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perusha21さんのTriptychの長文感想

ユーザー
perusha21
ゲーム
Triptych
ブランド
ALcot
得点
90
参照数
285

一言コメント

世界観、BGM、OPは秀逸。…が、簡潔にいってしまうとシナリオ粗が目立ちますね。ストーリーの展開が強引なところがあり、プレイヤーは置いていかれます。それでもALcotなので、エロは頑張っています。まぁ絵買いだったのでエロで満足してこの点。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

さて、前作クロハから早3年。
「萌えろ」といわんばかりに色んな要素を詰め込んであったあのクロハとは、正反対とも言ってもいい「シリアス」な路線で勝負してきたALcotの今作「Triptych」。
私的には、どちらかというとシリアス方面のほうが好きなので正直シナリオもちょっぴり期待しておりました。

…で、プレイしてみての感想。




う~ん、微妙?

本当はどちらかに傾きたかったんですけどね~。
なんだこの糞ゲはとか、神ゲキタァとか。なんかあれなんですよ、シリアスなんだけど完全シリアスじゃなくて、突然日常パートが入ったりとか、この雰囲気であのキャラでどうよ?とか。ん~、まぁ完全シリアスは疲れる&つまらないってことで息抜きに入れたのかな?と。私はシリアス一辺倒でかまいません(ぇ 何処行く好きなら分かってくれるはず。。。  


さて、たまには詳しくルート別に評価して行こうと思います。各ルート評価方法は、シナリオ、キャラ、OP、雰囲気の4段階で。最終評価は、ルート評価+世界観、BGM、演出、エロを加味して8段階にて。各評価は、×、△、○、◎の4段階で行います


それで、一番の問題はやはりシナリオ。
―Maya―
まずマヤの扱い酷くないですか?…いや、まぁそりゃセツナで補充なんでしょうが、プロローグの為にいきなりキャラを切り捨てやがってくれましたね、ALcotさん。…ってか、あれでHシーン入れるのは強引すぎだろ!?でも伏線があるから…まぁいいのかなぁ…。   とか愚痴ってても、ご馳走様でした(*´д`*)
あ~、後エロ目当てみたいな後付みたいかもしれませんが(違いますよ?)、このプロローグでこのゲームの世界観、雰囲気を良く醸し出されております。OP、BGMも秀逸で、このゲームに引きこめられてしまいます。
評価:シナリオ△、キャラ△(セツナとの連動がある為)、OP◎、雰囲気◎


―Miu―
そうそう、この子この子。この子、シリアスにはちょっと能天気じゃありませんか?…と思ってたけど、そんな事無かったね。心には強い信念を、しっかり持った子でした。でもやっぱその性格はシリアスを遠ざけてしまった…のが残念でならないです。後、この子あんだけ人殺しておいて(どんだけだ)タダじゃ済まされませんよね?本人は意識が無いからって、無関係の人々殺しまくった挙句、主人公の救いの手に捕まってイチャイチャと…。まぁ展開上仕方ないとはいえ、無関係であっても人の死を軽く取り上げるのはあまり感心できないですね。話自体も、展開がすぐに読めてしまいます。まぁ大本の伏線の為でしょうから、そこは仕方ないですね。
評価:シナリオ△、キャラ○、OP○、雰囲気△


―Karen―
この子はツンデレなのかな?レベルはそんなに高くないのだけれど。まぁ話自体は、ミウの話の時の伏線が明かされるので内容は似たり寄ったりです。そのせいか展開がめまぐるしく変化するのでプレイヤーは置いてけぼりくらうかも。ミウと同じように人を殺しちゃうわけですが、カレンの場合自分の死をもって償うというシーンがあったので、ミウの時よりは評価できました。さてここで、ミウと同様の吸血行為ってのも一体なんなのか?というのもてっきり暴かれるのかと思いきや、回収されない伏線へと。。。まぁ、些細な問題なのですかね。
評価:シナリオ○、キャラ○、OP○、雰囲気◎


―Setuna―
さぁ、いよいよ物語は終幕へ――――
って、意気込んでるうちに終わっちゃいました。あっはっは、短っ。プレイヤーはまたもや置いてけぼりをくらう可能性が。伏線回収がやや急ぎすぎて、バンバン真相が明かされます。でも、話自体は纏まっていたので良かったかと。後、最終的に可能性の世界のセツナからマナを集めるって…結局1つの世界だけを救って他の世界は「消される」ってことですよね?まぁあくまで可能性なのだから何ともいえないのだが…。そこら辺はちと何処行くに似ていたので気になってしまいました。良く考えれば、親父のジンは鏡の守護者を「可能性の世界を映し出す」「選択を為す」のために創ったのなら、予め可能性の世界の事も分かっているはずなので考えにナユタが思いついた事と同じような事思いつけないのか…?まぁ、それ思いついたら話自体が面白くなくなるんでいいのですが。
さて、なんかシナリオに関してくどくど垂れてたらキャラについて全然言ってないので今から。
この最終章の、「セツナ」は「マヤ」「ミウ」「カレン」がもともと1人であったものです。今作の「Triptych」=「三部作」、テーマ“重なり合う3つの想い”。「マヤ」が「起」。「ミウ」が「承」。「カレン」が転。そして「セツナ」で「結」。これで納得。思ったよりすんなりだったので、もうちょっとインパクトが欲しかった気も…。
キャラは…そうですね、「マブラヴ」の鑑 純夏、「この青空に約束を-」の茜のちょっと大人びた感じです。声優さんも同じですし。私は両方とも好きなキャラなので、良かったです。3人の少女の強さ、儚さ、快活さ、しっかり受け継いでいたことも好印象でした。ここで、好きな人がころころ変わって何なんだこの主人公と思った人もいるかと思いましたが、もともとは1つの人格だったものが分かれてしまって3つになったとしても、それは揺るぎも無い「セツナ」の人格であったので主人公が惹かれてしまう…そこら辺の設定は見事でした。
評価:シナリオ○、キャラ◎、OP◎、雰囲気◎


さて、最終評定。。。
前作「クロハ」に比べて、今作の方がBGMのレベルは上であると思います。それによって世界観、雰囲気作りに貢献していたので良かったです。私のお気に入りは「Carries Out What」ですね。
曲は…、やはり今作の方が上であると思います。「Triptych」、「月と夢」は秀逸でした、私のお気に入り。
演出は、キャラにそって口が動いたり瞬きがあるといった程度。まぁその分可愛らしさがでてたのではと。
問題のエロですが、仁村氏なのでやはり炉利ぃぃです。これを受け付けられないとちょ~っときついですね。衣装にもとことんこだわっています。私にはゴスロリの良さが良く分からないので、分かる人にはいいのではないでしょうか~。あと、Hシーンですが今作は本編以外の“After”、“If”、“Another”という形を「Appendix」として補強してあったのも良かったのではないかと。サブキャラのHシーンもあるのですが、個人的には蛇足。あと、10歳前後の子のHシーン入れるってどうよ?とことん炉利にこだわってます、はぃ…。


最終評定:シナリオ○、キャラ○、OP◎、雰囲気◎、世界観◎、BGM◎、演出○、エロ◎

名作、とはいえないかもしれないですが佳作といったところでしょうか。前作「クロハ」をプレイした方は、一辺して変わった今作「Triptych」もやってみてはどうでしょうか?シリアス好きな方にもオススメします。