お話を牽引する材料は用意されていて、冬子の悪意とかレズビアンだとかはちょっと突飛な情動。それ自体を丹念に描きたかったというよりは、それらによって物語を一足跳びさせておいてから、実のあるテキストでもって等身大の日々を築いていったように見えます。表ルートは物語の陰をチラ見せだけしながらも、漠としたまま日常へ収まっちゃうリアルな物語。そして裏ルートで露悪的にくっきり形をとった汚さには、それがリアルかはともかくも強い納得感がありました。そこまでのお話で視界の端にずっと置かれてきた不安のタネを、日常に溜まった澱をこれでもかと語ってもらえたゆえに味わえるカタルシス。夏空の下、プレイヤーをじっとり焦らしていく構成が巧みです。
81リアライズ (PLAYM)
誰かへ入れ込む話でもないのだけど、春秋にやや共感。亮みたいな人は眩しくて何かを託してしまいたくなる。異様なほど男性陣が立っているというか、感傷を自制できちゃう沙耶くらいしか表舞台には女の子がいない。それでよけいに"彼女"は特権的な女性となっていて、むき身の刃なボクらが戦う箱庭みたいなイメージが強調されてたような。男らしさが足らないわたしはヴァルハラの宴会でも観るような遠さから質実なテキストを読んでしまい、もう少しだけ彼ら目線で不安を噛みしめれてたなら終盤の流れにはもっと色々と思うところが出たのかも。"Open your mind"とは言われたのだけど、もとより開きっ放しで締まらない精神なためか、彼らの夢がこすれ合う音を聞きながらまどろむ心地よさの方にひたりきり、宙吊りとなってしまいました。遠くオレンジ色に染まる家々、誰かの窓を、倫がひとつひとつ懐こく眺めてくシーンを好きなままでいます。