mapleleafさんの新着コメント
mapleleaf
2006年9月5日に過去に採点した全ゲームの採点を微修正いたしました。採点方法ですが、まず債券の格付けに倣ってD、C、CC、CCC、B、BB、BBB、A、AA、AAAの10段階に評価します。意味としては、D:地雷、C:超駄作、CC:駄作、CCC:やや駄作気味、B:不作、BB:凡作、BBB:標準的、A:佳作、AA:良作、AAA:傑作となります。これに+補正、-補正を表示します。例:AA+。なお、BBB-以上が合格点で、CC+以下は流通すべきではない作品という評価です。点数への変換ですが、基準点はD(5点)~AAA(95点)まで10点刻み。+が付くと3点増、-が付くと3点減です。例えばA-は75-3=72点となります。最低点はD-が付いた場合の2点、最高点はAAA+が付いた場合の98点です。なお、0点と100点は規格外の作品のために留保します。これまでの採点傾向ですが、和風の伝奇ものには甘く、泣きゲーや萌えゲーには厳しいような気がします。なお、点数やコメントは随時変動いたします。
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B級テイスト漂う作品ながら、システム的には意外としっかり作ってあるし、ボリュームも十分ある。しかし、一つ一つのシーンが食い足りないので、駅弁の幕の内弁当を食べているような気分にさせられる(おかずの種類は多いが、食い足りない)。こういうシチュエーションそのものは好みだし、主人公に萌えたので格付けは1段階評価を甘くした。評価:BBB-。
エロとゲーム性のバランスも良く、ランスシリーズの2作目にして前作よりも長足の進歩を感じさせる作品。何よりランスとシィルのキャラが立っているのが好感触。古めかしい絵柄と画面さえ問題にしなければ、2006年の現在プレイしてもRPGとして普通に楽しめる水準にあるのは素晴らしい。評価:BBB-。
トップエージェントで高校生という主人公の設定から少年ジャンプ的なノリで作られた荒唐無稽な作品なのではと危惧していたが、実際にはそれほど極端に少年漫画的というわけでもなく、プレイに堪えないのではという危惧は杞憂であった。娯楽性を前面に出した作品であることは間違いないので余り細かいことを言っても仕方ないのだが、各ヒロインごとのシナリオがオムニバス的な印象を受け、Routesシナリオ以降とうまく繋がらないように見えるのが残念。欲を言えば、各ヒロインごとのシナリオの後日談から共通のトゥルーエンドへ収束していくような構成だったら作品としての纏まりを感じられただろうに、と思ってしまった。娯楽性も高く、その面では成功しているが、評価としては佳作の域に止まる作品。評価:A。
ランスシリーズの原点である本作を発表後17年も経った2006年に入手してプレイできることにまず感謝。当時としてはそれなりのボリュームだったのであろうが、今プレイすると、こじんまりと纏まった昔風のADVに感じてしまうのはご愛嬌。感想としてはランスは最初からランスだった、というところ。当時いろいろなプラットフォーム上で開発されていたのに、IBM/PC版がなかったので、この作品のことは噂に聞くのみであった。今思うと惜しい。本作が今作られたのであればCC+くらいの評価になろうが、さすがにその評価は酷であるし、懐古趣味も手伝ってそれなりに面白かった。ランスシリーズへの興味を喚起する意味ではフリー化は成功している。評価:BB+。
直球勝負の萌えエロ作品。手堅く仕上がっており、不満も生じないがさりとて凄い作品というわけでもない。しかし、このくらいの作品なら無料にしても惜しくないというアリスソフトには恐れ入る。これよりレベルの低い作品をフルプライスで売っているブランドに対する警鐘にもなっているのではないだろうか。評価:BBB+。
息もつかせぬ高密度のシナリオ展開は流石だが、いささか度が過ぎて緊張感の強さに息苦しくなってしまうくらいだった。短編だからこそ許されるシナリオ展開だと思う。そして、エンディングはどれもやり切れなさを誘うものだった。しかし、こういう話に掛け値なしのハッピーエンドはあってはならないものだと思わされる作品だった。ヒロイン沙耶には強烈に惹き付けられるものの、余りに強烈な後味でかえって評価が難しい作品である。評価:AA。
小品ながら、全編にわたってエロスを感じさせる作品。グラフィック、テキスト、音楽の噛み合わせが良く、演出効果を上げている。敢えて中途半端なところで終えることで余韻を残すエンディングもまた良い。90年代の雰囲気に浸ってプレイしたい作品。昔を振り返って年上のお姉さんという存在に追憶を感じる方にはぜひお勧めしたい。評価:A。
日常の描写だけで作品世界に引き込まれてしまい、明るい笑いとちょっぴりの涙のうちにシナリオを読み終えてしまった。非常に心地よい雰囲気の作品。途中やや展開が弛んでしまうのと、二人のライターのシナリオがややアンバランスなのが惜しまれるが、最後の締めのシナリオの読後感も良好。良作の評価が相応しいだろう。評価:AA。
ループするシナリオをプレイするうちに断片的に明かされていく主人公の記憶。繰り返しプレイで少しずつ違ったものが提示されていくので、プレイヤーは飽きることがない。最後にパズルが解けていくように全体像が明らかになっていく様は、シナリオライターの実力を遺憾なく示している。テキスト、音楽、ボイス、グラフィックのすべてが有機的に結合し、インモラルな近親愛の世界にプレイヤーを一気に引きずり込んでしまう作品のパワーは物凄い。文句なしに「痕」を超える名作。逆に言えば、これだけ完璧な作りだと、「痕」のようには多量の二次創作は望めないだろう。評価:AAA。
小説的なシナリオの作り、そして緊張と緩和の繰り返しの妙を感じさせるテキストは高水準のものである。自らの信念に忠実であろうとして、また他者に誠実であろうとして、意地を張って極端な態度を取りがちな主人公であるが、評者にはどうしてもそれを否とすることができなかった。生命の期限を切られた中で如何に人を愛するのかを問う作品ではなかろうか。ヒロインや友人も皆魅力あるキャラクターで、トゥルーエンドの読後感も良い。評価:AA+。
高橋氏と水無月氏のサイトにて「低コストソフト」と述べられていた事実がこのソフトの全てを表していると思う。結局「雫」と「痕」のサウンドトラックの入手手段となってしまった。評価:B+。
リーフ草創期の作品だから仕方ないと思うが、印象の薄い普通のRPGになってしまっている。レズシーンもそんなに濃厚ではなく、ストーリーも平坦で、登場人物へのキャラ萌えを少し感じただけに終わってしまった。この作品から後年のリーフの変貌を感じ取ることは出来ない。評価:BB-。
(GiveUp) 同梱されているFilsnownのWindows版には史料的価値があるが、他のメニューにはどうにも食指が動かない。したがって、FilsnownのWindows版と同じ評価とする。評価:BB-。
リーフファイト97だけで定価分の価値がある。主人公の顔が拝めるのも良い。このリーフファイト97、RPGとしてのゲームバランスは良くないが、台詞回しの妙もあり、プレイしていて楽しい作品。ただし、ファンディスクだけあり、十分に楽しむためには、「雫」、「痕」、「ToHeart」の3作がプレイ済みであることが絶対条件である。こういう大盤振る舞い、お買い得なファンディスクはもう出ないだろう。評価:BBB+。
小さな箱庭世界で生きる繊細な少女たち。護る者も護られる者もそのことに自覚的で、自分が傷つくこと以上に人を傷つけることを恐れ、過剰なまでに互いを思いやる。そんな登場人物に同調できるかどうかで、この作品世界に入っていけるかどうかが決まるだろう。あざとさと無縁な日常世界の描写に思う存分浸ることができるゲーム。シナリオライターの優しい視線が感じられる良作。評価:AA-。
小さな箱庭世界で生きる繊細な少女たちの織り成す物語を第三者視点から眺めるゲームデザイン。世界にプレイヤーが介入する方法は、どのイベントを見るかという選択だけ。しかし、攻略で汲々としなくても済むことで、かえって物語世界に浸りやすくなった。繭の中に包まれているような不思議な世界を十分に堪能させてくれるゲーム。お勧めシナリオは睦月×楓シナリオ。評価:A+。
分岐シナリオの分岐先にヒロインをそれぞれ配置し、各ヒロインに物語を分担させてシナリオに多様性を持たせることで、作品世界に広がりを持たせるとともにヒロインのキャラクター性も両立させたシナリオ構造は見事である。しかも、分岐シナリオながらそれなりに整合性の取れたシナリオになっているため、作品世界のまとまりを失っていないのが素晴らしい。キャラクターの魅力と作品世界の広がりを両立させた往年の傑作。評価:AA+。
アニムスが不在と思われるくらい母と娘が密着していた主人公が過酷な事件の中で精神的に成長していく様子が良く描かれている。某宗教団体を連想させる舞台装置だが、カルトな閉鎖集団を形成する以上の役割は果たしていないようだ。エロゲとしても、緊迫感のあるアドベンチャーゲームとしても、荒削りではあるが意欲作になっている。萌えないが共感できるヒロインは十分魅力的。評価:A+。
ゲーム内容としては十分楽しめるし、ボリュームの多さにも大満足。しかもバッドエンドに笑えるものが多い。こう言うライトなゲームも悪くないと思った。それは良いのだが、バグフィックスで新たなバグを注入し、特定のヒロインのシナリオがコンプリート出来なくなったのはいただけない。評価:BBB+。
グラフィック・音楽など最高クラスの舞台装置をもらっておきながら、シナリオのボリューム不足とキャラクターの出来の不味さが惜しまれる勿体無い作品。しかし、普通に遊べて普通に楽しめる水準にはあるので、そこそこの点は出せる。最初から廉価版やファンクラブ限定品として出ていたら、案外高評価を得ていたのかもしれない。評価:BBB-。
ファンタジー世界を操り、物理的な説明抜きで突っ走り、プレイするものの感情を揺さぶるシナリオライターの力量は認めよう。泣かせの鍵ブランドの実力を遺憾なく発揮したといえる。それにもかかわらずこの点数にとどめたのは、ゲームを終えた後に釈然としないものが残ったのと、泣かせにあざとさが感じられ、時間経過とともに感動が薄れていったことによるものである。評価:A-。
本作もシナリオがヒロインに従属してしまっており、キャラ萌え主体のゲームの様相を呈している。物語世界全体に関わるシナリオがある分、ToHeartに比べればまだ好感触だが、シナリオがキャラに負けているという評価を覆すには力不足。全体的にキャラの幼さを感じるが、原画の雰囲気とマッチしているのでこれは気にならなかった。評価:A。
キャラ萌えとシナリオのバランスが良く、Kanonでみられたシナリオがキャラクターに負けてしまう、というようなシナリオの力不足もない。ギャグとシリアスの対照もすばらしく、シナリオ面では非常に高く評価できる。「えいえんのせかい」もプレイヤーの理解を拒絶するほどには難解ではない。一部シナリオで悪質な選択肢があってプレイしにくくなっているが、ゲームとしての面白さは鍵系ゲームでは一番だろう。評価:AA-。
シナリオ、グラフィック、音楽、SLGパートなどの各要素が高い水準でバランスがとれた作品。萌えとシリアスのバランスも良し。難易度の低さも、リーフのユーザーが戦術級SLGに慣れているとは思えないことを考えると、ちょうど良いのではと思う。こみパの時のような重大なバグも無く、リーフ東京はその実力を如何無く発揮したと言えよう。次回作にも期待が持てる。評価:AAA-。
ヒロインの好物であるパンケーキとメープルシロップのような甘い世界観が全体を貫き、普通に楽しめる佳作。葉鍵板の一部でかつて言われたような地雷ではない。また、経営シミュレーションがキャラクターの攻略と余り絡んでいないのは、その世界観によるものと思われる。Hシーンでの擬音の多さは笑ってやり過ごすのが吉。グラフィック、音楽、シナリオのバランスは悪くない。普通にプロの仕事である。評価:A-。
主人公が女性で人外の存在、さらに女の情念がたっぷりと描写されているにもかかわらず、主人公へ同調することが出来た。丁寧なシナリオ、物語世界とマッチした原画、粋な音楽、これらが三位一体となって演出の妙を上げているからだろう。人の世に縛られない存在に拒否反応が無ければ、女の情念の織り成す世界にどっぷりはまるのもまた良い。小品ながら、全てが一流の作品。評価:AAA-。
マルチエンディングだが、一つの事件を別の角度から見ているという面が強く、それほどシナリオに広がりがあるわけではない。ヒロインは完全にシナリオに従属し、シナリオが変わっても受ける印象はさほど変わらない。同語反復がややしつこく、勢いに任せて書きなぐったような感じの文章だが、それがかえって発表当時の意気込みを感じさせる。グラフィックは癖が強いので、慣れるまでは異様に感じる。評価:A-。
しばしば浮気ゲーと称され、実際浮気ゲーとして企画されたにもかかわらず、原田氏をシナリオライターに据えたことで、浮気ではなく本気、メインヒロインを裏切ることへの煩悶が濃密に描かれることになった。人間関係の絡み合いを濃密に描いたこの作品は、ToHeartで切り捨てたものを集めて濃縮して出来た良作。会話システムによる矛盾した会話の強制が無ければ「痕」級の名作にもなれた惜しい作品。評価:AA-。
シナリオ構造上、物語が各ヒロインに従属してしまっているため、物語世界が散漫になった。しかも、ヒロイン間に相互干渉が乏しく、単なる仲良し空間になっている。キャラクターの負の面を描かないことで居心地の良い空間を演出しようとしたのだと思うが、二次創作でキャラクターの暗黒面をたっぷりと補完したものが出てくる結果を生んでしまった。その中には本編を上回る説得力を持つものもあり、それらの方がリアルだと感じさせてしまった時点でシナリオライターの負けのような気がする。二次創作の隆盛も良し悪しだと感じさせられた。この作品は本来A+くらいの評価なのだが、数多くの二次創作で提起されるネガティブな問題に対抗できるだけのパワーが本編にないので失望し、評価が下落した作品。評価:BBB。
シナリオ構造の妙と和風の伝奇物に良く合った雰囲気の音楽、という旧作の売りの部分はそのまま引き継がれている。テキストは旧作より練りこまれており、ビジュアルノベルという表現形式にマッチしていて、プレイヤーを物語世界に引き込む力を持っている。ギャグ、シリアス、エロ、キャラ萌え、すべてにおいて高水準。本作の陵辱シーンや残虐シーンには必然性があり、18禁ゲームを嫌う人にこそやってもらいたい傑作。評価:AAA-。