gggrrrさんの「加奈…おかえり!!」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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「霧原須磨子」という女性が、加奈に与えた影響の重さが心を打った。
この「加奈」という物語は、他ではあまりないギミックが施されています。
全体の構成が「幼少期」「中等期」「高等期」に分かれており、この前2つの時期に主人公が取る行動によって、加奈の人格形成が変わってくる、というのがそれです。特に中等期の影響が大きいです。

公園で遊ぶ、マンガを読むなどのアクティブな行動を取ると「活発」な性格に。

水族館へ行く、学術書を読むという知性派な行動を取ると「知的」な性格に。

これによってEDが分岐します。「活発」ルートだと、奇跡が起こり加奈が助かるHAPPYENDがありますが、「知的」ルートではどのEDでも加奈は亡くなり、かつ話の大筋もほぼ同じです。

しかし、私はこの加奈の「活発」と「知性」の性格の違いは、主人公と加奈の叔母にあたる「須磨子」という女性と交流したか、そうでないかにあると思っています。

須磨子さんは、乳がんを患い入退院を繰り返し、乳房の切除すら行っています。そして末期ガンの患者としてホスピスに入っている。この人と、「活発」ルートの加奈は出会っていません。しかし、「知的」ルートの加奈は彼女と深く深く交流します。共に死病を患う者同士、そして加奈と出会った頃の須磨子さんは、様々な葛藤を整理した状態にありました。そんな須磨子さんの存在は、思春期の加奈になによりも大きな影響を与えたことでしょう。

私は、「知的」ルートの加奈の行動は、多くの面で須磨子さんを参考にしてるのだと思います。自身の死を見つめ、自分のやりたいことはないか、自分のとって大事なものは何か。須磨子さんは自身の死をみつめた結果、「夫と娘との時間」を何よりも尊重し、それ以外を、キャリアウーマンとして生きてきた自分は切り捨てた。彼女は自身の最後の在り方を「妻」と「母」に絞ったのです。それ以外を選ぶと、何もかもが中途半端になるとわかっていたから。

「死を見つめる心が育たなければ、いざという時に納得できないまま人生が終わってしまうかもしれない」

 作中の須磨子さんのセリフですが、彼女は自身の姿を加奈に見せることで、彼女にそのことを教えていたのだと思います。だからこそ、「知的」ルートの加奈は自分の大切なものにのみ、残った人生を使ったのだと思います。

「narcicisu」のセツミにとっての姫子さんが、加奈にとっては須磨子さんだったのかと思います。

「活発」ルートは…… じつはあまり覚えてません。自分にとってこの「加奈」という物語は、須磨子という女性と出会い、死に向き合って生きることをした少女の物語、という位置づけなので……

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