TsukimiyaYukitoさんの「Tears to Tiara」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

 中盤におけるストーリーの盛り上がりとハーフリアルタイムバトルが楽しかったファンタジーRPG。惜しむらくは、ヒロインの存在意義が弱かったことでしょうか。
1. ゲームデザインについて
1.1. 充実したハーフリアルタイムSLG
 ハーフリアルタイム制の戦闘パートは程良く緊張感をもって遊べました。魔法攻撃も敵
味方を巻き込んで発動する本格的(現実的)な仕様で、手動操作では思ったように攻撃で
きずオートバトルに頼りきりになるプレイヤーも多いと思います。基本的にはオートバト
ルの方針を決定するだけで十分勝てます。しかしながら、最高難易度の「無理」モードと
もなると、中盤以降はオートモードに頼りすぎるとあっさり敗北します。適度に指示を出
して勝利できるバランスとなっており、煩雑さを感じることなく楽しめました。


1.2. プレイアビリティに不満あり
 一方で、そのプレイアビリティ自体はあまり高くありません。味方に回復アイテムを使
用するときにユニットが重なっていると対象を選択しづらいですし、障害物にユニットが
引っ掛かることもたびたびありました。その他にも、仕様と割り切るしかない細かい不満
が多数あります。

 なお、(話題は少しずれますが)本作には兵站所というものがあり、ゲール族の民を傭
兵として雇ってレベル上げと転職を繰り返すことで最強ユニットを作成出来ます。しかし
ながら、実のところ存在意義がとても希薄でした。同時に出撃できるユニットの上限が8
名なので、名前のある主要キャラクター9名以外の汎用キャラクターを使う場面はほとん
どありませんでした。




2. ストーリーおよびキャラクターについて
 世界観としては、剣と魔法のファンタジー世界において、ローマ帝国に支配されようと
するブリテン島を描いているイメージでしょうか。物語は「支配からの解放」から始まり、
やがて「創造主への反抗」へとスケールが大きくなっていきます。
メインストーリーはアロウンとプィル(あるいはアルサル)との友情であり、女性ヒロイ
ンの活躍の場があまりありませんでした。えっちシーンもレーティングの要請で挿入され
たものばかりで、存在意義が薄いものばかりでした。


2.1. 分断された仲間を助けにいく場面が最高
 本作のストーリーはRPGとして遊ぶには十分なシナリオだったと思います。序盤で拠点
を手に入れて以降に中弛みも見られますが、中盤から終盤にかけてこの物語は大きな盛り
上がりをみせます。アヴァロン防衛戦において、指揮を執るリアンノンや、タリエシンに
助力を求めるアルサルには感動して泣いてしまいました。青銅の時代(過去編)において
プリムラを救い妖精王プィルと理想国家を目指す場面も良かったです。


2.2. ハッピーエンドはご愛敬
 その一方で、いくらか勿体ないと思う事項も多かったです。
 ●アヴァロン防衛戦以降、ガイウスのような親しみやすい敵役が存在しなかったこと
 ●後半に世界の核心を明かすADVパートを集中させたため、SLGをプレイしたい者にとっ
ては若干退屈になること
 ●神から世界の創世を託された12精霊についての設定は良いが、まだレクトールを倒し
た(追い払った?)だけであり事態は解決していないこと

 なお、おまけである「リーフの塔」は本編よりも圧倒的に難易度が高いです。主要キャ
ラクターのレベルを最大まで上げ、ドロップアイテムの隠し武器を一通り揃えてなおギリ
ギリの戦いを強いられるとは思っていませんでした。


2.3. 主人公達について
○アロウン
 彼の周囲には頭の弱いゲール族やヒロインが多くいるため、より格好良くまともな主人
公に見えます。本作では多数の妻を持つ彼ですが、ゲール族にとっては絶対なる族長、妖
精族にとってはかつての救世主であり、ヒロイン達から好かれるのは体質的なものとして
深く考えない方が無難です。

○アルサル
 アルサルの成長を見届けるのがこの物語における主題の1つです。誠実なアルサルが部
族の掟や誓約を守ろうとするのは、彼にとっては当然のことです。ですが、成長を印象づ
けるためかその価値観をアロウンやオガムの視点から否定的に描いているため、プレイヤ
ーとしてはそんな彼を煩わしく感じてしまいます。

○リアンノン
 妻らしくあろうとするリアンノンがとても可愛かったです。メインヒロインとしての活
躍は、冒頭でドルウクに生贄にされることと、アヴァロン防衛戦で指揮を執るくらいのも
のでした。プリムラの生まれ変わりとしてメインストーリーに十分関わりえたはずなので
残念で仕方ありません。
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