MetheMailさんの「もしも明日が晴れならば」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

感動させようという意図が透けて見える。求められるのは思考停止。しかし不快だとは思わない。ずば抜けた長所はないが、安定感がある。
死んだ恋人が”幽霊”になって会いに戻ってくるというオカルトシチュが鼻につく。
その割にやってることは非常に地味。
避けようのない別れを目の前にしてつきあう二人。
テーマそのものは『加奈 -いもうと-』(D.O.)以来扱われたテーマである。
当然今更目新しさは感じない。
しかし二番煎じの謗りを受けないであろう頑張りはみてとれた。

ストーリーのフックとなるのは恋人だった明穂の妹、つばさ。
主人公と明穂の両方が好きで、しかし主人公を奪った姉を憎んでいる。
そうして、そんな自分のことが嫌いでたまらないという設定だ。
このゲームのヒロインたちは、大なり小なり皆似たような想いを抱えている。
明穂・主人公というカップルを認めつつ、そこに入っていきたいヒロイン達。
主人公と別れたくないが死んでいる自分は身をひくべきと考える明穂。
理性と感情の相克は、友情と恋愛という対比構造に収斂される。
もっとも”男女間の友情”ではなく、”女性間の友情”である。

確実に迎えるであろう破局へ向かって進行していく時間。
穏やかな日常の中に漂う、ぬぐい去れない暗い雰囲気。
キャラクター間での感情のやりとりが切迫していく。
昼メロのようだと言えばその通りかもしれない。
だが、それなりに緊張感あることを、無下には否定はできない。

つばさの感情は、「生きていたら大げんかしていたかも知れないね」という一点に集約される。
そうして、常に明穂の死が契機となっている前提がある。
つまり恋敵の間に友情は存在”できない”ということだろうか。
しかし、日常のバリバリ友情劇を見るとそれは信じがたい。
別に明穂が幽霊じゃなくてもうまくいってたんじゃないかと思える。
底にあるのは友情でも恋愛でもなく、広い意味の愛情だ。
人と人との間を渡すものは愛情に他ならないというメッセージは青臭い。
出会いと別れ、人と人との絆を美しく描写した、露骨なお涙頂戴である。
しかしそれゆえに、雑味の混ざらないすがすがしさも感じさせる。

グラフィックも音楽も、魅力たっぷりだ。
オカルトは正直蛇足だったと思うが、食べられない程エグい味付けではない。
共通ルートが長く、文章も冗長なためややダレる部分もあるが、十分な一本。
安くないお金を払って損をしたとぼやくことはない。

(オススメ度…★★★★)
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