amaginoboruさんの「とらいあんぐるハート2 ~さざなみ女子寮~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

123DVD EDITIONでプレイ。たった8ヶ月の間に一体何があったのか、前作とは比べ物にならないレベルの良作に。萌えゲーとして著名な作品ですが、様々な「愛」をテーマにした各ヒロインのシナリオも見所。あっさり味ながらテーマのしっかりした物語です。爽やかな同居系エロゲがプレイしたい方へ特にオススメ。今からでも十分楽しめます。
叔母の頼みで女子寮の管理人としてバイトしに、という同居系エロゲの王道展開。
決していい感情を持たれていない主人公が少しずつ心を通わせて、管理人として
住人との絆を深めていく物語です。後半はもちろん特定の娘と更に仲を深めます。


寮で女の子との生活といえば「この青空に約束を―」などを筆頭に多数ありますが
それらに比べると本作は、かなりのさっぱり味です。
キャラ同士の掛け合いや各種イベントの回数は少なめで、イベントの内容自体も
必要最低限だけ見せるので尺は短め。
ラッキースケベなど、エロ系イベントも個別に入るまでほとんどありません。

ですが、必要な部分はしっかりと書かれており、淡白という印象は全く受けません。
昨今のエロゲに比べ、余計な贅肉を削ぎ落としたかような作りで展開が早く
もっさり感やクドさを感じさせず、スルスルと読み続ける事ができました。
それゆえ1プレイの時間は短めですが、物語の要点やキャラの魅力はしっかり伝わってきますし
攻略対象も多いので物足りなさも感じません。(シナリオの出来にムラはありますが。)

また、さざなみ寮の雰囲気がプレイヤーを温かな気分にさせてくれますが
押し付けがましくないのも特徴の一つ。
箱庭ゲーや癒しゲー、雰囲気ゲーによく見られる「楽園の素晴らしさ」や
「雰囲気の良さ」を執拗に強調することがありません。
日常生活や人間描写を簡潔に、しかし勘所をしっかり抑えることで
プレイヤーに自然と「いい空気だなぁ」と思わせてくれるのがさざなみ寮です。

強引さはなく簡潔に、サクサク進み、それでいて十分な満足感を得られるエロゲ。
とらハ2一番の魅力はここにあります。
ド派手な展開や、号泣を誘うような物語を好む方には不向きですが、暖かい雰囲気が
好みで、かつさっぱり味がお好みの方にはお薦めできる作品です。

ただエッチシーンだけは惜しいことに、前作より淡白になってしまっています。
今回もヒロインごとに複数回ありますが、徐々に上手くなっていく感がないというか
シナリオ重視エロゲによく見られる微妙なシーンに。
前回は多くのキャラにあったピロートークも僅か3人のみ。
2桁を越えるヒロインに対応しきれなかったのでしょうが、ちょっと残念でした。



以下、シナリオとキャラについて雑感。





◆愛
なぜ家族が愛しいのか、孤独・思い出・後悔・忘却をテーマに語っています。
祖父のミニバンを用いた見せ方は良かったし、最後はさざなみ寮らしい締め方で
終わりますが、テーマに対する回答としてはぼかし気味でした。
私は10割回答じゃないこちらが好きなのですが、はっきりした回答を出している
とらハ3~おまけシナリオ3の方が人気はあるでしょうね。



◆ゆうひ
男女1対1の、出会って間もなく恋に落ちる純愛モノ。
出会いからイチャラブの中盤、そして留学ネタと王道中の王道です。

ゆうひのパーソナルも同じく王道。音大生で、歌い手の卵で、正統派美人。
服装も大人らしさと可愛らしさが同居した、シックでオシャレな雰囲気。
恋人を最優先に考えて行動し、他の娘に優しくすればやきもちも焼く。
年頃の娘さんらしい目敏さから気配りもバッチリ。
まさに直球ド真ん中の鉄板キャラですね。

シナリオ自体の出来は良好。起承転結をしっかり抑え、イベント配置も的確です。
2人の間柄が深くなる過程を、急がずダレず丁寧に書いていて、シンプルながら
全キャラ中でも群を抜いて高いクオリティを誇ります。
「愛」の代名詞ともいえる「恋愛」の王道を、上質に仕上げた物語です。
(やや普通ではない気もしますが、他シナリオに比べ、ということでw)

とまぁ、コレだけでも十分良質ですが、他シナリオの引き立て役としても貢献しています。
「普通」を丁寧に見せる事で、他のヒロインが見せる「愛」の特異性や「普通」との差異が
より明確になっているんです。
もちろん他シナリオとも比較は可能ですが、比べるならテンプレート相手の方が分かりやすい
ですし、比較元のクオリティも高ければ高いほどいい。その辺をゆうひシナリオはハイレベルで
クリアしています。

他シナリオのベースメントとしても良し。単品として見ても良し。
主役と脇役を兼ねた、よく出来たシナリオだと思います。



◆知佳・真雪
姉のおかげで実質メインシナリオ2つの知佳。優遇されすぎです。
リスティとのやり取りも悪くないのですが、やはり真骨頂は姉妹愛でしょう。
真雪シナリオ最後の「和解シーン→過去の回想全貌→ラスト1枚絵」の流れは
本作らしからぬ演出ですが、グッと来ました。

とらハ2には珍しく、キャラの個性を繰り返し描写して、ラストの演出を
盛り上げる、昨今のエロゲに近い展開でした。
総じてさっぱり味の中に、1つだけアクセントのように濃い展開だったのも
真雪シナリオが楽しめた理由かもしれません。

加えて知佳は妹キャラとしても魅力的ですね。
家族のような気の置けない関係がとてもいい雰囲気を出しています。
いい子ちゃん一辺倒でもなく、お兄ちゃんラブラブでもない、あっさりと
しながらも関係の深さを実感させる義妹でした。



◆ななか
一番好きなシナリオです。
無償の愛を貫く耕介は、雨宿りできる庇のような存在ですね。
雨が止んだら勝手に出ていっていいよ、みたいな。

ななかの事は好きで、あらゆる面で助けてあげたい。
でも、自分が彼女から得られるものはないし、求める気もない。
そんな関係にマイナス感情はなく、むしろ満足感すらある。
エッチもななかを求めてするのではなく、彼女が求めるからする。
そこに恋の感情こそありませんが、愛情は確実に見て取ることができます。

相思相愛だけど、相思相恋ではないし、愛の形も異なる。
ななかに至っては、そもそも恋愛感情ですらない可能性が非常に高い。
だけどそんな愛(=恋人関係)もアリじゃないか、という物語です。

面白いのは、耕介がパートナーとして求めてくれるよう、彼女が精進する点。
相手に必要とされていないのを承知の上で、真っ向正面から解決に努めています。
2人のその後が書かれないのもまたユニーク。どうなるんでしょうか。
なんとなく対等の関係になる前に、ななかの情熱が冷めそうな気がしますが
それでも耕介は満足なのでしょうね。


私的にはこのシナリオが、本作の面白さを最も的確に伝えていると感じました。
尺は非常に短く、イベントもポーチを探したり、指輪を買ったりとごく僅か。
お互いの胸の内を吐露するシーンもごく僅かで、押し付けがましさはありません。

しかしポーチにお金をこっそり足したり、必要以上にななかへ良くする場面など
最低限のやり取りを見せるだけで、耕介のななかに対する感情や、2人がどんな想いで
恋人となり付き合っていくのか、その心情が明確に伝わってきます。
加えて、ゆうひを始めとした他個別シナリオの「愛」と比べることで、シナリオの持つ
テーマが更に明確になっています。
十数年以上前の作品ながらクオリティの高い、見事な物語の見せ方です。
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