まつさんの得点順コメント

まつ

エロゲならではの空気感を堪能したい。
絵と音と文章、それに演出でどっぷり浸からせてくれるのがエロゲ(ビジュアルノベル)の魅力と思っております。
映画でも漫画でも小説でもない、私が特別このジャンルを愛好している理由です。

採点は個人の満足度に依るところが大きく、非常に主観的なものです。
また、内容の善し悪し以上に好悪が多分に入ってたりします。たとえ荒削りであろうとも、少しでも琴線に触れる要素があれば高評価になりがちです(逆も然り)。
初期頃にやった作品は、強い思い出補正がかかってるかも。
なお、言動が意味もなく不快なキャラ(理不尽暴力系ヒロインetc)、展開に納得いかない…など気にいらない要素は容赦なく減点対象としてます。

点数について:
相対的な序列感をより明瞭にしたいという意向から1点刻み。それゆえ、1点には重みを設けてます。適宜、調整も。

プレイ時間について:
計測ソフトを使用してるので正確なはず。基本的にボイスはあまり飛ばさず、じっくりプレイしてます。参考になれば。

【指標】
90~:マイベスト。
80~:とても良い。十分に堪能できた。
75~:良い。満足できた。
70~:まずまず。普通に楽しめた。
65~:もう一歩。楽しめなくはなかったが、物足りなかったり不満点が目立つ。
60~:いまひとつ。あまり楽しめなかった。
~59:悪い。あまりに質が低かった or つまらなかった or 肌に合わなかった。

X :
matsu520_sub

得点順コメント

87魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis (metalogiq)
グロテスクな人間讃歌。乳首をビンビンに勃起させ肥大したクリトリスをいじくり回し愛液と腸液を撒き散らしながらも毅然と戦い続ける魔法少女たちの勇姿に刮目せよ。 → 長文感想(5458)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 25h
86蒼の彼方のフォーリズム (sprite)
キャラやシナリオ、CG、音楽に演出、どれを取っても高水準で極めて総合力の高い作品。FCという架空スポーツを通じた個々の身の丈に合わせた物語はテーマに過不足無かったです。そのFCについても、各人の相性や作戦の如何によって多彩な勝利パターンが味わえるところに、画一的な試合運びにならないよう創意工夫を凝らした跡が伺えます。競技としての伸び代が示されたのも、貪欲に空を求め続け、“楽しむ”ことを決して忘れなかった明日香の姿勢と一体で好し。追い風を受けてどこまでも無邪気に飛翔してしまえるのが彼女です。主人公との関係性に着目したとき、明日香がそうやってぐいぐい手を引いていくのだとすれば、みさきは一緒に二人三脚をやる。天才肌なれど地に足は着けてるから共感はしやすく、泥臭くも向かい風にぶつかっていく姿には胸が打たれました。もっとも、気分屋な彼女にはいつ転んでやしまわないかとハラハラしっぱなしでもあったけど。
総プレイ時間 : 39h
85クリアレイン(非18禁) ((同人))
物語とは、須らく必然性の集積である。人間と、幽霊と。そんな交差を描いた“幽霊的モラトリアムノベル” → 長文感想(9260)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 17h
84こころリスタ! (Q-X)
キャラクターの作りこみの巧さは健在。なかでも、アルファには良くほだされました。ちなみに、『こころナビ』をプレイしていると本作における見通しがだいぶ良くなるのは確かですが、キャラを堪能する限りにおいては別に必須じゃないです……です! → 長文感想(9226)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 24h
84紙の上の魔法使い (ウグイスカグラ)
ルクル氏の集大成。非常に挑戦的なテーマは、ライターの過去作に触れているか否かで見解が大きく変わりそう。また、兄妹ゲーとしての見所も。 → 長文感想(14731)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 31h
84運命予報をお知らせします (ヨナキウグイス)
“恋心”への徹底的な懐疑の果てに、“恋”を肯定するお話 → 長文感想(8160)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 23h
81Imitation Lover (light)
響の存在が私の目を釘づけておいてくれたので、円香にいくらアプローチを掛けられても全く心が動かなかった。主にエロゲでは複数のヒロインを順繰りに攻略していくことになるけれど、好みのヒロインとそうでないヒロインとでのいかんともしがたいモチベーションの差は誰しもが実感あるはず。樹くんもまた、建前上では円香とつき合いながらも常に心は響に向いていて、怖いくらいに私の感情と一致をみることに。カタチから入る恋愛(攻略)には、ある種の割り切りを必要とする場合もあります。気が乗らない相手だけど、身体はえっちぃからHシーンではオカズにして使っちゃおうとか、そのくらいの余裕が出てきて初めて、バイアスのかかってるうちは見えてこなかった思わぬ魅力が覗けてきたりする。印象の上書きが迫られます。我ながらゲーム脳極まってる感じであれですが、「心」と「身体」の不一致が、いくらかメタ視点とも絡まってきたりして面白かったです。
総プレイ時間 : 21h
81恋×シンアイ彼女 (Us:track)
星奏は憎めない子になりましたが、私はストレートに好意をぶつけてくれる彩音を好きでいます。また、星奏√を通して新島氏が伝えたかったものとは…… → 長文感想(18013)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 26h
81幻月のパンドオラ (Q-X)
ゲームに負けて悔しさを露わにするuni先輩だとか、本来ゲームというものに馴染みの薄かった真姫が「いいこと……みっけ…」と自分なりの楽しみ方を発見していくだとか、真剣にゲームに向き合い、全力で楽しむ彼らの放つ瑞々しい空気感が味。ゲームへの向き合い方に多様性を持たせながら、それを取っ掛かりにしたお話作りが素敵です。キャラクターの表現度も高く、二次元ヒロインながら「生身の女の子」としての肌触りがあったのは感心したり。そこに確かな体温を感じた。シナリオ根幹に絡むお話は、そもそものご都合的な設定と相まってやや説明不足感が否めず、急転直下な展開も含めてその温度差から少し入れ込みづらいかも。しかし、過程においてはエロゲとしてはぴったり嵌っている印象。あくまでゲームを楽しむことに主眼を置き、ご褒美えっちを挟みつつシリアスになりきらないよう僅かなゆとりを残しており、よくシナリオと寄り添ってました。
総プレイ時間 : 18h
80鬼哭街(非18禁) (NitroPlus)
ルイリーのちょこんとした佇まいが愛くるしかっただけに、彼女と過ごす時間をもっと味わいたかったのが本音。機能的なまでの復讐劇とのトレードオフにおいて、そうした“日常”はオミットされてしまった印象を持ちます。それゆえ、「あにさま、ぜんぜんルイリとあそんでくれない」と彼女がブーたれちゃうのも致し方無くて、けど一方で、そのふくれっ面が無性に愛らしく思えると、妹のご機嫌取りするタオローとは何やら近づけた気がする。それに伴い、ルイリーの発する辿々しい言葉とか、兄さま然としたタオローの語調とか、リメイクにあたって実装されたボイスにはつくづくほだされました。少ない“日常”を噛み締めることにも繋がったかも。また、アクションシーンにたっぷりまぶせられた外連味は、ときに復讐鬼としての兄さまをも浮き彫りにしてしまうから、結末を想えば想うほどにただ哀しくなる。非18禁だけど、思いの外エロかったのは僥倖でした。
総プレイ時間 : 9h
80LOVERS ~恋に落ちたら…~ (Jellyfish)
一見すれば最低ヤローな主人公ですが、事が発覚するまでズルズルいってしまう状況には卑近感。振り返ってみたときの遣る瀬なさもセットで。親友の方もヘタレには違いないからあまり同情できなかったりはします。また、テキストに描写を丸投げせずにCG演出とも一体となった構成は、程よく遊びが設けられており、そこにプレイヤーの抱く色んな感情までもを乗っけてしまえるために物語はなお感傷を帯びてゆく。目の眩むようなキラキラした青春模様は私にとってのファンタジーですけど、本作のくすんだ空模様に似た息苦しさはどこか身近で、思いがけず学生生活を追体験してる気にもなれちゃいました。一年間って長いようであっという間なとことか、現実における時間感覚にも似てて余計に。合間合間のミニゲームやら調教パートは別段シナリオの流れに一切干渉しないので、そこで自分勝手に妄想を組み立てられれば美味しかっただろうけど、案の定作業感のが勝ち。
総プレイ時間 : 21h
80嫁探しが捗りすぎてヤバい。 (Hulotte)
毒にも薬にもならないお話とか言うとマイナスイメージだけど、本作ではそれをプラスに捉えたい。あれやこれやと気を回さずにキャラ萌えに傾倒できる膳立てが整ってるので、自ずと溶け込み易かったです。ヒロインたちもまず口当たりのよい台詞だけを並べていくからストレスが無い。けど、瀬里香√などはシリアス配分多めで足並み外れてた感もやや。らくらく「嫁探し」システムは、一足飛びでヒロインと合体できるご都合設定と思いきや意外にも説得性ある仕上がりになってたりして、妙に感心するところもある。神様バンザイ。なべて、美穂乃姉は聖母のようだし、妹の希里乃はCVと合わさって最強だったし、上質な萌えエロはご馳走になりました。ところで、いかにも「抜いて下さい」って肉欲ギラギラなエロには及び腰になっちゃう私は、こういう甘さや癒やしで柔らかく包んでくれた方が具合良かったりします。でも、捗りすぎてチンチンひりひりさせたのはヤバい。
総プレイ時間 : 26h
80Re;Lord 第二章 ~ケルンの魔女と黒猫~ (Escu:de)
シリーズへの導入的な意味合いが強かった前作を受けて、今作では良い具合に舵取りが出来ており、方向性が見えてきたような気がします。曖昧なままに終わってしまった点と点が繋がり、シナリオが引き締まったような。相変わらず前作のゆるいテイストは健在なのだけど、急にシリアスな方向へ話が持ってかれたりするところは、メリハリが効いてるぶんその振れ幅に戸惑うかも。ゲーム部分は着実な進化を遂げており、回想シーンも更に使い易くなっていて良し。お気軽に脱衣ゲーを楽しむことが出来るように。第三章へ続くというのを留意の上、前作を楽しめた人は買いで良いと思います。早くも次回作が待ち遠しい。 → 長文感想(2260)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 16h
79Summer Pockets(非18禁) (Key)
チャーハンの味だけは、忘れなかった。
総プレイ時間 : 33h
79ALMA ~ずっとそばに…~ Complete Edition (Bonbee!)
ありふれたテーマを捻りなくストレートに描くし、Kanonあたりを下敷きにしているのもあって新味には乏しいです。何より、梗にCLANNADの杏が重なってしまい、回れ右したくなった。この手の傲慢女は私にとって癌そのものでして。あの屋上の場面で、裕貴の振り上げた拳がそのまま叩きつけられていれば多少なり溜飲は下がったかもしれないのに。それでもなお本作に高得点を付けたのは、ひとえに由衣の存在ゆえ。近すぎず遠すぎず肩の力が抜けた距離感、打てば響くやり取り、生活感に溢れた日常シーン、どれもが兄妹という関係を裏打ちしている。こっそり寝室に忍び込んでタオルケット掛け直していくのとか好きです。たまにの料理の失敗だってご愛嬌。涼森さんの演技も、台詞のテンポや抑揚など、役柄を完璧に自家薬籠中のものとしている感じが素晴らしい。不幸の迫るシナリオは好みじゃないけど、最後は良い意味で気が抜けてしまい笑顔になれました。
総プレイ時間 : 22h
79スマガ -STAR MINE GIRL- (NitroPlus)
[ネタバレ?(Y1:N0)]
総プレイ時間 : 34h
79夏の色のノスタルジア (MOONSTONE)
かつての仲間が一堂に会してみても感動的な再会とは遠く、互いに牽制し合うかのようなピリピリした空気感は、幼馴染におけるテーゼに反するが如く、それに縋る亡霊のよう。どれだけ笑みを浮かべてみても取り繕った他人行儀以上のものは見出だせなくて、だからこそ猛烈に本心を探ってしまいたくなるもの。感情が色づいて見える主人公の特異な能力がここで噛み合ってくると思いきや、あまり活きてこなかったのは残念。また、エデンを形容する「心の迷宮」とは良く言ったもので、心理的要因を軸にした物語は一方で迂遠にも感じられ、内向的な語り口は人を選びそう。テーマとか作風だとかの材料は良かったものの、料理の過程にやや難アリといったところで、少々味気無さが残るが、エロは導入も含め抜群に美味しかった。加えて、“妹ゲー”と括るにはアクが強すぎるけれども、間違いなく美羽は本作の白眉。双子設定というのもミソで、深い掘り下げは好印象です。
総プレイ時間 : 23h
78BITTERSWEET FOOLS (minori)
フィレンツェを舞台にした人情物語。群像劇らしく視点の切り替わりに最初こそ戸惑うものの、そのときどきで感情移入するのに最適な人物が設定されているので、すんなりと溶け込めました。彼らの営為を活写することに注力し、各々の口から信念やら哲学やらあるいは感傷やらを語らせているうち、愛着はあとからついて来た。ひとりひとりをくどくどと掘り下げていくことはしない、それこそミケランジェロ広場からフィレンツェの町を一望するがごとく、俯瞰した立ち位置でもって人間関係の網目が可視化されてくると、世間の狭さをシンクロニシティとかセレンディピティといった胡乱な言葉でもって形容したくなる。それぞれの物語はわずかに交差しながらも決して重なり合うことはなく、どこまでもニヒルにほくそ笑んでおりました。余談ですが、本作の線が細くコケティッシュな少女たちを見るにつけ、ナボコフ先生の言う“ニンフェット”が頭をよぎります。
総プレイ時間 : 13h
78閉じたセカイのトリコロニー (Tinybell)
所謂“ループもの”なのだけど、ループから抜け出そうという意識は頭の隅に一旦追いやっておいて、ループセカイを好き放題楽しみ尽くすべく楽観的なノリが売り。深みには欠けるけど自由度は結構高くて、ループが出来たらやってみたいあんな事やこんな事を寄り道感覚で実現させてくれるのが嬉しいです。わけても宝くじENDなどは慌てふためく両親の反応とか実に見応えありました。また、やり直しが効くという前提に立ってのヒロインとの接し方なんかは本作ならではのユニークなとこ。ご都合的な展開にもきちんと理由付けがなされているあたりはしてやられました。ところで、ヒロインとして問題がありそうな祈理だけれど、私は嫌いになりきれなかったです。私の原体験(幼馴染)と妙にダブるんですよ。今となっては懐かしい思い出なので、彼女のかつての蛮行も理解ある眼差しで見られたのが良かったのかも。作中での扱いの悪さも、かえって憐憫を誘います。
総プレイ時間 : 18h
78水月 -すいげつ- (F&C)
波間にゆれる月のように現実とは曖昧で不確かで、だからこそ猛烈に不安になる。誰かに縋りたい。マヨイガの中で雪さんとの愛の巣を育み続ける我々の姿はさぞかし滑稽には違いないが、儚くも母性に満ち溢れた愛にはそのまま溺れてしまいたくなる“優しさ”が伴う。
総プレイ時間 : 21h
77我が姫君に栄冠を (みなとそふと)
豪華声優陣の織り成す賑やかな作品でした。配役には目を通さずにプレイを始めたのもあり、声優当てとか楽しかったです。キャラは皆よく立っていて特徴を掴みやすいのが、登場人物覚えるの苦手な私にはありがたかったり。しかし一方で、捨てキャラを作らず誰も彼もを活躍させようとした功罪が、場面やエピソードを継ぎ接ぎしてパッチワークみたいになってしまったシナリオにあるかも。読んでてあっちこっちへと気が散らされてしまった。また、せっかく国単位でルート設計してあるのだから、判で押したように同じ結末を辿るのではなく、もっと差別化しても面白かったような。ともあれ、キャラそれぞれの持ち味を生かした采配は見事。何の強みもない私からすると一芸に秀でることってとても眩しく見えます。その中でもエビータの持ち“味”は頭一つ二つ抜けてる。彼女の料理にかける情熱は種族や国境の壁すら超えます。すごいぞエビメシ。
総プレイ時間 : 28h
77時計仕掛けのレイライン -朝霧に散る花- (UNiSONSHIFT:Blossom)
完結編としては申し分ない出来。1作目からこつこつ積み上げられてきた伏線の数々を綺麗に花咲かせる綿密なプロットには舌巻きました。シリーズを通して事実関係の齟齬や矛盾は取り立てて見当たらず、キャラ達にはきちんと提示された材料の中から解決の糸口を探らせているので、後出しによるインフレなどは抑えられていたような。読み手を関心を良く惹きつけていた端整なシナリオです。なれども、痛し痒しなのがモー子との恋愛描写。とりわけ彼女は主人公の良きパートナーとして描かれてただけに、当初の啀み合いから阿吽の呼吸にまで進展していく経緯を、事件のみならずイチャラブベースからも活写して欲しかった。それこそ彼女一人に的を絞った構成がなされていたら、お話としてもより引き締まったのではと想像すると一片の物足りなさがあります。なんでも色事と結びつければいいってものでもないけど、エロゲで出す意義ってそこにあると思ってしまうので。
総プレイ時間 : 14h
77刃鳴散らす (NitroPlus)
先に村正から入ったのだけど、やはりこの方は文章が上手い。お硬い文体ながら、小粋な冗句を交えた独特の言い回しが取っ付きにくさを柔らげてるふうに思います。とりわけ戦闘シーンは、淡々と状況説明に終止し無駄なお喋りも挟まないことから派手さはないが、しかし、緊張感を伴った剣戟の妙が感じられました。知らずのうちにこちらまで体感時間を引き伸ばされていたような。“静”と“動”のメリハリがきいてる。戦闘の趨勢を理詰めで記述していくテキストも、付け焼き刃でない確かな知識があってこそでしょう。また、男二人の因縁にのみ焦点を当て、そこに他人の介入は不要とでも言わんばかりに、女であれ容赦なく切り捨てていく異色な作風は人を選びそうだけど、そういう冷徹さには却って好感を持ちました。ブレない芯が良かった。お話の短さもあって、散花のごとき刹那の“美”を感じた作品。
総プレイ時間 : 7h
77残念な俺達の青春事情。 (Chuablesoft)
コミュニティに主眼を置き、テンポの良い掛け合いでぐいぐいと引っ張っていく共通部は掛け値なしに面白いものだった。ところが、個別ではあれもこれもと詰め込みすぎて精彩を欠いてしまったような。 → 長文感想(4308)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 25h
77古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~ (Yatagarasu(八咫鴉))
例えば紅茶の淹れ方一つ取ってみても手順を間違えると突発死という笑えない事態へと発展しかねない画期的なゲームではあるのだが、やはりシステムの都合上というか限界とも言うべきか、望まれたキーワードを選択するという作業が困難であったりする。しかし、これが各々のクオリアの違いだとでも言いきってしまえばなかなかどうして上手いのかもしれない。それにしても、舞さんの笑顔には本気で世界を救う力があると思うのだ、うん。
総プレイ時間 : 21h
76EXTRAVAGANZA ~蟲狂編~ (BLACKCyc)
レン君と美弥香さんの例の場面でパンツまで下ろして待機してたのに何たる仕打ち!!!鼻先にぶら下げられた人参を唐突に見失った馬のような気分を味わってしまったことを、恥ずかしながら、ここに正直に告白しておきます。いや、私だけじゃないはずと信じたい……。チベットの悲劇再びですね。
総プレイ時間 : 8h
76CHAOS;CHILD(PS3) (MAGES.(5pb.))
色んな意味で衝撃を受けた作品だけど、なかでも一番驚いたのは「力士シール」が実在するということ。その事実を知った瞬間、より一層生々しさが増すと共に、私もこのゲームの檻に囚われてしまったように錯覚しました。フィクションとノンフィクションが奇妙な具合に融合を果たしてるのが本当に気味悪いです。
総プレイ時間 : 45h
76星織ユメミライ (tone work's)
本作には荘厳な何かが特別あるわけでもないし、テキストで魅せるわけでもギャグで笑いを取りにいくこともない。しかし、そんな無味無臭的であるからこそ、“ヒロインと恋人同士になる”というエロゲにおいては至極当然のことが特別に意識され、ヒロインあってのシナリオが一層際立つ。また、いたって真面目な作風であるが故に、初体験を経て徐々に親密になっていく過程から、身も心も一体となった深い繋がりに至るまで、互いを尊重し求め合っていく姿が飾り気なく自然と描き出されており、心温まるものに仕上がっている。負の要素を排除したのも、これは我々のユメをも内包した物語であるからこそだ。恋人と過ごす甘酸っぱい青春に恋い焦がれていた人、恋人と過ごす同棲生活を夢想してやまなかった人、そんな方々には絶好の投影対象となっている。だから、くれぐれも今作を自己と照らせ合わすことのなきよう。ひたすら惨めで居た堪れなくなってくること請合。
総プレイ時間 : 35h
75小雪の朱 ~コユキノアカ~ (DISCOVERY)
テーマはたぶん「決別」。此処ではない何処かを見つめていて、ふとした拍子にすっと消え失せてしまいそうな危うさが、まざまざと離別を予感させたりする。と同時に、そこへと引き寄せられたかのように立ち現れる怪奇現象は見事な舞台装置となっており、作中ではそれを解明しようなどと野暮ったい視線を向けることなく、ピンぼけ写真みたいにして、あえて謎めかしたままにしてしまう。その“ぼかし”は、例えば日和と主人公との関係性にも効いていて、仮に彼らの間に横たわる蟠りなどが赤裸々に語られてしまったなら、この神秘的な雰囲気は途端に損なわれてしまいそうで。妄想や想像で補完したがりな人向け。また、取っ付きにくいヒロインが多数を占めるなかで、桜庭兄妹の冗談半分に憎まれ口叩き合ってる光景は、なんかもう見てて微笑ましくなっちゃうから、最初のうちは物語への橋渡し役として実にありがたかったです。仲睦まじさがダダ漏れてる。
総プレイ時間 : 16h
75ここから夏のイノセンス! (Clochette)
SFとしてなら、未来世界の実態なども含めて結構おざなり。けど、過去と未来とでの価値観のズレが、やがて“SEX”へと焦点を当てにいく筋書きは巧い。牧歌的な田舎の空気や夏の開放感などは、性行為を嫌味なく溶け込ませるに打って付けだし、青姦から喚起されるはまさに動物的な本能。「子作り」が強く意識される。なかでもアリカ√は、性行為というものを男女の営みとして如才なく落とし込んでいたシナリオ。すっぽりと抜けた穴(性知識)をチンコで埋めていき、愛情でもってコーティングもばっちり。エロゲの文法にも忠実です。一方で、同じく性に未熟な“いろは”は、やにわに手練手管を発揮してくるから、上手く飲み込めないまま付き合う羽目に。無垢な娘みたいにしか見てなかったので戸惑いました。ところで、表情や仕草をころころ切り替えていく演出技法はすっかりクロシェットのお家芸だけど、私には百面相みたいで些か忙しなかったりします(小声)
総プレイ時間 : 26h
75螺旋回廊 (rúf(ruf))
耳に残るは、あのメロディ。陽気な、それでいて薄ら寒い気分へとプレイヤーを誘うそれは、正に本作を体現している。日常に潜む狂気、理性と欲望、その境界は余りに脆い。そう、EDENは何処にでもあるのだ。
総プレイ時間 : 16h
75いろとりどりのヒカリ (FAVORITE)
真紅の可愛らしさに身悶えながらスタートを切るこの作品、真紅に始まり真紅に終わる、まさにいろセカ完結編と言って差支えはないだろう。もちろん真紅以外の既存ヒロインに関するエピソードも補完されており後味はよろしい。どれだけエゴで塗り固められたセカイでも、止まない雨に苛まれ続けようとも、青空はきっと顔を見せ「いろとりどりのヒカリ」を差し込んでくれる。綺麗事は綺麗事だからこそフィクション足りえるのだから。
総プレイ時間 : 28h
75ティンクル☆くるせいだーす (Lillian)
流星学園生徒会面々の一体感から派生する和気藹々とした掛け合いがとにかく楽しい。が、シナリオはほぼそのような形で進行もとい乗り切っていくパターンなので、変わり映えもなく長々と続けられると流石に冗長さは否めない。気分転換的な意味合いで良い刺激に成り得そうなバトルも終盤にかけて固まっており、これは王道的と言えば王道的なのだが、そのせいでシナリオ中盤辺りが退屈になってしまうのは勿体無い。
総プレイ時間 : 37h
75サナララ ~SA・NA・RA・RA~ (ねこねこソフト)
4人のライターが織りなす章仕立てのオムニバス形式が取られているわけですが、各章が一つの作品として独立していながら、全体として独特の世界観を生み出している様はまさに"サナララ"といった具合。さららさらら風が吹いて……少しの勇気と温かい感動を運んでくれるような作品。
総プレイ時間 : 10h
74見上げてごらん、夜空の星を (PULLTOP)
「変わってゆく幼馴染の関係性」と「輝きを失いつつある夜空」が、思い出を軸として絶妙に重なり合うことで、感傷的ながらもロマン溢れるものに仕上がっていた印象です。スターライト計画は、昔の夜空だけでなく三人の関係性をも取り戻すものとして実に効果的でした。一方で、主人公をめぐる三角関係の描写は、互いの忖度や遠慮による譲り合いがどうにもしんどかった。わけても、沙夜の諸々の行動は、周囲の迷惑を顧みない身勝手で自分本位なものと映ってしまい、私にはちょっといただけなかったです。さておき、露天風呂のシーンは大変素晴らしかった。行儀よくちょこんと縮こまっている沙夜の隣で、まるで実家の風呂にでも浸かっているかのようにでーんと鎮座しているひかり。対照的な二人がバランスよく収まってる。童心にかえったかのように無邪気に見せ合いっこなんかしてるの見ると、大人になるってやっぱ罪なことだなぁと思ってしまうのでした。
総プレイ時間 : 30h
74LOVEREC. (ALcot)
好きな女の子の透けブラを拝みたければ、カメラばっか覗いてちゃ駄目だって諭されました。 → 長文感想(5901)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 24h
7411月のアルカディア (LevoL)
この手のお話は、主人公の執着、執念をどれほど読み手へリンクさせられるかが肝要だと思うのだが、少々ぼやけ気味だったのはがっかりするところではある。中途半端で非情に徹しきれない主人公には、やきもきさせられる場面が多かったけれど、物語としての一貫性は保てており、捨てながら進ませていく選択肢は良くも悪くも印象的。ヒロインに入れ込ませようと唆すシナリオ構造は、つい寄り道したくなるのがズルい。実際、ノノが可愛い、アイルが可愛い、これだけでも本作をプレイした価値は十分にあったし、本筋よりもこちらを評価したい気も。よく、萌えゲにシリアスは邪魔だとか言われるけど、逆に本作では重苦しい展開がキャラへの愛着を増幅させてたような。特にアイルなんかは、あの役回りやポジションは私の理想とするヒロイン像の一つと言っていいかも。食堂でコーヒー淹れて待ってる彼女が、ただいじらしく愛おしい。設定も美味しかったです。
総プレイ時間 : 23h
74フラテルニテ (CLOCKUP)
ここまで嫌悪感を覚えた作品は正直初めて。それは、グロとかそういう直接的表現から来る嫌悪感などではなく、付随する悪意に対する胸糞悪さと言えばいいだろうか。今回背景に実写を使っていることもあって非常に生々しいものを感じてしまうし、まるでごく身近でこのような悲劇が起こっていてもおかしくはないような薄ら寒い気分すら覚えてしまう空気感は、現実と非現実の境目すら曖昧なものへと変えてしまう。更に、救いのない容赦無いシナリオも、どうにもならない現実を前にした無力感を如実に再現しており、ただただその無常さに平伏するしかない。でもまぁ、吐き気を催しながらやるエロゲもいいもんです。元々本作にはそういう劇薬を求めていた訳なのだから。
総プレイ時間 : 12h
74恋がさくころ桜どき (ぱれっと)
夕莉ちゃんが可愛いのは体験版やって百も承知していたけど、本編を開ければ彼女はまだあと2回位変身を残してました → 長文感想(3757)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 31h
73ユキイロサイン (Wonder Fool)
アオナツラインの悪い部分を煮出したような香子√のこと → 長文感想(1825)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 17h
73放課後の不適格者 (Nostalgic Chord)
ゆっ、ゆるすもんかぁっ、こんなっ、こんなせかいっ!!こわしてやるぅっ、何もかも全部ぅっ、ぶち壊してやるぅぅぅぅっ!! → 長文感想(10118)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 18h
73Maggot baits (CLOCKUP)
表現の限界を突き詰めるがごとく苛烈なグロ描写が売りだけど、シナリオも決して力負けしてない。酸鼻な光景を肴にハレルヤな勢いの醜悪で倒錯的なカリカチュアは、人類史などのモチーフによってもよく支えられてたように見えます。私がこの手の作品をプレイする動機の一つとして、まだ見ぬモノへの好奇があるのですが、その点では大いに満たされました。もっとも、これだけバラエティに富んだシチュが溢れていながら、一番実用足り得たのがキャロルとの純愛エッチというのは我ながら情けない話ですけど。あるいは、剥き出しの獣欲ばかりが闊歩して輪姦る舞台であるがゆえ、そこから対比的に生ずる“綺麗なもの”に特別興奮できたのかも。それはそのまま本作の描くテーマにも通ずるけど、惜しむらくは彼らの信念とか理想といったものに寄り添いきれなかったとこで。短い尺にあれこれ詰め込みすぎたのか、いかんせん散漫としたプレイ感でした。
総プレイ時間 : 16h
73恋愛家庭教師ルルミ★Coordinate! (riffraff)
新手の宗教みたいな押し付けがましさはさて置き、「恋愛」に対するアプローチとしては、ある意味で真理をついているのかもしれない。女性の身体をまず体感してもらい、性交の味を刷り込ませながら、徐々に「恋愛」脳へと調教もとい教育していくという魂胆。端的に言えば餌で釣るわけなので、極めてエロゲー的ではあるものの、更生の方便としてはわりあい理に適ってると思う。だってねぇ、いくら「恋愛」の素晴らしさをくどくど説かれたところで基本我々にはピンと来なかったり、面倒臭いモノっていう認識が強いのですよね。趣味に生きる人にとっては、「恋愛」に割く時間やお金さえ惜しい。翻って、本作もマニュアル通りの綺麗事ばかり並べ立ててる節は見受けられるのだけど、手取り足取り指導してくれる美人お姉さんの存在はデカい。一方的な押し付けになっていなかったのは好印象。また、「恋愛」はあくまで手段。主人公の人間的な成長にこそ見所があります。
総プレイ時間 : 15h
73キトゥンフィリア (ミューカス(同人))
蠱惑的な世界観をベースに、二人のヒロインが持つ歪んだ愛情の対比が興味深い。 → 長文感想(4199)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 3h