マルセルさんの得点順コメント

マルセル

近頃はリアル政情不安状態でTwitterが結構きつい感じになっておりますので、もしかしたらエロ助の更新が多くなるかもしれません(現実逃避)ってことでよろしくお願いします。

んで、この欄は昔は「エロゲ論壇」的なことをちょっと書いていたんですが、今回は久しぶりにそういうネタで行こうかなと。まぁ基本的に「死神娼館」ってバグクソゲーに書いた同人ゲームのお話が多いんで、そっちを読んだ方は繰り返しに なってしまうかもしれませんけども…

「エロゲの未来」みたいなことを言えば、先日の作品で言えば「マルコ」がTwitterでは話題になっておりますが、まぁ別にアレってエロゲじゃない(エロシーンが無い)ので自分には全く興味がないって話を前提とするならば、ああいう「特異的な作品」 と「エロゲの未来」みたいな「一般的な方向性を繋げて」どうこうっていうの、マジで頭が悪いなって思いますハイ。これは別に「マルコ」みたいな作品の試みが悪いって話ではないし、製作者の思いが馬鹿らしいって話でも無いんですよ。製作者が ある種の思い込みを持って特異な作品を作るのは当然だし、それが思ってもみなかったような効果を上げる可能性はあるし、その作品に胸を打たれたとか「魂が震えた」っていうのもそりゃ良い経験だと思います。でもその作品の「独自性」が「新たなシーン」 を作り出すって言うのは、それって単に「芸術評論」の進歩史観テンプレになぞっているだけなんですよねー。世の中には特異な作品は山ほどありますが、それが新たな風潮を作り出すことは滅多にない。むしろ二番煎じ三番煎じぐらいに「皆が真似しやすい」 作品の方がある種のジャンルを開拓していくんですよね。無論だから「マルコが新しいシーンを作り出せなかったから悪い」って話では無くて、そもそも特異作品だから新しい時代を作り出せると思っているその振る舞いこそが、個別の作品を作品として 評価していない芸術的俗悪さを感じさせてホントに下品ですわーオホホ♪

って別に僕は「マルコ」に言及したかったわけではないんですよね。これは今回僕がぶっ叩きレビューを書いた「死神娼館」とか商業エロゲで言えばスティームで高評価を受けているらしい「推しのラブより恋のラブ」の「評価のされ方」をみていて思うのは、 まぁそこらへんは詳しくは「死神娼館」のレビューでも書きましたが、評価の場(まぁエロ助とかTwitterとか)ごとにユーザー層が分かれているっていうか、もっと言えば「その評価の場ごとにそれぞれの評価が分断されているんじゃないか?」ってことですね。 これは昔から「エロ助はシナリオ系作品の評価が高い」とか言われていた話に「近いようで実際はかなり遠い」です。これって点数が20点くらいの誤差があるって話ですよね。でも僕が言っているのは、なんかもう先の「死神娼館」の例で言えば「バグだらけで クリア不可能で0点の作品」でも、それはエロ助では50点前後でも、有名同人ゲームクラスタでは80点から90点くらいを叩きだしてしまうみたいな「分断」が生じているっていう話です。なんかこういうのが「エロゲの未来」の向かう先だとは思うんですよね。

これって言っておきますけど、今のエロ助が「間違ってる」とか「時代に遅れている」っていう話ではないですよ。そうではなくて、単に各クラスタごとに「ある作品はその場では肯定され」て「違う場では否定される」っていうのが当たり前になる感覚です。 別に僕はそれを否定しているわけではないんですが、現にエロ助でゲーム性重視系の同人エロゲって「単にデーター数が一桁台」という意味で評価されていないじゃないですか。んで、こういう駄作でも「同人ゲームレビュアーだけ」でしか取り上げられないから、 そこでぶっ叩かれることがなければ、いくらTwitterや匿名掲示板で糞味噌に叩かれようとも、作者さまは御満悦でバグを放置したまま「EXシナリオを出そうかなー」みたいなことが言えるんですよね。この「評価クラスタの断絶」っていうのは良くも悪くも 色んなエロゲの未来を予感させるところはあります

まぁ良いところを言えば「拾う神あれば捨てる神あり」みたいな感じですかねー。例えば「マルコ」にしても、僕はやっていませんが「エロゲのフルプライス価格帯にしては5時間は短い」っていうのはまぁこの手の「特異演出系」の作品の宿命ではありますが、 あまりエロゲオタのメインストリームからは評価されない。でも「5時間でもこのクオリティなら金払える」的なクラスタが出来上がれば、それは商売としてやっていける可能性はありますからね。その点で言えばこれは「CF]と少し似たような作用が有る。 ある意味で「その支持層だけを満足させればいい」っていうのは、ジャンルの多様性を確保する「ところ」もありますし…

とはいっても、それは「良いところ」だけではないですよねー。その「評価クラスタの断絶」が完全に悪いところに行ったのが、先の「死神娼館」の惨状ですね。具体的には僕のレビューを見て欲しいのですが、まぁ端的に言えば「狂信者の群れ化」する ところですね。その信者の評価クラスタだけ抑えておけばいいだろ!っていう話になると、普通に作品がバグだらけでクリア不可能とかになっても、作者は平然と信者向けアピールだけをするっていう異常事態になるんで、メーカーまたは作品のクオリティ が徐々に低下していっても「そこがそのメーカーの良いところだから」と言って狂信者化の度合いを深めていくわけです。これはある意味でネットの「オンラインサロン」化と似ているところが有って、下手をするとそのジャンルの信者ですらクソゲーという 作品をその評価クラスタだけはマンセーしているという異常事態になりかねない。

またこの「評価クラスタの断絶」は長期的には「分断化された全てのエロゲのジャンル」の活気を奪うかもしれません。それって作り手側も「自分の作品に良い評価を下してくれるユーザー」が集まる場所から見なくなるので「自分たち以外の作品」に 触れるきっかけが狭まってくると思うんですよね。そもそも「評価クラスタが断絶している」ような状態では、両方の意見を聞いて試しにその作品をやってみるってよりも、片方の意見を参考にすることの方が多いでしょうし。そうなってくるとまだ今日の 「エロゲの未来はマルコが決める」みたいな話は牧歌的で、そのうちに「マルコなんてよく知らん」っていう人と「エロゲの未来はマルコが決める」みたいな断絶が当たり前になってくるのが現実的な「エロゲの未来」ではないでしょうか?。

んじゃどうすれば良いのか?っていうと、これ優等生的な答えを言うなら「批評が各ジャンルの交通整理を行って分断を打破する」とか言っておけば非常にそれっぽいのですが、それをエロゲでいうのはやっぱり欺瞞だとは思うんですよね。だって別に NTRゲーに興味がない人がNTRゲーをやっても適切な評価は出来ないってことになると、ある意味で「自分が好きなエロだけを追求する」エロゲオタがクラスタ断絶化するのは当然だとは思うんですよ。そこで一ユーザーの立場から「クラスタ固定化が良くない」 という議論を導き出すのは案外簡単なようで難しい。だいたい、例えば「イチャラブ好き」のレビューを信頼するとしたら、その人が「イチャラブに偏って好き」だからであって、NTRとイチャラブ両方好きだから彼の意見は公平で信頼できるみたいな話は 単なる批評的倒錯でしかないでしょう。

それではエロゲユーザーはどうすれば良いのか。それはオタクの基本に戻って「自分の好きや自分のエロの嗜好を何よりも優先しろ!」というのが、このクラスタ分断の悪影響からエロゲを守る唯一の方法であると僕は思います。どういうことかというと、 先の死神娼館みたいなことが起こるのは、端的に逝って「自分の好き」よりも「その同人ゲークラスタのコミニティの維持」を優先するから駄作を良作だと言い換えたりするんですよ。エロゲよりもエロゲオタの友人を大切にしだしたらエロゲオタとして 完全に終わってるわけですわ。だからある程度はクラスタ分断が起きるとしても、エロゲオタは決定的に「自分ひとりの好きとエロ」を大事にするべきであって、いざとなったらそのクラスタの知り合いを「お前はわかっていない!」とコミュ省喧嘩しなくては いけないわけですわ!」つまり、この人格破綻者の群れであるエロゲ批評空間こそがエロゲという文明を守る最後の砦になるわけですよ!。

あー、いちおう断っておきますと、僕は「本当の自分」とか「本当の自分の欲望」みたいな話は「積極的な意味では」認めておりません。消極的な意味で、例えばLGBTな遺伝傾向を持つ人が異性愛環境に慣れずにどうこうって話から「本当の自分」を言い出すのは 妥当な議論だとは思いますけども、何らかの廻りの環境とは無縁な「本当の自分それ自体」が有るって言うのは先の消極的な議論を取り違えているだけだとは思うんですよね。何らかの神のように自律的な存在として本当の自分があるわけでは全くない。 とはいえ、先の消極的な「本当の自分」が辛うじて成り立つように、やっぱり単なるクソゲーをそれでも周りに合わせて褒めなきゃいけないとか、或いは周りの評価に踊らされていたけど、この作品はあまり面白くなかったといったように、人は完璧に 周囲のクラスタの操り人形に慣れるわけがない。そうならそうでクソゲーやっていても楽しめるはずなんですけどね。だからエロゲオタとしては「自分の好き」とか「自分のエロ」を「意識的に好きであり続けるような」緊張と努力とその言語化がこれまで 以上に必要になるんじゃないですかねえ。別にそれを怠っても良いんですが、そういうことをやるとマジでクソゲーでも別に良いじゃんっていう酷い人生になりますし、自分の「好きな正妻」をきちんと意識的に決めておけば「逆NTR]や「誘惑エロゲ」の 快感も大きくなるんで良いじゃないですがグヘヘ(終

得点順コメント

94水月 -すいげつ- (F&C)
「知識を増す者は憂いを増す」と言ったのは伝道の書だったが、この作品はそんな「幸せ」と「真実」の関係という厄介なテーマを中心に物語を展開する。これが厄介なのは、ふつう、物語においては全ての謎が解決し、そして、それが登場人物達の幸せにまっすぐ繋がる「真善美」の目論見論的三位一体の法則が鉄則に成っているが、お察しのとおり現実ではそうでないからだ。そこで、この作品は面白いことに「幸せ」と「真実」の補給線を断ち切る作戦に出る。水や空気が上と下でそれぞれ別の方向に進むように、この物語は「真実」と「幸せ」が別の音階でズレながら進行し、最後には「幸せ」が「真実」を抹殺していく。これを「強制された歓喜」と取るか「幸せの無条件な肯定」と取るかは各々の解釈に任されているが、ラスト、狂ったように咲き誇るエーデルワイスたちは安易な解釈を許さない。恐ろしさと優しさと軽さが一体化したこの白さは、天使的といっていいだろう
94AIR (Key)
この運命的な作品がすべての泣きゲの終わりであるといえることを希望する。T・W・アドルノは「アウシュビッツのあとに詩を書くことは野蛮である」と述べたが、同様にAIRの後に泣きゲを作ることも、泣くことも、野蛮極まりない行為である。何故なら涙では拭いきれないほどの血がこの悲劇では流されるのだから。AIRは悲劇の口当たりのいいロジックを全て否定する。悲劇のカタストロフィのために用意されるお涙頂戴シーンはその機能を止め犠牲者だけを生み出し、神様は何の取引も持ち出さず左手で奪い右手で壊したまう。プレイヤーの過ごした2日間ぐらいのプレイ時間はその重さを失いすべては風に流され、宇宙空間にひとり放り出さされたような哀しさを経験する。「意味はなくてもそこには存在があるのだ」という悲劇論者最後の切り札もラストの強烈な一言によって完全に批判される。ここで語られるのは「悲劇」ではなくほんとうの「かなしいこと」なのだ
92大悪司 (ALICESOFT)
アリスアリスと昔の人が五月蝿いので「そんだけ言うなら、どんなモンかやってみようか」と思いたった人に是非お奨めするソフト。この作品が「詰まらない」と感じるのなら、ぶっちゃけアリスのSLGなんかやらなくていい。鬼畜展開がダメなら「大番長」でもいいが、やや完成度は落ちるし、鬼畜云々だけではなく物語の分岐によって「鬼畜にならざるを得ない」物語を描くのが、アリスSLGの魅力なので、出来ればこの作品からやるべきだ。大阪を舞台にした魅力的な世界観、物語の展開によって必然的な分岐をしていく臨場感溢れるシナリオ、純ゲームバランス的には決して「よい」は言えないが、大味な能力の設定がそのキャラの個性を引き立たせて「悪司と殺っちんを温存しておけば最後までいけるな」と漫画的に楽しめるような、キャラの個性を軸にしたゲームバランスが本当に良く練りこまれている。あくまで現時点で言えば、ひとつの最高のかたちを持った名作だ。
90Succubus Rhapsodia (Dreamania(同人))
この作品自体が二次創作で生まれたという運命は連鎖していき、サキュラブ誘惑スキーたちがMODに大集合した結果、オリジナルのエロテキストどころか、エロCGも20枚以上追加され、今現在も更新が途絶えないような「サキュバススキー紳士の創作場」になってしまったという特異な作品というか、誘惑エッチやハーレムエッチといった最新の同人エロを適切に表現できる二次創作プログラムである。RPG形式を利用しながら、作品世界の輪郭を世界地図MAPのように明確に描写せず、物語と世界の断片を絶妙に彷徨い繋げるような本編も面白いが、やはり今作最大の魅力は「サキュラブの誘惑エッチやハーレムエッチ」を徹底的に極めんとしてるMOD版だろう。BFのシステムを用いながらも、商業エロゲのエロシーンと同じくらいの尺が用意され、いま現在の商業エロゲでは味わうことのできないサキュバスたちの未知なる誘惑ハーレムがあなたを待ち受けているのだ! → 長文感想(62322)(ネタバレ注意)
90イブニクル (ALICESOFT)
オタクが、増えすぎたエロゲをソシャゲーに移住させるようになって、既に5年が過ぎた。膨大なソシャゲーはオタの第二の故郷となり、エロゲオタは長年の尊厳と引き替えにデレマスで刹那の尊さを得て、そして、死んでいった。西暦2015年(だぶるおーせぶんてぃーないん)、アニメ自爆を経てもケッコンカッコカリは止まらず、オタは自分の艦むすゲームナラティブを共有生産する集団二次創作乱交体制を樹立し、母たるエロゲの独占生セックスから独立を宣言。エロゲ連邦の最古国アリスは新兵器の開発に着手する。巧みなゲームバランス調整で無駄のないキャラ育成&バトルを実現させたRPGによって、フィールド上にあらゆるサブイベントシーンを配置し、ゲーム性体験とストーリーをシームレスに繋げることで、エロゲの豊潤な物語とイチャラブを見事に融合させるケッコンカッコトゥルー嫁ハーレムエロゲのレゴンギスタを目指して……その名は「イブニクル」だ。 → 長文感想(59338)(ネタバレ注意)
90歌月十夜 (TYPE-MOON)
[ネタバレ?(Y1:N0)]
90みずいろ (ねこねこソフト)
僕に義妹萌えの病気を完治不可能まで植えつけやがった運命的な作品。このソフトをやるまで僕は義妹を実妹の攻略可能廉価版ver――つまり、祖父倫規定で実妹が攻略できな(かったのである。昔は)いから、義妹で我慢しますよ――程度の認識しかなかったが、雪希たんはその大いなる誤りに気づかせてくれた。僕は実妹の近親相姦の背徳感やそのタブーを巡る世間的・近代的葛藤に燃えていたのではなく、真の「恋人」でもなく「兄妹」でもなく「家族」でもないという、義妹の幽霊的な属性を巡る物語に萌えていたのだ。この作品でそれを象徴し物語を構築するのは玩具の指輪だ。その盗まれた指輪は本来の持ち主から離れた故に本物の指輪と同じように輝き、主人公達の関係を引き裂きながら同時にまた結びつけていく。これは恋愛というより、漱石的にいえばPity's akin to loveかもしれないが、信じるかしないような、そんな切実で優しい物語である
88ワンコとリリー (CUFFS)
トノイケダイスケの作品にはイベントらしいイベントがないとか、物語らしい展開が少ないと言われがちではある。これは相対的な評価、つまり「他のエロゲと比べた場合の特徴」という意味では正しいんだけど、その作品そのものを見た場合にそのように評価できるか?と言われたら結構むずかしい話ではある。もしも、正確に定義してみるなら、トノイケダイスケにおける物語とは「発展しない」「展開しない」物語、或いは「循環する物語」や「変奏する物語」というべきものだろう。登場人物たちが巻き込まれる状況であるところの物語空間は存在するのだが、それがある一定の方向をもって「進み」はせずに、前に進んだりうしろに戻ったり、方向がわからなくなってその場で昼寝をしたりする。この作品の「お散歩」のように、お散歩に目的地は必要かもしれないが、お散歩は目的地にたどりつくためにするものではない。それはただあるいて誰かとなにかを話す物語である。 → 長文感想(38720)(ネタバレ注意)(7)
88ゆのはな (PULLTOP)
[ネタバレ?(Y1:N0)]
87あぶのーまるらば~ず (とるてそふと)
エロゲのエロとシナリオの関係においては、だいたい三つの位階を設けることが出来る。一つは「単純に物語にエロシーンがくっついてる」だけの作品で、大半のエロゲシナリオがこれに該当し、エロの配置は良くも悪くもユーザーがそこに意味や劣情を見出すものとなり、今作では幼馴染の姫兎が該当する。二つは「物語がエロの傾向に結びついてるもの」で、ジャンル抜きゲや、エロ導入に拘ったイチャラブエロゲがそれに値し、兄姉近親相姦を懐かしく巧みにSM物語に接続する暁乃や、未知なる感情と性癖に悪戦絶頂する鏑城もこの中に入るだろう。そうして最後の三つは「人間とエロの関係それ自体について」挑もうとする勇者であり、さらに、この作品の瀬利ルートは第二位階の「誘惑エロヒロイン」という昨今性徴目覚ましいジャンルを見事にエロゲながらも、その論理的な帰結としてのエロに病んで愛はパンツを駆け巡るを走り切ってしまう小池百合子シナリオの傑作だ。 → 長文感想(61427)(ネタバレ注意)
87妹スパイラル (まかろんソフト)
「シナリオはイマイチだけど妹属性が好きな人にはお奨めの作品」であるが然しこの作品のシナリオはサイコーである。まずそれを順接的に言えば、傑作ロリシナリオが犇めく今年においても凜火のロリ妹っぷりは、お兄ちゃんに無自覚におしっこしーしーさせてぇと誘惑してくるほどの破壊力を保持しており、もはやギャグに等しいツンデレ妹キャラ霞空も今年で一番笑える駄忠犬妹っぷりを披露してくれるだろうが、それを逆説的に言えば、妹スマイルが義妹的テーマを用いた作品であり、妹スタイルが実妹的テーマを用いた作品であるとするならば、この妹スパイラルはエロゲならではの「可能世界妹」に照準を合わせている。複数の個別シナリオの別世界を無理矢理ひとつの世界に次元融合させ、その別世界での記憶や能力を持たない兄とそれらを持つ妹との恋愛物語から、いろんな夢を見続けるようにして、兄妹関係の新たなイチャラブ可能性を描く異次元規模の傑作なのだっ! → 長文感想(31866)(ネタバレ注意)(3)
87同棲ラブラブル (SMEE)
僕は通常このような言葉をあまり好まないが、この作品に限って言えば、この言葉を使うのが最も適切だと思われる。即ち「この作品は人類が踏み出した偉大なる妄想の第一歩」であると。イチャラブがどーだとかの、そういった俗説に惑わされてはいけない。なるほど、前作に比べるとデレ時の糖分はマイルドだろう。けれども、この作品はイチャラブゲーではなくイチャ嫁ゲーなのだ。前作の恋人なりたての興奮と好奇心はその純度をいっそう高め、今作では何事にも揺るがない不動の熱愛と信頼感へと昇華しており、もうことさらにイチャイチャ描写を強調しないでも、ふたりのご飯の会話をみているだけで、最初から最後まで結婚への散歩道を楽しそうに歩んでいるふたりをみているだけで幸福感に包まれる。結婚をここまで描いたエロゲは空前絶後。むろん、その全ては花穗よっていったん否定され、そして、花嫁を越えた永遠の妹への愛によって力強く肯定されるのであった。 → 長文感想(25707)(ネタバレ注意)(1)
86はぴねす!2 Sakura Celebration (ういんどみるOasis)
いまや日本人のストレスを一身に浴びた血塗れとげぬき地蔵とさえ言ってもいい「けものフレンズ2」のスタッフが参考にしたと(俺の脳内では)される「ウィザーズコンプレックス」というヘルジャパンエロゲの決定版を生み出したどみるが、ウィザコンの反省を踏まえ送り出したのが、このどみる最高傑作とさえ言っていい「はぴねす2」である。前作のオマージュどころか、共通ルートでは前作のヒロイン配置やシナリオ構造を6割型コピーするという「前作もそんな感じだったようなデジャブ感」を連想させつつ、個別ルートではそれを踏まえつつ全く新しい物語を生み出しながらも、それでいてどこか温泉まんじゅうのようなむかしのエロゲの暖かい雰囲気を醸し出す。グランドが実質ハーレムなのに3Pがひとつしか無かったり、あまりそれを生かせてなかったりと多少の弱点はあるものの、まさに昔を振り返りながら、令和の新しいイチャラブエロゲを提示した傑作なのだ。 → 長文感想(45929)(ネタバレ注意)
86ラブラブル ~lover able~ (SMEE)
前作「らぶでれ」は「主人 公」といったイカれたキャラクターと、みみみ先輩のような真面目なヒロインの存在がおるごぅる的に合体した、へんてこエロゲーの傑作であったが、今作は喫茶店の中で白鳥堂々「野球」をするようなモブを除けば「主人公」を主体とした普通の恋愛ゲームである。故に共通ルートは「らぶでれ」の圧倒的勝利だ。舞台設定とキャラ関係を描写しすぎたため、前作のようなヒロインと主人公の友達時点のキレキレな日常描写が薄くなってしまった。だが個別ルートは「らぶでれ」と互角いやそれ以上。おどおど後輩から小悪魔系メイドさんの変身が凄いつぐみ。そこらへんのロリキャラ以上に保護欲をそそられる奈々子さん。どんどんぷんぷんぽん病がいぬ夫する千夏といった強敵が待ち構えているうえ、僕らは「近親相姦の鬱展開」をほぼぶっ飛ばしたうえで愛しのマイスタ-と同棲生活を過ごさなければならないのだから。全国の脳内兄者の健闘を祈る。 → 長文感想(21075)(ネタバレ注意)
86RanceVI -ゼス崩壊- (ALICESOFT)
個人的にはランスの最高傑作。ゲームシステムは正直凡作。RPG仕様に行動回数という縛りをつけて、全キャラを幅広く使用しないとクリアできないという独自観点は面白いのだが、これは全キャラクターのレベル上げも意味するわけで、通常作品の倍近い地味な経験地稼ぎが求められる。戦闘もタコ殴りが基本であり、この労苦と単調の最悪の組み合わせがゲームを終始味気ないものにしている。しかし、この作品はそんな欠点を乗り越えてもやる価値がある。ランスシリーズはその戦略SLGというゲームシステムから、複数の勢力を俯瞰的に描写していく多視点構造を取るが、この作品ではそれらの視点が一つの物語(状況)に収斂されていくのではなく、まるで国家の混乱状態を象徴するように、それぞれバラバラのまま放置され物語はカオスを増大させていく。我らがランスは混乱した国家を尻目に女を喰らうばかり。これはランスシリーズしか書きえなかった崩壊の物語だ。 → 長文感想(11604)(ネタバレ注意)
86下級生(Win95) (elf)
取り合えず昔のエルフの代表作をやってみたいなぁって人はこれからどうぞ。フラグも緩く、一部キャラを除いては攻略情報を見なくても簡単にクリアできるので、初心者にもとっつきやすいはず。このゲームの面白さはその攻略要素とゲーム全体の仮想的な現実感――もっといえば、自分がそこにいる感じ――がバランスよく配合されているのに尽きる。好きなキャラを落としたい。でもあのキャラはどこにいるんだろう?と街の中をストーキングし、学校の女子便所から真昼間のラブホテルまでひたすら歩き回り、時間を無駄に潰しながらもそこから小さなヒントを発見して、ピースを繋ぎ合わせるようにヒロインとの関係を近づけていく試行錯誤はまさに「バーチャル恋愛ゲー」という気分を与えてくれるはずである。好感度と睨めっこしながら「今日はおっぱいまで触れるかな?」とハァハァドキドキさせる攻略性からは、他では決して味わえないエロと萌えを体験できると思う。
85彼女と俺の恋愛日常 (Parasol)
パラソル作品では、前作に次ぐ「普通に楽しめるレベルのイチャラブゲー」+「異常なほど可愛い妹ルート」ゲーと言えよう。このブランドは毎回エロだけでは鉄板で、今作も幼馴染みにメイドご主人様プレイとか、萌えゲのエロ王道を解っていて素晴らしいのだが、今作はそこにシナリオブーストがきちんと適切に掛かっているので隙が少ない。ちこたむヒロインのシナリオは、ヒロインの悩みを、恋人後の恋愛のなかで少しずつ解決していくという構造によって「シナリオのテーマ進行」と「主人公に感謝デスイチャラブ」を反復させていくという、イチャラブ描写とテーマ進行を危なげなく進めていく丁寧な作りなのに、そんな鉄板を隕石によって打ち破っていくのが実妹シナリオだ。シリアスやシナリオが逆に欲しくなるような、兄妹のふたりだけの世界が最初から最後まで展開されており、近親相姦シナリオというよりも火星人の恋愛のようなイチャラブショックの清々しさよ。 → 長文感想(37648)(ネタバレ注意)
85妖魔大戦 第一章 ~封印のヒメガミ~ (ya-ho-games(同人))
廉価同人ゲーの弱点は値段により値段以上の評価が妨げられることが多いところ。この作品は最安315円で、高く評価されているところを見ても「315円にしては良いってだけだろw」と捉える人は多いだろうが、真実3150円ぐらいで買っても充分お釣りが来るほどの良作なのに。「いちゃらぶRPG」と聞いてどんな異色作かと思う人は、まずRPGとして普通に優れた完成度、またこの手のエロRPGにしてはマシな音声付きエロシーン等々をベースとして、そのうえに細部のテキストの「イチャラブ描写」と「戦闘におけるイチャラブシステム」が乗ってると理解したほうが適切。特筆すべきなのは後者で。基本的にはヒロインとキスをするとMPが回復するとか、ラブラブパワーモードに入るとかそんな感じなのだが、このイチャコマンドが戦闘内で絶妙な瞬間に生かされるような絶妙なゲームバランスが、まさに萌えと燃えを両立させる理想のRPGを作り出したのだ。
85もんむす・くえすと! 中章 ~負ければ妖女に犯される~ (とろとろレジスタンス(同人))
今はもう全部発売されているのだから、普通に「前章」から始め「中章」そして一気に「終章」までやるべきだという意見は全くの正論だ。ただ内容が内容だけに、興味はあるんだけどCGが自分の好みではないなぁとか、今どき音声無しかよっ!とか思い手に取りにくい人は、この中章から始めるのが良いとおもう。主要キャラ(音声つき)のエロシーンが複数回用意されており、サキュバスやインプといった比較的メジャーなもんむすも多く、自分にはグロすぎて全部のもんむすが合わない!というようなこともないだろう。むろん、この作品の魅力は自分の目当てのもんむすがどーこーと言うハナシでは無くて、圧倒的なもんむすの物量によって一つのファンタジー世界を強力に作り上げているところにあり、その世界に迷い込んだ哀れなユーザーが本来好みでは全くないはずのもんむすに逆レイプの性癖を植え付けられる快感にあるわけで、騙されたと思って真剣に犯されなさい!
85LOVELY QUEST (HOOKSOFT(HOOK))
hookというのは難しいメーカーで、一方ではまったりゲーメーカーとして不動の位置を占めながら、つねに謎の「新システム」によってその不動の位置を崩していたわけだが、今作に限って言えば「hookの純愛は完成した」と言っても決して大袈裟ではない。hook過去作品のアイデア「恋愛授業」「メール機能」「ヒロイン視点の定期的な挿入」が「これってマジhook作品?」と思わず呟いてしまうほど手際よく取り入れられている。最初から最後までヒロインと少しずつ仲良くなるだけの小鳥のようなキスを繰り返す日々が語られ、ヒロイン視点によってヒロインの甘く緩い心の声によって脳髄を破壊されながら、ときどきヒロインのメールに「愛しているよ」といった選択肢を自ら返しているだけでもエロゲは成立してしまうのだよ。ミニマルな快楽の反復だけで萌え転がれるなんて、これは「純愛の探求」ではなく「純愛洗脳の追求」の傑作だと言わざるをえない。 → 長文感想(37338)
85感覚の鋭い牙 (WINTERS)
平井次郎氏のエロゲから漂ってくるのは圧倒的な貧しさである。べつだん経済的な貧しさが作品のテーマとなっているわけでも、OHPが殺伐としているからそう感じるわけでもなくて、切りつめられ凝縮されているというよりも「ただそれしか語ることがないから」寡黙たらざるをえないテキストと、ノイズ系音楽が好きと言うよりも「自分の持っているCDがそれしかないから」という理由で鳴っているようなまさに「ノイズ」でしかないBGMの宙ぶらりんな二重奏が、全てが四畳半のブリーフのフルボッキに支えられているような「取りあえずエロいことぐらいしかやることがない」世界観をしゃりしゃりと噛みしめさせる。そうした「貧しさ」が一番伝わってくるのがこの作品だろうか。序盤の「ただ他に相手がいないから兄姉相姦」と言った感じのダメ共依存関係は、アホな中学生が見るようなSF淫夢世界に呑み込まれながら、生に病んでエロは荒野を駆け巡るのであった。
85VenusBlood -FRONTIER- (DualTail(DualMage))
[ネタバレ?(Y1:N0)]長文感想(11575)(ネタバレ注意)
85先生だーいすき (SCORE)
例えばあなたの大好きなエロゲシナリオのヒロインが、とつぜんカトリック教会が仕掛けたブルックナーウィルスによって全て「12歳以下しか見えない」立ち絵やCGに変わったとしよう。変更点はそれだけで他は全部変わらない。その時にあなたは今までと同じようにそのシナリオを愛せるかだろうか? エロゲにおけるロリゲーシナリオの抱える問題点というのは、上の例の問題と似たようなところがある。つまり、もしも立ち絵やCGが「ロリキャラじゃなかったら」それはまぁ普通の純愛シナリオと読めるのだが、それが「ロリキャラ」になった途端「そうじゃねぇだろ」と思ってしまうわけだ。このゲームも基本的に前半部分はNHK教育でやってもおかしくない「ええ先生モノ」なのだが、後半になると「ええ先生モノ」の論理のまま「悲しんでいる幼女を愛さないのはヘンだ」という流れで幼女天国に至るのであり、コレの何処がヘンなのかを指摘するのは大変に難しい。
85MAID iN HEAVEN SuperS (PIL)
なんだかよくわからない理由によって昨今の秋葉にはリアルメイドさんが徘徊しているのだが、なんだかよくわからない理由によって10数年前の鬼畜&調教ゲーではメイドさんが調教されており、そのような状況を一発で変革したのがなんだかよくわからないこのバカゲーだ。「メイドはご主人様によって調教されるべきだ」を語るのが以前の調教ゲーだとしたら、この作品はメイド自身が「ご主人様はわたしを調教するべきだ」と訴える。これにより調教ゲーの基本原理である「単純反復調教による心理又は性感の性奴隷化」といった巨人の星は無効化されてしまう。だってハナっからメイドがやる気マンマンで、基本的にどんな行為も受け入れちまうんだから、数々の調教行為は何らかの目標を失って、ひたすらバカカップルの終わりなきバイブをくるくる回し続けるしかない。天国とは意味なしで幸せになれる場所であり、メイド・イン・ヘブンの扉は今ここに開かれたのだった。
85True Love Story Summer Days, and yet…(PS2)(非18禁) (エンターブレイン)
所謂「葉鍵時代」が到来する前に美少女ゲーム業界を支えていたタイトルといえば、エルフの「同級生」「下級生」シリーズ、コナミの「ときめも」シリーズ、セガの「サクラ大戦」シリーズといった名前が、これらのソフトをプレイしたことがない人でも思い浮かぶと思う。その中でも葉鍵時代以降も確実に生き残って、ある意味では2009年の現在まで、そのDNAが存続していると思われるのがこのTLSシリーズであり、そして、作品の内容的に「有終の美を飾った」といえるのがこのソフトだ。前述した作品の多くが1や2で基本的なシステムの改良を停止したのに対し、このTLSSだけは最後の最後にシリーズ最高のゲームシステムを構築したという希有な達成を持つ。TLSシリーズを未プレイの人は、まずはこれをやるのが一番手っ取り早いと思うし、恋愛SLGをやったことがない人でも、攻略サイトに頼らず自分自身で面白さを発見できる取っ付きやすい作品だ。 → 長文感想(29007)(ネタバレ注意)
85うたわれるもの (Leaf)
エロゲ史上、最も早漏れな男として勇猛を馳せているハクオロキングダムであるが、彼がそうなった理由を語らないのはフェアではあるまい。エロゲには数多くの「ハーレムゲー」が存在するが、日常的な意味でハーレムしているのはハクオロくらいだからである。そりゃあんなに枯れても仕方がない。まず「ヒロイン全員から好かれている」だけでは、エッチしていないので「可能性上ハーレム」というべきだし、「全員とエッチした」場合でも大抵メインは「全員エッチするまでの物語」なので、「結果的ハーレム」でしかない。確かに抜きゲには全員とエッチする作品は多いけど、それはエッチすることが目的化されていて、他の日常要素が軽視される傾向にある。つまり、ヒロイン全員とエッチした上で、なおかつそれが当たり前であるかのような空間を作らなければならない。この作品のSLGだの国家戦争だのSF設定だのは、そんなハーレムの為の素材に過ぎないのである。
84VenusBlood -HYPNO- (DualTail(DualMage))
VBD以降のゲーム性デザインの最後となるこのVBHは、残念なことにその有終の美を飾る作品とは言い難い作品で、せいぜい「変異獣バクス」あたりの相応しい作品になってしまった。実際のところ、今作でいちばん良く出来ている部分はVBシリーズらしからぬロウルートのシナリオである。基本的にどの場面においてもアノーラやシルヴィアといった物語の核となる真ヒロインキャラを前面に出したシナリオの御陰で、王道的な「みんなの力で最大の悪をやっつけます」的なシナリオがVBシリーズの中では一番よく書けている。その次に良いのが3PW調教エロでこれはVBGから大いに進歩している。逆に言えばそれ以外はややイマイチである。肝心要のゲーム性は相変わらず部隊編成の戦術バランスは面白いものの、戦略ゲーム性が基本的に多師団を要求しないので食い合わせが悪く、エロも純愛から悪堕ちから狂落ちまで薄く薄く揃えるコンビニの納豆売り場状態で萎え。 → 長文感想(19280)(ネタバレ注意)
84VenusBlood -GAIA- (DualTail(DualMage))
「2割増しの面白さ」という公式コメントは良くも悪くもその通り。良い面から言えば、九尾お得意のゲーム性は順調に5割ほど進化している。前作まではほぼゼロだった戦術性、VBAでは全く生かし切れていなかったタワーディフェンスも大幅に改善され、前作から引き継いだエンカウントバトルをさらに奥深いものにしている。編成を組むだけで軽く一時間ぐらい経ってしまう「レギオン」の組み合わせや、ノーマル難易度でもハードクラスに難しいのだが、良く考えれば出口は見つかるゲームバランスの妙も相変わらずだ。とはいえ、シナリオテキスト全般は7割パワーダウンといっても大袈裟ではあるまい。たぶんVBシリーズにおいて最低の出来であり、いろいろと文句はあるが端的にシナリオもテキストも薄っぺら過ぎ、また前述のレギオン関係もキャラと物語の印象の薄さに拍車を掛けている。天は九尾にあくまで二物を与えないつもりか。ふたなりはたくさんあるのに。 → 長文感想(17528)(ネタバレ注意)
84GEARS of DRAGOON ~迷宮のウロボロス~ (ninetail)
九尾系列は数年まえから作品の完成度もメーカーの知名度も売り上げも上がり続けているが、今回の作品は良くも悪くもその総決算ともいえるだろうか。良い意味から言うと、九尾作品は難易度自由選択またはやり込みモード選択といった形で、ひとつの作品のなかでなるべく多数のユーザーが納得できる形を目指していたと思うのだけど、今作はかなり徹底している。やり方次第で序盤からLV最高に出来るような試行錯誤プレイの幅が本当に広いのだ。ストーリーモードでもストーリーを無視し、工夫して経験値稼ぎに邁進するようなユーザーには、これは最高の作品なのかもしれない。但し、そのゲーム性がストーリーに寄与しているかと言えばかなりの疑問であり、今回はストーリーとゲーム性が完全に分裂してしまっている。今回の売りであったカオスやロウもシステム的にも物語的にも大きな変化はなく、九尾の良いところと悪いところがクッキリ出た作品になってしまった。 → 長文感想(24692)
84Clover Point (Meteor)
[ネタバレ?(Y1:N0)]長文感想(51678)(ネタバレ注意)
84神採りアルケミーマイスター (エウシュリー)
「姫狩り」は基本システムは良くできていたのに、二周目以降の難易度が低く、シナリオ分岐が最終章のみに限られていたりとツメの甘さが目立つ作品だったが、今回は中盤から三つのメインヒロインルートに分岐し、二周目全引き継ぎ難易度難しい、三周目全引き継ぎ敵レベル解除、といった感じでやれば全ルートを楽しみつつ、最後まで緊張感を失わずにプレイできるようになったのは確実な進歩だろう。そして、本作のメインディッシュ――アイテム収集&合成は前作以上に楽しい。今作の場合「要らん素材」が後々役に立ったり、金稼ぎ用のアイテムにすぐ転化できるので、全ての作業プレイが貯蓄プレイのように感じられ、小銭をかぞえ集めているだけで毎日毎晩睡眠時間を虐殺される廃人たちが夢のあと。ただ、こうしたゲーム性と最後まで謎を小出しで引っ張るメインシナリオの食い合わせが悪く、絡みの多いサブ勢のほうが魅力的に見えてしまうのは気になる点ではある。
84らぶでれーしょん! (SMEE)
昨今の主人公に求められる単語と言えば「大人」「勤勉」「誠実」であり、なんかもうすべての主人公の名前は二宮金次郎でよくね?って感じであるが、この「主人 公」は金次郎の背中にコソーリ接近し薪にチャッカマンしそうなイカしたヤツだ。無論、ただの御巫山戯が面白いわけじゃない。この「主人 公」という変な名前と、らぶでれーしょんなエロゲ空間が絶妙にマッチしているのだ。複数ヒロインと主人公の「仲良しグループ」描写で、各ヒロインの特徴と物語を描く普通のエロゲとは違い、この作品は始めから最後までヒロインと主人公ふたりだけの日常描写を徹底する。すると、「主人 公」のボケ&突っ込みトークを通じてヒロインの特徴が浮き彫りになり、自ずとふたりで恋愛を創りだしていくような独特の密着感が生まれるのだ。とってつけたような山場で密着感を壊すこともなく、ハーレムシナリオも異常にエロ狂っており、まさにタイトル通りの傑作と言える。 → 長文感想(19414)(ネタバレ注意)(1)
84Fate/stay night (TYPE-MOON)
この作品をやると2CHによく貼られる「キモオタ」のAAを思い出す。これは別に笛のファンがあんなキモオタだとか、或いは作者がそうであると言いたいわけではない。そうではなく、あのキモオタが「どうだっ、俺の考えたこの設定はすごいだろっ!」と、本当に楽しそうにFATEという物語をぺちゃくちゃかたる風景が目に浮かぶのである。夢枕獏という作家はオタクの本質を「凶暴、純情、劣情」と言ったが、この作品はそれらのおもちゃ箱といっていだろう。ちょっと冷静に読めば、物語のテーマと物語の行為がズレまくっているのに気がつくのだが、そんなん気にするほうが馬鹿馬鹿しくなるくらい、あるいは自分が馬鹿でもいいや♪と開き直ってしまうほどオタ妄想のドライブ力に満ち溢れた故郷のような作品だ。この作品を全然楽しめないという人は、ちゃんとした一般人に復帰できる可能性が残されているので、今日から一日四時間を目標にこれをやり直すべきだ。
83素晴らしき国家の築き方 (アイリスフィールド(同人))
良い意味で典型的な同人ゲーの「良作」だろう。これを定式化するなら「1:ゲーム性は兎に角難易度設定から経験値稼ぎまで自由度が高くていろいろやれる感じが一番楽しい(裏を返せば自由が高いだけで最適戦略の幅は少ない)」「2:シナリオは同ブランドの他作品と関係していて、当作品の内容よりもそれらのサーガ的な壮大な世界観を感じさせる」「3:エロはやっぱり早漏れ量より質でパートボイスでもエロシーンにはボイスを使わないくらいエロ軽視」ってのが、これらの典型良作であるが、この作品は「2」の部分が良く出来ている。序盤から中盤までは「この作品単体に収まりそうな内容」なのに後半から徐々にサーガ的な加速が強まりグイグイと強引に長大なテキスト量を読ませてしまうところが面白い。にこういう「バランスは非常に悪いが作り手の異様な熱意」を感じさせるのがこの手の良作の良いところではあると思うんだが、この質より量の無駄エロがなぁ…
83キミトユメミシ (Laplacian)
七月ダークホースゲー扱いされている今作。発売前は声優陣が豪華な抜きゲーっぽいと言われ、それが歌も豪華だが内容はワカランゲーへと変わり、体験版が公開されたら思わず便秘少女も荒野を目指してしまうくらいの変幻自在ギャグ十字砲で期待のバカゲーへと祭り上げられたものの、実際は今どき珍しい地味な「ヒロインと一緒に頑張ろう青春ゲー」だったでござるよ。大半ルートは序盤から、早くもヒロインと主人公の目標が決まり、後はそれに向けて様々な問題を解決しながらも、基本は日々の努力をイチャラブしながら続けていくのみ。ヒロインの夢を覗き見する一方関係から、ヒロインの未来への夢を共有していく「キミトユメミシ」ダブルミーミングを生かした時雨ルートは処女作とは思えないクオリティなのに、ブツ切りが目立つ他ルートや、淫夢ネタをギャグ以外の特にエロに上手く生かしていない等々、処女作らしい荒削りさと新鮮な推進力に満ち溢れた良作だ。 → 長文感想(14697)(ネタバレ注意)
83イマコイ サキュバスと添い遂げるオレ!? (とらいあんぐる!(同人))
今までもエロゲにおいてはサキュバスキャラはわりと出ていたと思うが、その殆どは基本的に「純愛サキュバス」物語であり、エロシーンにおいても物語においても、主人公を性的に誘惑するようなエロや主人公が堕落したり籠絡されるようなエロシチュを描いたものは少なかった。そうして、まさにイマコイに「誘惑サキュバス」モノの古典と言える完成度を持った作品が誕生したのであーる。確かに今どきcdromかよって感じの低ボリュームであり、エロシーンも堕落分岐を含め各キャラ3回しかなく、個別ルートなんてものは10分足らず終わる基本廉価ゲームではあるね。しかしそれらのエロシーンはまさしく「いままで殆ど体験したことがなかった」ようなエロさに満ち溢れていて、今までの二次作品では叶えられなかった、サキュバスの尻尾で性器やらお尻やらにキス注射されまくった挙げ句あの柔らかい翼で優しく魂を抱きしめられながら闇で逝きたい人は特攻すべし! → 長文感想(19756)(ネタバレ注意)
83Kasumisan# -真夏のリフレイン- (GASTRO)
ループ物語において登場人物達がループから脱出する理由は、そのループ世界を成り立たせている犠牲者を救うためである。要は「こんな嘘の世界によって苦しんでいる人がいるんだから」という実に人倫に適った行動であり、つまんない言い方だと「日本の原発は絶対に安全です」のような日本社会的フィクションの批判を暗に含んでいるわけだ。ただ、ここでひとつ問題がある。もしも「日本の原発は絶対に安全です」がそれ自体は真実であり、誰にも何ら犠牲者を産みだしていないが、その世界が巨大なフィクションだったばあい、登場人物たちはそこから脱出する理路を、どこから導き出せば良いのだろうか? この作品はこの問いの答えに見事に失敗することで、ループ物語の別側面を逆説的に語る。かび臭いクーラーのぬるい風に抱きしめられて、締め切ったくらい部屋のなか今日もあしたもアイスと少女が永遠に溶け続ける夏の甘い腐った時間が忘れられない人は、是非。
83妹スタイル (C:drive.)
偉大なる毛沢東主席は、西欧の核兵器に中国は対抗できるのかと聞かれ「我が国には広大な国土と10億人の人民がいるっ!」とムスカ様も痺れる台詞を吐いてくださったが、まぁ確かに「圧倒的な量」がある種の「質の変化」になるのは事実である。正直な話、僕はいま自分のやっている作品が本当にエロゲーなのかと何度か自問自答してしまった。個別ルート分岐後30分ぐらいでエチシーンに入るのは珍しくないが、その後も大きな起伏なく主人公である「お兄ちゃん」と妹たちは甘い日常を繰り返しながらチュッチュするばかりなので、日常シーンとエロしーんの区別すらつかないまま永遠の現在が描かれるばかりなのだから。しかし、この作品の本当の恐ろしさは、苺花ルートや柚奈のように、いっけんイチャだけに見えるテキストのなかで、お兄ちゃんと妹とのジグザクな成長物語がきちんと描かれているところだ。エロゲの「シナリオ」の意味を考えさせれる逸品でもある。 → 長文感想(24738)
83同級生オリジナル版 (elf)
エロゲーの元祖といわれている作品だが、改めてプレイすると、なんともアナーキーな作品である。大日本エロゲ帝国憲法修正九条により、女性キャラクターは全て18歳以下であるはずだが、この作品は同級生といいつつ20歳以上の還暦を迎えたおばはんが攻略キャラの大多数を占め、下は16歳から上は25歳までのババァが幅広く出現する。ゲームシステムも極めて異常だ。一部キャラを除いて、複数キャラを同時攻略しないと狙ったヒロインを攻略できない異常フラグ。主人公は複数のキャラとHをし、ババァから性病を移され痛むチンポを宥めつつ、二股で悩んでいる親友キャラをバツの悪い気分で眺めながら、時にはそいつの彼女を寝取ったり寝取られたりして、夏休みの最後の日までに、本当に好きな女の子と自分の将来を決めなくてはならない。18年前のエロゲの未成熟な試行錯誤と、全てはこれからだという熱気が伝わってくる歴史的な作品である。 → 長文感想(41577)(ネタバレ注意)(18)
83CLANNAD(非18禁) (Key)
点数はそれなりに客観的につけているが、忌憚ない主観的な意見を吐かせて貰うなら、これほど怒りを覚えたkey作品は存在しない。これをkey以外が作るならいい。或いはAIR以前のkeyが作ったなら90点はつけてもいい。だが、よりにもよってAIR以降のkeyがこんな「美しい泣きゲー」を作ってどうするのだ! いや、まぁ単純に言えば正直「かなり」期待していたのである。特にOPの曲がよかった。「痛みも悲しみも味方に変えながら~」という歌詞は鍵のある本質的な部分を上手く表現していて素晴らしいとさえ思った。ところが、実際に「味方」になったのは単なる「泣きゲ的カタストロフィ」ではないか。ヒロインをぶっ殺して喪失感を演出させて、最後までそれをネチネチ弄った挙げ句涙の射精に導くポルノ的構造だ。無論、それはとても良く書けている。だけれど、僕は今更鍵にこんなもの作って欲しくなかったのだ。これは一種の後退ではないのか。
82闇染Revenger -墜ちた魔王と堕ちる戦姫- (Escu:de)
エスクードと言えば、物語と融合したゲームシステムと、選択肢より物語への感情移入を巧みに操作するようなゲームナラティブによって世評の高いメーカーであったが、今作はそうした既存の魅力に加え「闇堕ち恋愛イチャラブエロゲ」とでもいうべき、新しい方向性の悪堕ちにチャレンジし見事に成功を収めたと言えよう。主人公が正体を隠しヒロインと接するジャンルのお約束を踏襲しつつ、その中で主人公が普通の恋愛ゲのようにヒロインの悩みを知りながら、ヒロインの悩みを突いて裏ではヒロインを凌辱し自分のモノにする「ヒロインを凌辱したいが、しかしそこまで酷い事はしたくないし、最終的には独占してイチャラブしたい」という非常に都合のいい純愛凌辱願望を満たしてくれてありがたや。そういう作品なのに、闇堕ち後のイチャラブエッチや描写がやや少ないという弱点もあるが、今までの闇堕ちゲーには純愛凌辱が足りないという人には垂涎モノの良作だろう。 → 長文感想(21314)(ネタバレ注意)
82QUINTUPLE☆SPLASH (Parasol)
パラソルっていうメーカーは、昔からわりと作風がコロコロ変わる不安定なメーカーで、さらに今作からは看板ゲンガーだった「ちこたむ」画伯も抜けて、なんかウリ要素あるんですかこれぇ?みたい微妙雰囲気が漂っていた今作だが、こういう時に限って良作がポンと出たりするからエロゲっていうのは面白い。水泳大会展開になりながらも、最後まで本当はもっと楽しいことをしたいー、主人公にいいカッコを見せたいだけーと、だらけイチャラブする亜美ちゃんシナリオや、アニキからお兄ちゃんまで兄妹の関係性の変化をシリアスを交え丁寧に描きつつも、根本的な所ではいつもお兄ちゃんに子供のようにじゃれ合っている姿を見逃さないい巴シナリオといった、イイ話や成長頑張りました話には収斂されない「水と弾けるようなイチャラブ」の毎日を軽やかに描いてる。貧乳ボディを煽り立てる着エロや何気ない日常仕草からのエロ移行といった、間接エロの強調も素晴らしい。 → 長文感想(40870)(ネタバレ注意)
82スクランブル・ラバーズ (Aries)
スクランブル・ラバーズとは実に作品内容とよくあった適切なタイトルだとおもう。まずスクランブルなのは各キャラルート毎に変わる各視点と物語のありようだ。棗ルートは基本主人公視点中心の「初恋」に相応しい、お互いの気持を確かめ合うドキドキ感が語られ、更紗ルートでは初っ端から更紗の一目惚れと籠絡意思が更紗視点でネタバレされたのち、しかし以降は主人公中心視点に戻り、更紗の天然気味なお上品エロ発言にドキドキするようなソフトM御用達シナリオへと逸れていき、桜子ルートでは桜子視点のドキドキだけが伝わってくるようなお話になって、優衣ルートでは主人公視点と優衣視点が双子のように分割され、お互いに思い合う気持が日常の中でゆっくりと語られていく。ただ、中心となる共通イベントやテーマ変奏によって各ルートはゆるく結ばれており、いい意味で萌えゲらしい夏時間が、全ルートの不器用な恋人たちから涼しげに伝わってくる良作である。 → 長文感想(25408)(ネタバレ注意)
82乙女恋心プリスター (Escu:de)
一週間かけてやっとコンプリート。結果的に途中感想の時よりもやや評価ダウンかな。やっぱ12人クリアはキツイわ。周回の度に敵能力が上がるから、6周ぐらいまではわりと楽しめるんだけど、9周ぐらいになると勝ちパターンがわかってしまうので作業プレイ化は避けられない。シナリオの方も、一国ごとに共通ルート7割、後半個別ルート3割といった構成なんで、後半のちょい個別シナリオをやるために2時間ぐらいのバトルはタルいぜと言う気分にだんだんなってくる。一国に物語を限定して、攻略キャラを3人ぐらいに絞ったら90点ぐらいの名作になっていたかもしれないねぇ。ただまぁ12人クリアはキツイけれど、1~5人くらいの気になるキャラを攻略する分には充分に楽しめる作品だとはおもう。なんといってもこの戦闘システムは神だろう。必殺技の組み合わせを練って「ずっと俺のターン」で相手を知的フルボッコする爽快さは他のゲームからは味わえない。 → 長文感想(12979)(ネタバレ注意)
82仏蘭西少女 ~Une Fille Blanche~ (PIL)
昨今のエロゲの作風に真っ向から対立する作品、と思っていたが「アンチ○○」レベルを超えた「怪作」になってしまったようだ。NTRや輪姦があるとかそんなレベルじゃない。そもそもこの作品は構造的に「ハッピーエンド」や「トゥルーエンド」といったものが存在しないのだ。物語的に幸せなエンディングはあるし、不幸なエンディングもある、だがそれらの量が膨大で「死んですぐ終わり」的なバットエンドだけではなく、それぞれのエンドまでに異なった長いシナリオがあるから、膨大なエンドがそれぞれ正しく見えてくるのだ。迷宮の「出口を探す」物語ではなくて、ただ「迷宮の内部をもっとよく知るために」物語の内部をさまよい続ける作品、といえば正しいか。その為「攻略フラグ」にユーザーの注意が向かい「物語」の印象が弱まりがちな嫌いがあり、普通のエロゲ好きにはお奨めしかねるが、普通のエロゲに飽きている方ならこの迷宮を堪能できるかもしれない。 → 長文感想(20368)(ネタバレ注意)
823Dカスタム少女 (Tech Arts3D)
一言で言うなら3Dエロゲの最高傑作。もう一言付け加えるなら、ぶっちゃけこれは最高のMOD製作ツールでしかない。やる事はカスタム少女のおっぱいを小さくしたり、大きくしたりする「キャラ造詣」だけで、一般的なゲーム性は皆無。犯ることも体位固定のファッキンがメインであり、これは動き、キャラの反応ともにイリュのゲームにすら負けている。だが、エロ以外の要素は殆どの面においてイリュを凌駕しているといっても過言ではないだろう。特にカスタム少女の可塑性は衝撃的。褒め言葉かどうかは微妙だが、毎回扱う作品によって絵柄を変えるエロ同人作家みたいな適応力がある。イリュのキャラめくは、どう弄っても「イリュの」ハルヒとか「イリュの」ミクのというふうに、元の「素顔」がどうしても意識されるが、この「カス子」は変幻自在とまではいかなくても、三十過ぎのお○さんがセーラー服を着ているような、イタプレ臭が全く感じないのだ。すげぇ。
82ふぃぎゅ@メイト (Escu:de)
ある意味とても正統的なエロ「ゲー」。初回BADエンドは当たり前。三回くらい繰り返しプレイしないと全体像が見えず、全コンプリートには会社や学校をサボるしかないと思わせる修行的な超絶フラグはエロゲ初心者を死に至らしめるほど。ファミコン時代の難易度に慣れた人ではないとこれを「ゲーム」だとは思えないだろう。バランスもいいとは言えず、ADV部分とゲーム部分の匙下限は微妙。前者のテキスト量がおおく、後者を早くやりたいのに(その場では)関係ないテクストを延々と読まされるのはちょっとツライ。中盤からはだんだん面白くなっていくが前半はやや苦痛。ここらへんは同社の「メタモル」より劣るといっていい。しかし、純ゲームバランスでみたらおそらく今年NO1。ゲームの推進力に育成&調教という単純なシステムを置きながら、その過程に複雑な攻略性が張り巡らされていて飽きさせない。物語の分岐も豊かで「暇潰し」には最適な作品である
82さくらむすび (CUFFS)
僕はヌルオタなので「音声なし」は基本的に減点対象だし、「☆画野朗のパクリみたいだなぁ」と最初マジで思ったCGも一枚絵自体は思ったより良かったものの、立ち絵が4パターンぽっきりという同人っぷりには減点せざるを得ないし、(これは減点対象には成らないものの)以上の「容量不足」の上で500MBちょいのDVDを見せられるのも何だか気分が悪い。ただ、その分というわけではないけど、シナリオは結構良いとおもう。水月みたいな「難解な」解りやすいフックがないのでテンポは早くないし、かといってそこらへんの萌えゲーのような直線的シナリオでもなく、作品考察スレで盛り上がるような分析ネタ提供作品でもない、なんとも言いがたい不思議な作品であるけど、気楽に読むぶんには面白い作品ではあると思う。(シナリオB エロB-) → 長文感想(4542)(ネタバレ注意)
81ランスIX -ヘルマン革命- (ALICESOFT)
ここ数年のアリス作品の中ではいちばん面白かったし、少なくともランクエマグよりも良い出来なのは間違いなく、ランスシリーズの中で始めてランスらしいキャラ萌えとエロを描けた作品としても高く評価はできるのだが、しかし「シリーズ最終作の一つ前の作品としては……」とは言いたくなるのもまた事実。作品の狙いとしては「ヘルマン革命」というデカイ事件を通じて、ランスサイドでは既存&新キャラのキャラ萌えを、パットンサイドでは聖魔教団の話と男キャラたちの熱い友情を描くという形で、それはわりと成功しているとおもう。ただ「ヘルマン革命」という大きな物語なのに、個々のキャラの絡みは室内楽的に声部が浮き上がるものの、登場人物たちが革命という一つの目的に向かって集団としてクレシェンドしていくような交響曲の如きマッスの勢いには欠けていて「敵の兵力10000倍」の煽りよりも「ランスの子供が何倍に?」の方が適切な作品ではある。 → 長文感想(23871)(ネタバレ注意)
81MeltyMoment -メルティモーメント- (HOOKSOFT(HOOK))
HOOKまたはその系列は、だいたい2年前くらいから今までの紙芝居ゲーの基本を押さえつつも、例えばPITとか本編と並行して語られる2ch風空間を作ってみたり、また主人公の方から積極的にヒロインに近づく物語を語るべく、積極的な選択肢をメインにした作品を作ったりと、紙芝居ゲーの「小改良」によって今までの作品では語りにくかった空間なり物語に子供チャレンジしているわけだが、この作品は良くも悪くも「小改良だけじゃ済まされねぇ」レベルにまで踏み込んでしまっているように思える。「時間差MAP移動」という「ヒロインの一日の行動がMAP上で示される」形式を使って、HOOKお得意の日常描写を強化しようとしているのだが、それがある意味上手く逝きすぎた為に、既存の「共通シナリオ」とのバランスが崩れてしまっている。まぁ他部分はいつものまったりHOOKで良いのだが、幼馴染みの新たな一面にドキリとさせられる作品でもある。 → 長文感想(32837)(ネタバレ注意)