恋ではなく、それに近い何か―。正直なところ、言葉とは時に、存外の力を持っていながらも全くの無力であると言っても差し支えないだろう。そんな言葉に仕切れない思い、“恋”一言じゃ表せない。そんな2人の―
*プレイ済みの方対象です。購入検討されている方は多々ネタバレを含みますのでご注意ください*
執筆されたライター、早狩氏は元来「言葉」という物に、含まれるその本質を
時に見抜けない何かがあるという表現を、他の作品でもチラホラと見た記憶がある。
その心理的な機微を、書き出したいという本筋がありきの。
私達も生活している時に、伝えたくても伝えきれない想いが・・・。そんな経験があるだろう。
そんな当たり前の事だけど。その機微を。
この作品は、そんな言葉に出来ない想いを
1つの形として解答を提示している。
<前置き>
この作品は、個人的にはあくまでも“それなり”に人を選ぶ使用になっていると感じる。
それは、祐未しか攻略対象が居ない、という点である。
人によっては、作者のオナニー作品になっていると感じてしまうだろう。
書き手はいつも傲慢にならざるを得ないと。最大限の配慮はしつつも、結局は自分の手元から離れた以上、例えそれが受け入れられなくとも、これが自分なんだ!と主張し続けるしかないのだから。
そして今回、個人的にはそれに賛成だった。
一人のヒロインとの多視点的な解釈を下に、それぞれの解答を提示する。これも一つの形だろう。
どうしても他の視点、他の人物からじゃないと・・・という方には、正直つまらないまでは行かなくとも、“飽きる”作品だ。
でも上記に“それなり”に人を選ぶと言ったのは、誰にでも共感できる部分が必ずあると自分は踏んでいるからである。
どの部分ではその人によって異なるだろうけど。
だから1ルートぐらいは触れてみる価値はあるように思う。
<批評>
前述では、祐未ルートしかないといったがそうではないのかもしれない。ゲーム自体全部で4ルート存在するが、そのうち3ルートは確かに祐未ルート。
でもその祐未ルートを終えて、最後に出るグランドルート。
でも、これは違う。最終的には、典史と祐未をメインにしながらも
多視点的な部分から、映画を撮る人々全ての葛藤、打算を孕みながら、でも
それらの登場人物全ての
「恋ではなく」
を“示した”のだろうと感じるからである。
それでもまだ、他のルートを描いてほしいという願望がない、といったら嘘になるけど、結局それはこの作品においてありえないというか、趣旨が違うんだろうなぁとも思ってしまう。
そう、あくまでも自分が感じた、考えたのは
結論、相手の好意に気付いてしまって、
どうしようもなく気になってしまって、
人として尊敬してしまって、
守ってあげたくなってしまって、
共にお互いを認め合い続けたくて、
確かに、それの“始まり”は“恋”じゃないんだと。それに近い何かなんだ。
でもそこから先紡がれるのは結局“愛情?(それ)”だろ?と。言葉で表現しきれないから“それ”なのだが、今作の趣旨はそこではなく。
それはグランドルート以外の祐未ルートのラストが物語っていると思う。
そりゃ恋人関係になってからのデレ祐未・・・フwwヒヒwwwwとか思わないことはなかったとは言わないけど。
肝心なのはそこじゃない、エロゲである必要なんて無い。
人が人に好意を持つ事、それは結局よく分からないんだって事。
でもそれに幾ら理論付けようとしても、理由なんて結局無くて、後付でしかなくて。
そう、だから“それ”が始まる切っ掛けを。
「... -It’s not love, but so where near.」
そう示したかったんじゃないだろうか、と。
最後の最後のルートに題名を持ってきた所に乾杯。
<考察>
作品の全体像としての考察。各ルートに関して書き出すと長々しくなるので省略。
結論、1本の小説でもラノベでも別に構わなかった。とも言える。だって別に濡れ場いらないじゃんってねぇ?
題名をそのまま捉えると、批評の最後に言ったとおりだと自分は感じちゃったし。
だが、それでも濡れ場を用意したのは、
恋ではなかった、“恋ではなく”の始まった発端に対する理由付けを本作品では語っている部分にある。だからよりリアリティを持たせる為には、ゲームという表現の仕方も強ち間違っていない、と感じた。まぁその所為で、エロゲーとしてのある一方での価値観、「抜けるか」って部分はどうなのって気はするけどね。
最初に言っていた、1つの答えの形。
結局は、言葉に出来ない“何か”だったんだろうね。
それらを、文章で、BGMで、絵という質感あるもので表現していた、ということか・・・。そういう意味では、ゲームでしか表せない物もあるよね。
自分としては、もう相手の事が気になって仕方ない、それらを“恋”と評してしまうけども。だって、最低限の要素としてさ、お互いを認め合わないと、もしくは相手を許容しないと、好意にはつながらないでしょ?ってね。
それを結局「恋じゃないんだ!」と、様々な人間関係や、現状から複雑に絡めて構成したってのは、流石。良心と呵責と、羨望と、嫉妬。
それらが入り混じって、お互いを認めて、でも、恋じゃないんだよと言い切る所に若干の寂寞感を覚えながらも、心に響いたのは確か。
お互いを高めあっていって、ライバルの様な関係で、結ばれる。
そんな“夫婦の関係”に近い、
でも、群青色な、背丈の恋愛に近いんだけど・・・。違う。
そんな余韻を残してくれる作品でした。
<雑記>
やっぱどうでもいいんだけど、原画がもうちょっと癖あって、祐未だけ魅力的な絵にして、他のキャラの魅力をもうちょっと落としてほしかった・・・。シナリオ的にヒロイン達の魅力は落としてほしくないけど。ちょっと言い訳がましいそんな下心。
O・re「好佳可愛いよ、好佳。あれ?一文字かえればほむらにならね?ほむら可愛いよ、ほm(ry」
QB「わけがわからないよ!」
個人的に、扶と好佳のルート欲しいなぁなんて。何となく自分の立ち位置と被るからなおさら?
その後のハッピーエンドだって描いたって良いじゃん?
QB、俺契約して魔法少女になるからそんくらいの願いを叶えてくれたって・・・。
後悔なんてあるわけない!
とか豆腐wwwメンwwタルwwも言ってたし。
あかべぇLive行った時から、猛烈に応援してたこの作品。
蛇足になるのは仕方ないけど、FDまってるよ!
じゃないと俺のティロ・フィナ(ry・・・で
円環の理が・・・w
以上、駄文&長文失礼致しました。