oku_bswaさんの「PULSE」の感想

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75PULSE
“それ”は粛々と鼓動を刻み続ける。
世界構造に迫る物語。意味深な冒頭から始まり、何の変哲もない学園物が始まったと思いきや途中からその雲行きが怪しくなり、意味深な展開のまま突如幕を下ろす。いざ仕切り直して二周目を始めると、これまでと同じような日常ながらもそこには彼女がいない…。
展開にプレイヤーを引き込む吸引力があり、最初から最後まで一気にプレイしてしまった。
そこから一人二人と攻略するにつれて更に謎が深まっていき、最後のルートで全てが明らかになる。「この世界には何かある」というのが早い段階から暗示されているので、種明かしの場面は驚きよりも納得した部分の方が大きかったが、今まで感じてきた違和感や疑問が一つの真実に収束していく感覚はいつ味わっても良い。

明かされた舞台設定は5時間程度のボリュームでは到底収まりきらない程壮大なものだった。実際ともと夕哉が出会った後にどうなったのか、エルと黒は再び夕哉に出会うことが出来たのか、朝霞が目を覚ますことはあるのか…などなど、語り切れていない部分は数多くある。ただ、この語らなさが物語に深みを与えているというか、投げっぱなしではなくあえて語らずに終わった感じがして、余韻のある読後感を残してくれた。そのため個人的にはあまり消化不良という感じはしなかった。

最後の×××××は中に入る文字が平仮名なら「くどうおん」(駆動音)なのかなと考えた。
むしろPCから発生する音で、普通は時計の針のような規則正しい音ではないといったら駆動音くらいしか思い浮かばなかった。また、逆説的に考えてもパルスを認識しているのはエルや朝霞のように世界の仕組みを理解している人に限られているので、パルスというのはPCの駆動音のような現実を意識させるものなのだと思う。

既に終わりを迎えた現実の中で、彼らを構成しているPCだけが時計のように粛々と音を刻み続ける。ただし、永遠の時計(先月発売した某作品を意識)が存在しないように、それもいつか必ず終わりがやってくる。パルスとは彼らにとって死へのカウントダウンに等しい。
作られた存在であり、やがて終わってしまうのだから全てを無価値と決めつけ歩みを止めるのではなく、彼らは自分のしたいことに従って、この終わりゆく世界に価値を見出しながら生き続ける。彼らの物語(旅)はまだ始まったばかりなのだ。

……なんて考えると『PULSE』というタイトルもより印象的に感じられるし、終わり方としてもこれからの物語をそこにいる「人間」の意志に委ねている感じがして、これで良かったのだと思える。
設定の壮大さに比べて小さく纏まっている感じは否めないけれど、全体がよく練られた良い作品だったと思う。

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