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perusha21さんのこの青空に約束を―の長文感想

ユーザー
perusha21
ゲーム
この青空に約束を―
ブランド
戯画
得点
98
参照数
474

一言コメント

青臭っ。個別が薄いのは約束の日の足がかりなのか?とも思えなくも無い。個人的には茜と海己がGood。奈緒子の声優さんはミスキャストな気がしないでも…。ふいんきは期待通りで良かった。BGM、システムは秀逸。   ご~はんだごはん~だ~、ご~はん~だ~よ~中略、ご~はんだごはん~だ~、ご~はん~だ~よ~、いただきま~す!(ぁ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

中々忙しく、投稿する時間が無かったのですがようやく書くことが出来ました。

前々作ショコラ、前作パルフェと比較するのなら前々作、前作は「仮想現実」、今作は「完全理想」では無いでしょうか。正直プレイしていてもう一回高校生に戻って青春謳歌してぇ~、と思った方もいらしたのではないでしょうか。


本作ですが個別ルートプレイ中はちょっと拍子抜けしてしまいました。最初にプレイしたのが静だったのも影響したのか、なんかこう、盛り上がりが欠けるというか、え?これで終わりですか?っていう感じに陥りました。他キャラ進めていくうちにある程度は変わったのですが、こう胸に響く物があまり無く、強いて言えば海己シナリオくらいでした。(よく考えてみれば私の過度な期待があったのかもしれませんが。前作などでも“響く”というより“温かい”でしたしね。里伽子は別で。)で、まぁ雰囲気は良かったなぁ~、くらいかと思っていたのですが…ありました最後の最後に。「約束の日」。私は自分の卒業式の事と重なって見えたこともあり、すんなり感情移入できました。斉唱時の泣き声は、破壊力抜群ですね。その後のプレイ可能になる茜シナリオがあったことも良かったです。茜が合わせ石の相手だったのですね。ただもうちょっとEND練って欲しい気もありました。





さて、蛇足ですがこの作品のメッセージについて自分なりの考察を。

本当は皆「約束の日」などいらない。

そう“永遠”に続いて欲しい。

けど“別れ”は必ず存在して・・・

現実はあまりにも“不条理”で・・・


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人は幾つもの出会いと別れを繰り返し、“軌跡”を残す。軌跡の中には沢山の“記憶”が埋もれている。決して忘れることの無い大切な“記憶”が―――――

しかし、その記憶の最期はたとえ辛いものであったとしても忘れない“宝物”だから―――――

されど同じ「時」を生きている限り“さよなら”では無く“また”だから―――――



そう、思い出は“乗り越える”ではなく“残す”物であると―――――


貴方の中の大切な“記憶”は今も貴方の中に息づいていますか?


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こうも人と人との繋がりは温かい。丸戸氏の作品をプレイすると何時も思う。決してその温もりは忘れてはならない。そう、私達は“繋がって”生きているのだから・・・。


最後に。
貴方の中の青春の“記憶”は今も貴方の中に息づいていますか?
「大切なもの」として息づいているのなら、“共感”を。
「空疎」であったなら、その頃の貴方に“GIFT”を。