キャラゲーばかりやっています。その視点からの点数が多いです。普通にゲームがプレイできれば70点をつけるタイプです。
ゲーム ブランド クリエイター 音楽 音楽関連商品 ユーザー POV/タグ SQL 職種詳細 クリエイター(すべて) キャラクター 名前 フリガナ
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可愛い。ちょっとだけパステル寄りに塗ることで、配色がよくまとまっています。制服のばかでっかいリボンにせよ、ヒロインの髪色・瞳の色にせよ、萌えゲーらしい現実離れしたカラフルさではある。なのだけども、全体的に彩度は控えめに、白をカラーパレットへと多めに混ぜているから、やわらかいタッチで統一感がついているんです。制服の赤リボンにしても、ワイン色の影を多めにつけておくのでワンポイントとして構図のなかに収まっていて。まわりを落ち着かせた色づかいは目にも安心です。パステルは、見る人を圧倒することなくふんだんにカラーを使うことができるから、素晴らしい手法なんです。そんでそんで、白をふんだんに含んだ彩色ゆえ、光の表現にヒロインたちが実によく馴染んでもいくのですよね。たとえば穂海と出会ったときの一枚絵の背景なんて、若萌の色から白昼光へのグラデーションがこの世のものとも思えぬところへ、彼女の色素の薄いブロンドが合わさってきて女神感ましましなんですっ。あるいは耶央が抱きしめてくれるときの一枚絵は、やや遠目からのショットだけど、小さな耶央のやさしい表情がよく見えています。周りのパステルカラーの主張がいっそう小さいものだから、自然と彼女にだけフォーカスが合わさっていくわけで。弱いものを、もっと弱い色でもって囲ってくれる、やさしい塗りだなぁと感じます。とりわけに好きなのは、みかもの水泳特訓中の一枚絵です。リアルでやったら「貞子」とかのネタにしかならないところ、エロゲのなかでなら、あの子のきれいな水色の髪はプールに溶けこんで、キャラクターカラーがみなもいっぱいに広がってゆき涼やかです。ちなみに嵐が過ぎたあとの一枚絵なんかも、真っ白い体操服のかもちゃんからパアッと晴れ間がひらけていくみたいで素敵なんです。告白シーンもまばゆい青空のもとだったから、初々しいトーンによって場面全体が包み込まれていって (寒色を上手に挿している作品なのです)。そもそも先輩のマイルームからして青白基調なものだから、そこにかもちゃんが居てくれるだけで色合わせは自然すぎて、しあわせで。……長文失礼とどのつまり何が言いたいかというと、かもちゃんのパステルブルーがめちゃくちゃ可愛いと思うのですよっ。すごい……好き…!! これからも毎朝かかさずスプリンクラーの誤作動に見舞われて、水も滴る良いかもちゃんでいて欲しいのですっ。グラフィッカーさんたちが、とても良い仕事をされた作品だと思います。
ざくろ役・涼屋スイが好きです。本の朗読がたくさんあるのも嬉しい。古びた文章を真面目に読み上げていても、神妙にはならず羽毛のようにハネて、ふわふわ焦ったり、もつれたり、おどけた風になる声のトーンがよい。なかでもいっとう好きなセリフは「――他のことは、笑いたまえ」。『荒野のおおかみ』において、子供っぽい老ゲーテ(!)とか今風なモーツァルト(!)が、クソ真面目さをいたずらっぽく戒めるシーンからの読み上げです。そこに線が引かれていたから読める、手のひらの文字。クソ真面目の権化だったウィトゲンシュタインをこんなかたちに描き直してしまう本作にぴったりの、解放感をともなう、ざくろの語りです。長い夜にじっと眠りを待つとき、よく聴かせてもらっています。
シナリオ理解には不要。前作ヒロインと同じ絵面になっており感慨を呼び起こされるなどのプラスアルファがあります。
ヘンリー7世は何百キロの彼方に置きざりだ。こいつにはもう何も残っちゃいない。
向日葵畑には詠がいて、陽を浴びると桜色になびく髪が映えわたる、余花の夏。まもなく花は終わり、生った"余実"も地に落ちて、そこからはやっぱり桜がまた芽吹くお話。挙げ句では、読み人知れず「さくらとことり」と歌われて。そんな語呂合わせで記憶しちゃった夏の余暇。
いちばん聞き慣れしてるエロゲBGM。当時は大学生だったので「今日中にレポートひねり出さなきゃー」とか焦るだけ焦りながら、真夏の室内、汗べったりになりながら音楽鑑賞モードをずっとずっと聞いてた。なかば暑さで落ちるようにそのまま昼寝しちゃったりして、そのうち差し込んでくる西日で起こされる部屋だった。リピート再生しているので目が覚めた時にも流れっ放しなのだけど(たいてい片耳だけイヤホンが外れてる)、その時「月夜の夢」で起きても「二人の景色」で起きても別に気分へは影響しないのがちょっと不思議。ゲームの特定の場面が想起されるようなことも失くなっていき、その頃の生活のBGMとして根づいていった感じ。そもそも瀬戸口廉也の文章にも、絵や音を置き去りにして独りで深まっていっちゃうところがあるようで、『CARNIVAL』はどうしてもボイスが重たくなってオフにした唯一の作品でもある。そんな風にして作品から切り離しながらひと夏ほど聞き続け、その後はパッタリ放置することに。それでもなお、わたしの『CARNIVAL』への過大な評点には強く影響しています。これらの楽曲の音作りには、ひとときの作り物めいた色つやを感じたのだけど、それがプラスチックのように軽く、しかも分解されないまま耳の奥に残留していてケミストリー。いつかボケた時とかに、そこから聞こえてくる「すったかたん」に合いの手を入れちゃえたりしてたら可笑しい。
「さくらとことり」が好きです。ごきげんに絡み合うツインギター(前面の二本)とか、朧白探検隊で先頭きってく月子&金剛石みたい。ドラムスはルカを思わせる几帳面さで刻むとフィルインもこざっぱりとしたもの。たえずみんなに目配りするのがベースラインで、変幻自在なブリッジ(※だってね そうでしょ?~)を足元で導いてもくれる。猫みたいに伸びやかに、音を波打たせると一瞬のブレイクは跳び越えて繋げちゃう。そんな響きにとりまかれ、親しげなボーカルが一言一句に思いきり力を込めて、湿っぽさを吹き払ってく楽曲。どこまでもひたむきだから、雛桜が色んなものをお姉さんたちに担ってもらいながら一歩前へ踏み出したイメージと幸せに結びついてゆきます。
ずぶの素人の見当違いなのですが、しろ絵を見ていると洋画家の藤田嗣治を連想することがある。晩年のフランス永住時代に子供を描いた作品、例えば『朝の買物』あたりとか。子供らしさを求めて額が強調された顔のバランス、謎めかせて結んだ口もと、陶器のような白色といった点から受ける印象が重なるのだと思う。それはさておき、しろ絵はいいなぁ。決して手に入らないものが描かれてる。