ErogameScape -エロゲー批評空間-

多分購入
70点 ヒマワリと恋の記憶 (MORE) (2014-12-26)
いいんじゃね。学園青春モノで、等身大の恋愛ドラマとかそういう奴ですね。主人公は、見た目で一目惚れした黒髪ロングにどうすれば振り向いてもらえるか悩み、ヒロインの一人（主人公の一目惚れ相手と親友(?)）は、主人公の親友に惚れててどうすれば振り向いてもらえるか悩み、じゃあお互いに同盟組んで、情報提供したり、色々シチュエーション仕組もうぜ！ って所から話は始まります。キッカケの小ささや、悩んでばかりでたまに行動すれば失敗を繰り返す辺りは、何ともむず痒い学園恋愛って感じがして、中々読んでて楽しかったです。最近のエロゲに多いヒロイン視点のモノローグが本作には無いので、主人公以外のキャラが何考えてるのか分からない。この「分からなくてもどかしい」というのも、学園青春モノとしての雰囲気を作る上で、良い感じに機能してます。黒髪ロングちゃんは黒髪黒眼属性にしては珍しく、美人というより可愛さによった萌えキャラ。この髪色で萌え寄りなヒロインってあまり見かけないですね。黒髪黒眼好きならこのヒロイン一人のために購入する価値がありそう。ヒロインの一人、黒髪ロリが何度も「幽霊」「主人公は幽霊じゃない」「主人公のものは見つかってない」とあからさまな伏線セリフを主人公に放ってたり、タイトル「ヒマワリと恋の記憶」や、キャッチコピー「またキミと恋をする」が現時点でどんな意味を持つのかさっぱり分からなかったり、OPに意味深な回転する砂時計が出てきたり、と何だか等身大の恋愛には全く繋がらない奇妙な伏線が幾つも張られており、この舞台そのものに何らかのトリックが使われている可能性が高いと思われる。この伏線はファンタジー要素皆無の等身大恋愛物語を、思いっきりひっくり返す超展開に繋がっている可能性が高そうなので、体験版の雰囲気に惚れた身としてはちょっと怖い。エロは1枠。茶髪ボブと夕暮れの教室でフェラ→立ち手マン→バック外出し+中出し。フェラと本番の間に前戯が挟まってるのは地味に珍しいかも。エロシーンのテキストは並。塗りは良い感じ。夕暮れ時、放課後の表現しがたい侘びしさあが上手に表現出来ており、エロさが増幅されてます。学園内でのエッチが好きな人なら当たりそう。システムについては作りこみが甘く危険な臭い。誤字は気にならなかったけど、音声の埋め込みミスが多く、テキストと音声が合ってない箇所が幾つもある。12月に発売する予定の物でこのミスの多さはかなり怖い。あとフォント変更機能が無いのは個人的にマイナス。BGMはピアノを中心に良いのが多い。エロゲのピアノBGMが好きな人なら一聴の価値ありかと。あと体験版後半あたりで流れたOPのアコギアレンジがとても渋くて痺れました。サントラは欲しいです。バグの多さからちょっと踏み込みにくい空気が漂ってますが、ジャンル的にも雰囲気的にも中々期待できそうな感じなので、12月新作の購入有力候補に入れます。