irtelishさんが投票したコメント
irtelish
基本的にある程度気に入ってコンプしたゲームだけを評価対象としています。故に点数は甘めです。90点以上=名作。80~89点=佳作・良作。70~79点=買って損はしなかった。
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コメント | 投票日 |
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| 2012年03月08日 |
84点 Clover Point (Meteor)
[ネタバレ?(Y1:N0)]エロゲにおける血縁関係の背徳感というのを冷静に分析してみると、基本的にはまぁバカバカしいといえるわけだ。たとえばあるヒロインシナリオのテキストを一字一句変えずに、そのキャラ設定を「義妹」を「実妹」と一文字変えるだけで、レッツ背徳だと萌えてしまう人は結構多いわけで、ここで起きていることは、その作品のベタ物語内容による背徳感の想起ではなく、ユーザーの心理において「オレは本来はイケナイ実妹キャラを攻略しているんだ」とメタ自作自演的に背徳感を生成しているのである。そして、この作品の夜々シナリオは以上のような二つの視点のレベルを犯罪的なまでに利用しまくる。夜々が普通の後輩キャラだったとしても、このキャラ造形と凄まじいデレ日常描写で相当に評価されていただろうが、そこにメタ的な近親相姦設定を匂わせつつ、しかし確定させないことにより、普通の恋愛物語は背徳感を帯びながらも運命的な純愛物語へと変身するだろう。 → 長文感想(51678)(ネタバレ注意) | 2012年03月08日 |
82点 仏蘭西少女 ~Une Fille Blanche~ (PIL)
昨今のエロゲの作風に真っ向から対立する作品、と思っていたが「アンチ○○」レベルを超えた「怪作」になってしまったようだ。NTRや輪姦があるとかそんなレベルじゃない。そもそもこの作品は構造的に「ハッピーエンド」や「トゥルーエンド」といったものが存在しないのだ。物語的に幸せなエンディングはあるし、不幸なエンディングもある、だがそれらの量が膨大で「死んですぐ終わり」的なバットエンドだけではなく、それぞれのエンドまでに異なった長いシナリオがあるから、膨大なエンドがそれぞれ正しく見えてくるのだ。迷宮の「出口を探す」物語ではなくて、ただ「迷宮の内部をもっとよく知るために」物語の内部をさまよい続ける作品、といえば正しいか。その為「攻略フラグ」にユーザーの注意が向かい「物語」の印象が弱まりがちな嫌いがあり、普通のエロゲ好きにはお奨めしかねるが、普通のエロゲに飽きている方ならこの迷宮を堪能できるかもしれない。 → 長文感想(20368)(ネタバレ注意) | 2009年08月09日 |
75点 にーづまかぷりっちょ! (りぷる)
カプリッチョつーよりも殆どスケルツォな作品だ。序盤のネトネトネバネバ中二病ブログ攻撃で僕らをまずグッタリさせたあと、このゲームがサプライズするのは萌え萌えヒロインによる主人公への徹底した人格攻撃である。「別にオマエなんか好きじゃないし」とか「屁タレの貴方が死のうが生きようが私には関係ない」というような台詞がツンデレ抜きで素に発せられるのは中々痛快だが、基本的にその指摘は当たっており、そして、そのように語ってしまうヒロイン自身が、図らずも主人公より問題があると匂わせ、それが後の逆転に続く伏線であったりと、なかなかにシリアスな作品だなと思わせてくれる。共通ルート長杉(10時間以上掛かる)、愛撫して終わり系の中途半端エロやや多し、主人公&ヒロイン共に妙に「語りすぎ」と、難点が多い作品であるが、「屁タレ主人公復活」基本コンセプトがはっきりしているため、さほど悪い印象は感じない(あとで長文書くかも) | 2007年07月07日 |
トノイケダイスケの作品にはイベントらしいイベントがないとか、物語らしい展開が少ないと言われがちではある。これは相対的な評価、つまり「他のエロゲと比べた場合の特徴」という意味では正しいんだけど、その作品そのものを見た場合にそのように評価できるか?と言われたら結構むずかしい話ではある。もしも、正確に定義してみるなら、トノイケダイスケにおける物語とは「発展しない」「展開しない」物語、或いは「循環する物語」や「変奏する物語」というべきものだろう。登場人物たちが巻き込まれる状況であるところの物語空間は存在するのだが、それがある一定の方向をもって「進み」はせずに、前に進んだりうしろに戻ったり、方向がわからなくなってその場で昼寝をしたりする。この作品の「お散歩」のように、お散歩に目的地は必要かもしれないが、お散歩は目的地にたどりつくためにするものではない。それはただあるいて誰かとなにかを話す物語である。 → 長文感想(38720)(ネタバレ注意)(7)