アナベル・リーに憧れて

アナベル・リーに憧れて(ボーカル有り)
再生時間 00:04:28
初出日 2007年08月31日

商品

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恋夏 ~れんげ~ ボーカルアルバムボーカルコレクション

ゲーム

画像ゲーム名ブランド名発売日カテゴリ
amazon恋夏 ~れんげ~JOKER2007-08-31ED

音楽得点分布

得点度数グラフ
1002
90~990
80~892
70~791
60~690
50~590
40~490
30~390
20~290
10~190
0~90

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コメント(新着順)

あの夏に行ったプールの塩素に体臭と、しなびた本の甘い匂い。

 歌唱・遊女、作詞・一石楠耳という、闇;灯コンビの世界観が色濃く出ている楽曲。闇;灯については「虚言」を聴いて、この作詞もう天才すぎるっ!と叫んだところ、普通に天才だったというオチで出会った (※太宰の「駈込み訴え」を元にした歌です)。されど「ユキミチ」などで一石楠耳の書いた詩の、どこにも寄る辺なく途絶えていたうつくしさも、やはり一点ものでして。「切符は二枚ある。ただ、雪が。雪が――あぁ」 名曲だ。

 ちなみに全体的になんか昭和臭い。Innocent Grey作品あたりなら霜月はるか・MANYOを起用しつつ巧いこと脱臭してみせるような昭和だけを、わざわざ拾いあつめてこっそりしまい込んだ面持ちをしてらっしゃる。
 本作「アナベル・リーに憧れて」もまた、哀愁を大音量でふりまくギターとか、これ見よがしな感傷に浸ってるストリングスとか。そこにのるボーカルは若干しゃがれたハスキーで、しんどそうにため息つくみたいで、それでも振りしぼるように歌って。何か全体的によれてくたびれきった楽曲だと思う。ところがこれ、さらに古くも古く、ポーの詩をモチーフにした青春ソングなのでして。なにやら、2007年のエロゲソングからぷんぷんと臭ってくる昭和の情感が、さらに憧れに焦がれていた百代の夢といった風情で、あの夏、あの夏のプールの塩素の匂いと、古びた詩の甘い匂いが混ざって、もう年代ジャンプしすぎでよくわからない。そうして時間の見当識を失ったところに「あなたを思い出してね」強迫症じみたフレーズを繰り返すかと思えば、「プールではしゃいで。海いこうね、とか」ほんの小さな心残りをふっと洩らしてみたりする。いまだ幼すぎて何者にもなれず、アナベル・リーの美しい悲劇に自分を重ねてカワイソウカワイソウしたがる、文学の慰みにすがっては貶めてしまう心情だけはすごく卑近なもので。わかる。そうした青臭くてサマにならない弱さを、J-Popのごとく全米が号泣しすぎなストリングスやら、遊女のなよなよ愛おしそうな呟きがナチュラルにえぐってくる。浴衣とか神社とかはおろか、蚊取り線香にすらもなりきれない風俗、日本のすみっこで湿ったまま消えた夏の空気がなつかしくて。いくつかの懐古趣味と、自身の十代のなけなしの記憶が入り混じってしまい、心をさらわれた。

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