多くの人にプレイしてみて欲しい作品
某手ごわいシミュレーションっぽく作り上げられたSRPG。
当初、作品紹介のページを見た時は「うーん、何だか全体的に暗そうなゲームだなあ」 と少し敬遠していたのだけれど、実際にプレイしてみると全く気にならなかった。
というのも、重厚でシリアスなシナリオやキャラクター造形と、この寒色めいた雰囲気が非常にマッチしていたからだ。
序盤から急展開する物語に導入からガッツリと惹き込まれ、プレイを進める頃には最初に感じていた敬遠する気持ちなど何処かに吹き飛んでいた。
かといってずっと堅苦しい場面が続くのかと思えばそんなことはない。
個性豊かに彩られたキャラクター達による生き生きとしたやり取りはすこぶる面白く、特に底抜けに明るくて忠義に厚いスポポンドというキャラの温かみに溢れた言動が作品全体の空気をマイルドにしており、読み進める際の苦痛を取り除いてくれる。
ゲーム性は元ネタが元ネタだけあって初心者にも取っ付きやすいシステム。
体術回りの仕様とかいくつか分かりづらい部分もあるものの、概ね簡単過ぎず難し過ぎない良いバランスなのではないだろうか。
元ネタと比較すると武器がすぐ壊れるので、その辺は頭を切り替えておく必要があるかもしれない。
以下クリア後のネタバレ感想。
これだけ複雑な情勢と世界観をよくここまで纏め上げたな、というのがプレイ後の印象。
ほぼ完全に空気だったクルプ家以外のほぼ全ての国が物語と密接に関わってくるのは驚いた。
そして、その各国の物語を形作るキャラクターたちがこれまた良い。
特にコートマの金髪将軍なんて、最初は単なる引き立て役だと思い込んでいたけど蓋を開けてみたらあらびっくり、とんだ良キャラだった。
クレミトが医者志望だったこともそう繋げてくるのか! そうか、そりゃそうだよなぁと納得させられると同時に、これ以上ないほど収まりの良い流れに思えて感動した。
ところで、ファテナがハルカにちょっかいかけ始めるより前に本作のヒロインが誰か分かったプレイヤーは果たして何人くらいいるんだろうか。
自分は、どう考えても彼女は恩師ポジションだと思ってたよ・・・・・・。
更に言うと、これ途中で死ぬかなんかで退場するパターンだ! 経験値上げたら勿体無いやつだ! と思い込んで殆ど戦闘に参加させなかったよ・・・・・・。
まさかおばちゃん(失礼)とくっつくルート確定とは思わなんだ。