異星からの侵略物により最高度に非人道的な虐待を受けた少女の、幼なじみを思う気持ちが、呼び寄せたところの並行世界の青年が、侵略物の脅威が日に日に高まる世界において、人類滅亡の日を迎えた場合には歴史が巻き戻されるという因果に囚われながら、訓練学校生の同期と共に、種々の挫折を体験しながらも成長し(主人公は、実際にたたかうこと、決断することの困難さと重要性、たたかいの意味づけのあり方に目覚めていく)、人類の総反攻の中心となり、最終的に、呼び寄せた原因の消滅により、元の世界(厳密には若干異なる世界)に、帰っていく。卓越した構想力と演出力。優れた人間描写。「元の世界」と「終末期の世界」を織り交ぜて表現することで、日常の掛け替えのなさ、それを維持実現することの途方もなさを伝えるメッセージ性がある。
・恩師が侵略物に目の前で食い殺される、そのショックで元の世界に逃げ帰ったところ自分がその世界に災厄をまき散らす因果を背負っていたため、そこでも恩師がミンチ殺人を受け、幼なじみも事故で(おそらく言語活動不能な程度の)重傷を負う、異世界の幼なじみは侵略物に陵辱されそれに快感を覚えておりさらに一種の生体解剖をされた、物語の後半部分から戦友がどんどん戦死していく、疑似生命体と化した幼なじみが延命するための装置により枢密情報が侵略物に漏れていた、元の世界に戻るためには異世界の幼なじみが死ぬ必要があった、といった鬱展開が満載
・因果、因果導体、素粒子論などをギミックとして、並行世界間移動、並行世界間の関係を説明しようとしている(詳細はそれほど明確ではない)
・当初は、異世界に幼なじみは存在しないかのように物語が進んでいくので、幼なじみを想起することによる切なさを強く感じさせられる
・自分を主体としたわいせつシーンは、フラッシュバックを除けば一回のみであり、18禁ゲームであることの必然性は乏しい