amaginoboruさんの「虹を見つけたら教えて。」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

どんな鬱要素もパッパラパーな主人公が笑いに変えてくれる素敵な作品ですね。数々の迷シーン迷ゼリフが乾いた笑いや、クソゲー的な笑いを提供してくれます。一方で悠紀シナリオを中心に光る部分もちらほらと。欠点だらけですがそれ自体を存分楽しめますし、長所は長所で普通にハイクオリティ。そんなエロゲです。なお長文はパッパラ主人公のせいで草(w)連発しています。あらかじめご了承ください。
共通ルートは普通なんですよ。雨の中服着てはしゃいでる年頃の娘を自宅に連れて
帰ったり、水浸しになった畳部屋が掃除機1つで乾いたり、統合失調症や喫煙者マナーには
真摯なのにファミレスのバイトにハムスター同伴だったりするぐらいで。
この程度気にしてたら、たい焼き食い逃げなんて絶対に許せない。エロゲでは普通です。うぐぅ。

真面目な話、共通ルートは悪くありません。晴香は万能な正統派ヒロインで、
悠紀は妹系元気っ娘かわいい。音海は煙草でのやりとりがカッコよく、掛け合いもテンポが
良い。主人公・颯斗も現時点では普通のエロゲ主人公。キザったらしい面はありますが
色々と考えている好青年です。

しかし晴香と恋人になり、鬱病患者のスイが行方不明になった後待っているのは、
カオスという名の個別ルート。
鬱ゲー目的でプレイしている人は激怒し、精神患者のヒロイン目的で購入した人は
ガッカリ感に打ちひしがれる、実に凄まじい内容でした。
いや、良い部分も多々あるんですけどね。



◆音海
絶望にくれる颯斗をセラピストとして癒そうとしてくれる音海。しかしその方法が
「私と・・・付き合うこと・・・かな?」
既に彼女がいる颯斗君ですが返事はOK。あぁ浮気ルートなのね、と最初はタカをくくって
いました。

しかしクズっぷりはここからが本番。晴香から連絡をなおざりに音海と遊びまわる颯斗。
初エッチ時は情熱的だったのにその後はポイとか、なかなかのスケコマシっぷりです。
直後の飲み屋シーンは更に酷い。


音海「アンタと晴香さんは、付き合ってるのかって聞いてるんだよ!」
颯斗「確かにそうさ。ああ、付き合ってたさ!」
音海「アンタ、アタシをたぶらかしたのかぁーッ!?」
颯斗「『たぶらかした』ってなんだよ。そんなこといつ俺がしたんだ!」 ←www

颯斗「いいか!晴香から俺に言い寄ってきたんだ!」 ←www
  「女に言い寄られりゃ、当然その気にもなるさ!」
音海「なんだと!じゃあ何かい!アタシがアンタに付き合うことを言い出したから!
   スケベ心を出してここにいるってのかい!?」


颯斗「そうさ! ああ! 俺は優柔不断な最低男さ!」 ←wwwww


何これw
このクズ主人公、最低どころの騒ぎじゃなくね?
ちなみに生中ぶっかけられます。ざまぁ。
しかし直後の慰めで


颯斗「もう晴香とは付き合ってないよ。俺は音海さんがさ、好きなんだ」 ←バッチリ付き合ってます。
音海「アタシが付き合おうって言った時に『晴香さんと付き合ってるから』って
   言えばよかったじゃない!分かってんだろ!私の気持ち!アンタが好きなんだよッ!」
颯斗「わかってるよ!そうだと思ったさ!俺は決して鈍感じゃねえ!」 ←www

――咄嗟に、音海の唇へキスしてしまった。

颯斗「晴香が俺の事を好きなのはずっと前から判ってた。でも」
  「やはり晴香の気持ちには応えられない。何故ならば、俺の方から
   好きになったわけじゃないんだ」
  「音海さん、俺と付き合ってくれませんか?」


ハイ落ちたー。音海さん、チョロインすぎやしませんか?
つーか颯斗も、晴香に可愛いと思ってたとか好きだとか散々ささめいてたよね?
っていうか音海も向こうからの告白だよね?晴香と一緒だよね?
嘘八百並べて女をたぶらかす最低主人公のいっちょ上がりです。この後ラブホ入りしますが


音海「アンタはこういうの、長けてんだろ?」
颯斗「失礼な。俺だってこんなの初めてさ」
音海「晴香さんとは?」
颯斗「ある筈ない」

――ラブホに入ったのは初めてだが、晴香とは抱き合っている。
  しかし、わざと経験がないような言い回しをする俺。 ←ここまではまぁいい。良くないけど

――現に一度だけの経験で、長けている筈もない。 ←心中でも言い訳w


実にクズいですね!
その後も「一度きりとはいえ、あの時に(晴香を)抱いてしまったのは大きな判断ミス」とか
のたまってるし、いやもう何とかしてくださいコイツ。
まぁでも音海には「ああ!絶対に!生涯守っていく!」って言ってるし、納得しておきました。


なおエロシーンのやり取りで

音海「もっと!もっと激しくしていいよっ!」
颯斗「よしぃぃっ!」 

よしぃぃ、ってなんですかw
こういう面白セリフが散見されるので、エロシーンも飛ばさず見るのをオススメします。



そして晴香の愁嘆場。音海シナリオは激しいやり取りはありません。しかし


晴香「約束したじゃなぁぁい・・・!あんなに気持ち伝え合ったじゃなぁぁいぃ・・・!」
晴香「嫌よぉぉ・・・、このまま貴方が離れていくなんて嫌よぉぉ・・・っ!」
颯斗「晴香っ!」

――もう晴香の泣き顔を見たくなかった!
  俺の体制が整うと、自ら股間へ肉棒を挿入する晴香。
  そんな晴香の想いに嫌悪感は抱けない。

  むしろ、ここまで俺を欲してくれる晴香に、音海と付き合うか
  晴香と付き合うか、心揺らぐ気持ちになってくる。
  晴香が好きなのか、音海が好きなのか、判らなくなっていた。 ←ちょ、おまw

  (自分のしている行動は、間違いだらけなのだろうか?) ←www


ク、クズすぎる・・・!
ちなみにこの後、少し葛藤してから音海とスイ捜索に乗り出します。
すげぇ、躊躇いもなく一緒にいられるんか。

続いてのイベントはスイの捜索。街中で発見し追いかけると、そこには陵辱された姿が。
レイプ目で呟くスイが痛々しい、鬱イベントなんですが、ここで我らが颯斗さんのセリフ


スイ「お金・・・ください・・・」
音海「ぁ・・・ぁぁ・・・」

颯斗「なんという!」


なんという、って何だよw
凹む展開のはずなのに吹いたんですが。どうしてくれるこの気持ち。

以後はスイを保護しつつ晴香との三角関係を清算しようとする颯斗。
しかしここでスイが行方不明に・・・
ってまたかよ!もう4回目だよ!管理甘すぎるよ! ( ゚д゚)

スイ捜索中に再び現れる元カノ晴香さん。レイプ魔いる繁華街に音海を一人でやり、
自分は晴香と決着をつけることに。
別れたくない一心で詰め寄る彼女にタジッタジのヘタレうんこだが、ようやく振り切り
スイ・音海の後を追走する。遅いよすぐ振りほどこうよ!w
このあたりで颯斗くんのモノローグが挿し込まれるのですが。


――スイがどこまで正気を持ち、どの範囲から無表情なのかはわからないが・・・!

            弱者の弱みを潰し続ける連中を!

                  俺は!

             殺しても殺したりない!!!!


うん、その通りなんだけどなんでだろう。お前が言うなって気持ちになる。
いきなり人格者に早代わりする颯斗君の白々しさがまばゆく見えます、不思議!
つーか弱者を女に変えたらまんまあなたのことですよね?


で、直後に出くわす「音海」のレイプ未遂シーン。ちなみにスイは事後。
ここはBGMもいい具合にテンション上がってアツいシーンです。
このゲーム音楽は文句なしにいいです。コンポーザーさんはファルコムとか好きそう。
チンピラのセリフも外道臭くてグッド。

負傷するも二人を助け出した颯斗。数々の不幸に心が折れた音海を慰めるのですが


音海「スイにまで見捨てられ、スイを守りきることすら出来ない私よ!」
  「晴香さんのことだってそうよぉぉ・・・!嫉妬ばかりの毎日で!貴方へ癒しを
   求めることなんて出来ない!!」
  「こんなに辛いことがある毎日ッ!悩みばかりの毎日なんて! もう嫌ぁぁ・・・!」

――音海の本音である。 ←冷静すぎる颯斗君w



結局音海は立ち直ることが出来ず、スイと共に異国の地へ高飛び。
空港で見送り帰路に着く颯斗ですが、目の前には晴香の姿が。


颯斗「お嬢さん・・・」
  「ナンパですが、これから一緒に・・・」
  「お茶でもしませんか?」

晴香「・・・はい!」


ありえねぇぇ!乗り換えやがったですよこのクズ野郎!?
晴香も晴香でまだコイツについていくの?ねぇなんで?
いやーホント、クズすぎるウンコ野郎でした。このEDが一番面白かった。

なお他のエンディングは「2人で身投げ」「スイ・音海と三人で生活」「2人で田舎に篭り、
ウェディングドレスを着てセックス」の3つ。
ドレスEDが歌流れるのでトゥルーっぽいですが、あまり幸せじゃなさそう。



◆悠紀
貧乏ながら必死にバイトし、病弱の母親を養う貧乏少女。唯一の肉親である母親が
逝去してからルート突入です。彼女の展開はかなり暗い状況からスタートします。
苛立ち紛れに晴香への嫉妬が爆発し、颯斗に詰め寄る悠紀。「どっちが好きなの!?」

不誠実さに定評のある颯斗君。場の勢いで悠紀を選び、その後晴香と悠紀の間を
フラフラと。晴香に大好きだといい、悠紀に愛してるといい、さすが期待を裏切り
ません。


悠紀「約束してよね。もう晴香さんに浮気しないって・・・」
颯斗「俺は晴香を抱いていない」 ←これだよw
悠紀「今更、そういう嘘つくなよぉ・・・。ますます傷つくぞ」 ←もちろんバレバレ
颯斗「ごめん。でもな、晴香を抱いたのは今まで1回だけなんだ。
   これホントだからな。信じてくれよっ」 ←バカwww

ここの焼き鳥屋のエピソード、地味にいい雰囲気なんですけどね。
うんこマンがぶち壊し。
そんな悠紀シナリオの動き出すのが、母親の葬儀から帰宅したあと。
これからの生活に相談しているところに、いきなり響きわたる悲鳴


悠紀「あぁーーーーっ!」
颯斗「おい大きな声を出すな。」
悠紀「ちろたん!」 ←相棒のハムスターを放置して帰郷。もちろん死亡
颯斗「ゲッ!?」

悠紀「ちろたぁぁぁん!」


ち、ちろたぁぁぁん!
・・・っておかしいでしょそれ!?忘れんなよ !(;゚д゚)

私はペットを飼ったことがないのですが、あまりにもショックな出来事が起きると
ペットの事は完全に忘れてしまうものなんです?唯一の肉親が死去したとはいえ、
今まで相棒的存在だったちろたんを放置とか、ありえなくないです?
いやそれ以前に老衰とかでいいじゃんっ。なんで「エサ忘れ」なんてギャグを挟むのさ!
笑いを取りにきてるとしか思えないんですけどっ。

クオリティの高い緊迫あるBGMがまた笑いを誘うんですよ。全力でボケに来てますw
一方で颯斗君も自分の仕事は忘れていません。

颯斗「俺ともあろう者が・・・っ!うかつ過ぎたッ!」

これ心境じゃなくてセリフなんですよ。
どんだけ自信過剰なんだよこのウンコマンはw



さらに晴香襲来という追撃イベント発生。悠紀のストレスが爆発し、修羅場へと
もつれ込みます。

悠紀「晴香さんがおにいちゃんを取っちゃうのは嫌だもん!そんな泥棒は敵だよ!」
  「私のこと『悠ちゃん』なんて呼ばないでください」
  「お母さんも・・・。ちろたんも危なくなって・・・。スイちゃんだって居なく
   なった上に・・・。晴香さんはそんな私から、おにいちゃんまで取るつもり
   なのですか?」

えー晴香さん全然悪くないじゃん。つーかちろたんは自分のせいw
いくら不幸で気が立っているとはいえ、この辺はさすが颯斗の「妹」ですな。
しかしお兄ちゃんも負けてはいません。

悠紀「私ッ!晴香さんがおにいちゃんとエッチしたの知ってますッ!
   でも私もおにいちゃんを手放したくないのでエッチしましたッ!」
晴香「なんですってッ!!」
颯斗「クッ・・・!」 ←カッコつけてるけど浮気ばれただけwww


ここで晴香も反撃に。

晴香「もういいわ。貴方が優柔不断だってことがよくわかった。それと同時に
   悠ちゃんが自分勝手だってことがよくわかったの」
悠紀「違うもんッ!」
晴香「違わないでしょッ!お互いがこの人のこと好きだったら!正々堂々と
   潔くすればいいじゃない!」

晴香「悠ちゃんは私を泥棒って言ったけど!私からすれば!悠ちゃんこそ泥棒だわ!」
  「ズルイわッ!卑怯よッ!ワガママよッ!」
悠紀「うわああぁぁーーーんッ!!」
晴香「泣けばおにいちゃんが来てくれると思ってんでしょ!そんなのズルイよぉぉッ!!」

この修羅場イベントは、晴香の性格を如実に現していると思います。
確かに彼女のいうとおり、横取り泥棒猫なのは悠紀だし、晴香には何の落ち度も
ありません。

でも晴香は決定的に空気を読めないんですよね。自分が先行して告白したら
友人関係がどうなるかなんて考えもつかないし、相手の都合も考えられない。
だから正々堂々と~なんてセリフがズバッと吐ける。
容姿端麗・プロポーション抜群・病院長の娘・男を立てる・料理OKの万能で、
周りからも常にチヤホヤされてきたのも上手く書かれています。

だからこそ自分を特別視しないウンコマンに惚れたのでしょうし、男性視点から
すれば「自分を好きといってくれた万能美少女」として見てしまい、表っ面は全く
落ち度がない彼女を、ついかばってしまう。

反面近くに居る女性からすれば、これほどウザったい女はないでしょう。音海は
スイを中心とした様々な苦悩を抱えているし、悠紀は家がこんな状態です。過去現在
様々なしがらみを考えられるから、周りの事情にも配慮が出来る。
実際に悠紀と音海は、どんな状況でも仲良くやれています。
そんな中空気を読まずウンコマンを掻っ攫われれば、そりゃいい気はしないでしょう。
その実晴香は、別シナリオでは音海とも確執を生んでいます。

悠紀「だってあの人・・・。おにいちゃんを私から取ろうとする素振りが
   露骨すぎるんだもん」

修羅場直前でのこのセリフが、同性から見た晴香の印象そのものでしょう。
唯一仕事仲間や同性の友達が出てこない晴香ですが、その理由にもひどく納得できます。
万能な晴香の致命的な欠点はこのゲーム本当によく書けています。何かと問題のある
エロゲーですが、その点だけは評価したい。生々しさのある良い娘ちゃんです。
(凄まじく蛇足ですが、WH2の雪菜はこれが無いからアイドルなんですよね。アイドルうんこしない。)


閑話休題。
フルボッコにされ、部屋を飛び出す悠紀。颯斗は追いかけ・・・ようとはせず、晴香を
責めてビンタ合戦。・・・っておいw

颯斗「どういうつもりなんだ、晴香!」
晴香「あなたこそどういうつもりなのよおぉぉッ!!」 ←ここの立ち絵詰め寄りは上手い
  「貴方は悠ちゃんと私のどっちが好きなのッ!
   それを貴方がはっきりさせてくれないんじゃないッ!」 ←いいぞもっとやれ
颯斗「は、はる・・・」 ←正論にどもるウンコマン
晴香「貴方が迷っているんだったら!私は、悠ちゃんに嫌な女だと思われても、貴方を振り向かせたいの!」


これが晴香の強みであり欠点ですね。
ここまで言い切られると、可愛い以上にむしろカッコいい。
なのにこのウンコマンときたら


颯斗「それは断じて違うッ!俺はお前も悠紀も大切なんだッ!」

晴香「どっちよッ!男として、最低よ!」 ←ここシンクロした。どっちだよ!ってw
颯斗「・・・うっ!」 ←www

晴香「・・・いいの。貴方のこと、まだ許してあげられる・・・と思う」
  「だから答えて!私と悠紀ちゃんの、どっちを選ぶのッ!」

――自分に対する怒りを晴香の嫉妬のせいに摩り替え、そのまま感情を衝動的欲求に繋げた。
  俺は晴香を床へと押し付ける!
  虐待意識を全開し、無我夢中で晴香の衣服を脱がしていた。


さ、最低だぁぁぁ!!
さすが颯斗!俺たちに出来ない事を平然とやってのける!そこに(略
音海シナリオも酷かったけど、こっちも全然負けていませんね!

フォローするとしたら、悠紀シナリオでは晴香のパーソナル、つまり男にどこまでも
都合のいい性格がしっかり書かれているため、なびいても仕方ないか、という側面は
あります。事実レイプシーンでも、どこまでも颯斗を許していますし。
つってもやっぱウンコマン最低ですけどねっ!


この後晴香は帰宅。ようやく悠紀を追いかけます。が、拒絶され距離を置くことに。
一方で晴香へ別れを切り出すことにようやく成功。
このシーンも上手く書かれています。良き友達関係だったのが、恋愛を挟むことで
崩壊・・・という鉄板を、やるせなさと悲しさで満たし的確に伝えてきます。

基本的に颯斗が最低なため、どこもかしこもバカゲーに見えてしまいがちですが、
ビンタ合戦から別れまでの流れは間違いなく上質です。妙に綺麗な三角関係より
人としての情けなさや泥臭さを感じられるシナリオが好み、というのもありますが。


颯斗「今日だけ・・・最後のデート、するか?」
晴香「もう、嫌よ・・・。そんなに気を遣って見せないで・・・。」
  「最後に気を遣って貰えると、私が・・・私が悪かったみたいで・・・」
颯斗「いや、そうじゃないんだ。俺の伝えたい気持ちは」

晴香「何が悪かったとか!」

晴香「・・・何が悪かったとか。誰が悪かったとか・・・
   そういうのじゃないこと・・・わかってる」
  「でも!こんなに苦しくなる別れ方が待っているんだって、知っていたら!」
  「みんなと出会わなければよかった・・・って、思っちゃう・・・」
  「貴方と出会わなければよかったって!思っちゃうじゃない!!」


以後もう少し見せ場がありますがカット。上記のセリフも「まーだウンコマンは
踏ん切りつかないのか」と見てしまいがちですが、これは完全に晴香を思っての
こと。颯斗なりの葛藤をテキストで追わないと見えてこない部分なので、あとは
実際にプレイして、ということで。

悠紀シナリオが評価されている理由のひとつは、間違いなくこの修羅場でしょう。
恋愛の前に崩壊する友情を書いた物語としては十分名作足りえます。



一方悠紀はというと、心が折れて鬱状態に。プレイヤーからしてもまた鬱展開。
母親の死、ちろたんを死なせたこと、晴香との確執で壊れてしまった、と。
覚醒発狂時と鬱時のギャップ、そしてレイプ目CGがいい具合にイってます。

そしてなにより、新月初風こと木村あやかさんの演技が洒落にならない。これまでも
見事な声当てでしたが、後半戦のそれは前半とは比較にならないレベル。鬼気迫ってます。
中でも「ちろたんがぁぁ!」等と、いきなり覚醒してと発狂するシーン。
抱きしめた直後に鬱へ戻り無反応になるあたり、ホラーすら入ってます。

精神病ヒロインの物語を期待して買った方も多いと思いますが、実のところ本作の
鬱病ヒロインは悠紀だと感じています。本命であるスイの扱いが実に適当な中、
ネガティブ極まりない躁鬱を見せ、看護する側の絶望を如実に伝えてくる悠紀シナリオは、
高く評価できるもう1つの要素としては十分足り得ます。

同時に音海の、スイを養護施設へやりたくない理由も具体的に伝わってきます。
大切な人の面倒を見たい、絶対に手放すものかという気持ち。それを颯斗と悠紀に
置き換えてプレイヤーに見せています。音海ほどチャランポランなのはどうかと
思いますが、その辺颯斗は誠実に努めているのも好印象です。
この辺も本当によくできていますね。真面目に評価されるべきポイントだと思います。

しかしいい面ばかりで終わらないのがこのゲーム。
まずエロシーン。反応があるからとはいえヤっちゃうのは少し不誠実な気がしました。
スイシナリオほどではありませんが、ウンコマン颯斗の称号が少し輝きを取り戻しましたw
あとハイライトの消えた目がやっぱり怖い。

それと終盤、スイが電車の人身事故で亡くなった事実を告げられる一幕がありますが、
これも正直蛇足。音海シナリオ終盤の鬱コンボは(バカゲーテイストも相まって)
良かったけど、これは必要性を感じません。格ゲーでいうコンボではなく、死体蹴り
的な印象を受けました。

そして恒例のウンコマンタイム。
虹が見たいと昔きた山へ2人で遠出。虹は見えるものの「お父さん、お母さん、
ちろたんは?」と再び絶望してしまう悠紀。心を繋ぎとめるため青姦セックスを
敢行する(!?)颯斗。そしてついに漏れる、悠紀の本音。


颯斗「悠紀!お願いだから!俺のことをココロの中に!お願いだから!」
悠紀「わかってるぅ!わかってるのぉ・・・っ!おにいちゃんは好き!
   生きてる世界で一番好きぃぃ・・・!っ」
  「だから!だからもう辛い思いはしたくないのぉ・・・っ!嫉妬したり!
   見放されたりと思う気持ちを抱きたくないのぉぉ・・・!」


              ――これが・・・!!

       悠紀がココロを封じ込めてしまった原因だった!!

           そう俺の中で、決定付けられた!


いやわかるけどさ、いちいちカッコつけんなウンコマンw
割と鬼気迫るシーンなのに、微妙に台無しです。



そして悠紀シナリオのエンディングは3つ。
一つめは最後のセックス直後に悠紀が舌を噛んで自殺。これも無駄に鬱展開ですな。

二つめが悠紀の鬱が治らないまま、晴香と3人で同居生活・・・ってええええ。
悠紀的にそれまずいんじゃ?と思うも、晴香をお姉ちゃんと呼び決して悪くはない模様。
というか、もう1つのハッピーエンドとしても悪くはない気がします。割と前向き。

最後は勿論、悠紀が快癒して妊娠→結婚エンド。
恩人である音海の父、境医師いわく「颯斗君はセラピストを目指してはどうですか?」
ってええええ。コイツ絶対女たぶらかすよ?悠ちゃんまた鬱るよ?しかし快諾する颯斗。
そしてラストの1枚絵が颯斗・悠紀・境医師の三人、ってええええ。
確かに先生活躍してたけど、それって〆として微妙じゃねーですか?でもまぁ幸せそう
だし、いいんですかね。



◆ハーレム
晴香シナリオはさて置いて、まずはハーレムシナリオから。スイ?その辺は追々。
3人をクリアすることでロック解除されるルートですが、スイが記憶を取り戻し、
悠紀シナリオの悠紀ぐらいには精神を回復させます。
スイの面倒見たさに、病室を出るなり境医師に土下座する颯斗。っていきなりかい。
その誠意に許可を出す先生ですが

境 「何かあったら連絡ください。それと・・・」
  「間違いだけは起こさないようにしてくださいね。」 ←バッチリ釘刺されてるw
颯斗「そ、そんなこと・・・、あるわけないじゃないですか」

さすが名医ともなればそのぐらいお見通しということでしょうか。
あるいは似ているからこそわかる予感、ってやつでしょうか。どっちらけ信用ない颯斗君でした。


で、病院の帰りに海辺で早速セックス・・・っておぉい!?(;゚д゚)

さすがウンコマン、嘘御託並べはお手の物、ということか!悠紀シナリオは少し見直した
けど、やっぱ最低すぎる。主治医の言いつけを速攻で破ってどうすんだコイツは。
でも最初のセックスはまだマシです。2回目が本当に酷い。


颯斗(俺・・・。病気の娘に対して何やってんだろう・・・)
スイ「ごしごし・・・ごしごし・・・」 ←チンコしごかせてる
颯斗「こうやって擦るんだよ」
スイ「うん。ごしごし・・・ごしごし・・・」

――スイの済ました表情を見ていると、自分の思うがままのスイにしていきたくなってしまうのだ。


さ、最低だぁぁぁ!って何回目だこれ。
もうとにかく最低。エロゲーとはいえこれは酷い。鬱病患者を何だと思ってるのかと。
悠紀シナリオはまだ相手の心が知れてて、ある程度納得もできたけどこっちはダメすぎる。
なんでオナニー道具にしてるんだこのウンコマンはっ。
我らの最低下劣な颯斗君が帰ってきました!全然嬉しくないけど!


颯斗「スイ。お願いしたいことがあるんだよ・・・」
スイ「なぁに?」
颯斗「今度はお口で、ペロペロ舐めて欲しいんだ」 ←!?
スイ「うん!」

颯斗「スイ、今度はね。おち*ちんをお口の中に頬張って欲しいんだ」 ←!!
  「歯は絶対に立てちゃだめだよ。優しくベロとホッペの裏側で
   ハモハモして欲しいな」
スイ「ハモハモ・・・はい」


ク、クソがぁぁぁ!(#゚д゚)
音海さん!こいつスイをもてあそんでますよ!

いや、いくらエロシーンが必須だとはいえこれはアウトじゃないですかね・・・?
完全に自分の道具にしちゃっていますから。これがファンタジーならフィクションと
割り切れるからまだいいけど、精神病患者でやっちゃうのは妙なリアリズムが残る
んですよね。
それにこの行為、音海シナリオの外道達とやってること変わらないんですよね。
見る人にもよるでしょうが、かなりクズい展開でした。


以後は悠紀母が亡くなるまで共通と一緒。インモラルなエロシーンは都度挟んできますが。
そして実家へ出発する当日。泣きじゃくる悠紀にスイがディープキス、っておいw
どうみてもウンコマンの調教成果です、ありがとうございました。そのまま3Pなだれこみ。
まぁハーレムルートだしね、しょうがないね。

悠紀の嫉妬深い性格も、スイの大らかな心の前に楽々と陥落。どこぞの完璧お嬢様とは
コミュ力が違います。そして颯斗も。

颯斗「スイを想う気持ちに嘘偽りはない!だけど・・・!
   悠紀を想う気持ちにも嘘偽りはないんだ!」

ブれないねーコイツは。とことん最低を突っ走ってくれていっそ爽快ですな。


その後音海と晴香も合流し、お題は悠紀の実家にどう連絡するか、に。
個別ルートだと主人公とヒロイン1on1だったシーンが、共通ルートよろしく
全員揃ってアレコレ話しあうのはちょっと懐かしい。
みんな仲がいいのは良いなーと思ってたら、音海と晴香はケンカ中の模様。
それはそれとして、みんなが悠紀のことで真剣に考えている中

「喉渇いちゃった。それにまだ、ご飯食べてないの」

とかのたまう晴香嬢。姉さんKYw
元々遠慮をしない娘だったけど、このシナリオだと更に顕著な気が。
なお音海と晴香のケンカ原因はやはりウンコマン。再び詰め寄られて

音海「アンタは、誰が好きなんだ?」
颯斗「正直言って・・・俺は、スイ・晴香・悠紀・音海が持ち合わせる、独特の個性・・・
   色合いが好きだ」
  「しかも、俺も欲張りな馬鹿男で・・・全員loveなんだよ・・・」 ←そっすか(もう草も生えない

とまぁ2人からも合意を得るわけですが、ここで面白いのが晴香のセリフ

晴香「私は・・・私こそ、本当の意味で仲間意識を確立したいわ。
   今の私にはちょっと欠けてると自分でもわかるから・・・」

何気に成長してますね。同時に、やはり書き手が意識していたことが伺えます。
それはそれとして、見習え颯斗。

――眼前で2人の女性が俺に言い寄っている・・・。
  俺は今、心の中で、クイズに勝ち残り、異国の最終地点で一人、優勝したような
  気分に浸っていた。

颯斗「あのさ、ラブホって3人で入れるのかな?」

ダメだコイツ、もう手遅れだ。


赤青3Pの後はちろたん死亡イベント。晴香との確執がなく、全員揃っているため
凹みはしないものの、今度はスイがちろたん抱えて行方不明に。ってこれも最早お約束
ですな。颯斗達もいい加減飽きたのか、一人元気な悠紀に任せて全員仮眠。
夜通し3Pやってスイ放置して爆睡とか、相変わらず病人に優しくないゲームです。

結局スイは思い出の場所、三浦半島で発見。共通ルートでは見つからず終わりますが、
そこは最終ルートってとこですか。世が明け始めて晴天が顔を見せます。どうでもいいけど
三浦半島の背景チープがすぎる。同人かとw
まぁいいや。さてこれで感動のハッピーエンドが待っt


――いきなりスイが服を抜き出した。

全員「え!?」
スイ「みんなで、気持ちよくなろ!みんなでエッチしたい!いいでしょ?」


・・・え!?
そのまま全員で5P青姦3回戦。え、何この展開。

颯斗「みんな・・・みんな俺と・・・」
  「俺とココロを混ぜ合わせよう」
スイ「色が一つに繋がるの・・・」
晴香「私達5人じゃないと作れない色を・・・」
悠紀「青空いっぱい・・・」
音海「虹を描くように・・・」

うるせーウンコマンズちょっと黙ってろっ。
ココロの形がどうとか虹を見つけたらなんちゃらとか、確かに言ってたけど


            ココロの色は、空の色・・・。

         晴れた空のように、雨の空のように・・・。

         カタチが無いから、夢を描くことも出来るの。


え、なんかそれっぽい事言って強引にまとめようとしてません?
とか言ってるうちにエンディング。最後にスイが出てきて

スイ「今度貴方とここへ来た時・・・」
  「虹を見つけたら教えて!」


あ、はい・・・( ゚д゚)





・・・ナニコレ?(゚д゚)



最後のセックス以後の流れが超展開すぎて意味不明でしたが、「ココロのカタチは
みんな違う色をしているから、仲良く混じり合わせて独自の色(=虹色)を作り出そう」
ってことらしいです、なんか。

・・・そういうゲームじゃなかったじゃん!どうしてこうなった。



◆スイルート
ハーレム後半が全オミ。颯斗が一人でスイを捜索し、見つけてED。ってこれだけですかっ!
どんな不憫ヒロインですか彼女は・・・POV「不幸を背負ったヒロイン」該当すぎる。



◆晴香
他シナリオに比べると実に優しく王道、のはずですよね?何よりウンコマンが晴香一筋
だから間違いも起こらないはずですしね!


音海「好きなんだよっ!なっちゃったんだよぉぉ・・・っ!」


またかぁぁ!またなのか!?
案の定セックス現場を押さえられ、晴香に激怒されるウンコマン。とはいえ今回は
颯斗あんまり悪くないです。半ば逆レっぽいシチュでしたし。突っぱねる事はできた
でしょうが、これまでの悪事に比べれば些細なことでs


颯斗「どうしてくれるんだ・・・!」

――音海を敷いてある布団の上へ押し倒し、乱暴に服を脱がしにかかった。

音海「あっ、乱暴にしないで・・・っ!」
颯斗「聞けるかッ!」


ハイ通常運転でした。ウンコマン、音海をレイプ。ほんとブれないなぁ。
泣きながらイく音海が嗜虐心そそる可愛いです。そして例によって後で善人ぶり
後悔する颯斗。


颯斗「晴香・・・」

――俺の頭の中は、常に晴香の残像が映っている。 ←全部エロシーンです、マジでw


ここで実家へ戻った悠紀からお電話。
晴香に嫉妬したまま実家行き電車に乗ったんですが


悠紀「正直、ヘコんだけどね・・・。でも、おにいちゃんも晴香さんも好きだよ」
颯斗「悠紀、お前は大人だな・・・。」
悠紀「それは違うぞ。おにいちゃん。大人とかっていうんじゃなく、『お友達』って
   認識だよぉ。仲間意識ってヤツだぁね」
  「だから・・・そういったことで晴香さんを憎んだ自分が恥ずかしいよ・・・」


ここでわかるのが、悠紀の嫉妬は孤独になる絶望からによるものだったということ。
『おにいちゃん』がいなくなったら一人になるという恐怖だったわけで、別段嫉妬深い
訳ではないんですよね。落ち着けば周囲の人が幸せになるのをちゃんと喜べるわけで。
何がいいたいかっていうと、悠ちゃんやっぱりいい娘すぎ。
苦労しているせいか、精神的には晴香や音海よりよっぽど大人ですね。

続いて音海との再開。エロシーンじゃないので颯斗が聖人モードです。
(というか晴香シナリオだと先のシーン以外まとも)


颯斗「もうこんなことで悩むのはやめよう!俺、晴香と『より』を戻してみせるよ。
   そしたら、そしたらさっ!」
  「音海さんとは友達のまま・・・。スイや悠紀がいた頃のようにさ・・・。
   楽しくまた・・・遊びたいんだ」 ←聖人だけどかなり無茶言ってます。

颯斗「2人でさ・・・あの時間に戻れるよう、努力してみよう。スイや悠紀こそいないが
   楽しい時間を作っていこうよ・・・切なくない、楽しい時間を・・・」
音海「切なさは・・・誤魔化せない・・・。アナタへの気持ちは・・・変わらない・・・」
颯斗「そこを・・・なんとか・・・」

そこをなんとかって、値引きじゃないんだからさw
カッコいいのにどこかズれてる主人公です。

その後悠紀に励まされ、晴香の実家へ突撃する颯斗。この悠紀がまたいじらしくて(略
途中スイがチラリと映りますが、どちらの選択肢でも何もできず。

家での流れは大体予想通りですね。晴香に謝って仲直りして、石頭な親父さんに
イチャラブっぷり見せつけて。おおよそ普通のエロゲです。完全に浮気を謝る亭主の
図ですけどね。
見所は、聖人君主モードの颯斗が主人公している点でしょうか。エロがなければいいヤツ。

で、丸く収まりハッピーエンドかな・・・と思いきや

晴ママ「貴方、今の電話は?」
晴パパ「急患だ。人身事故があったらしい。女の子が飛び降りたのだが、極めて危険な
    状況ということだ。」
颯斗 「!?」 ←!?

ここでスイ!?さっきの選択肢はこれか!
ってここで出す必要性無いじゃん!

颯斗 「院長!是非!俺を立ち合わさせてください!」 ←はい?
晴香 「私も!私もお願いっ!お父さん」 ←ちょw

いやいや盛り上がる展開とはいえありえないでしょうよ。
執刀に一般人を立ち合わせるとか論外、というか何かあれば医療事故じゃん!
何をバカな・・・


境医師「宜しい。彼らにも手術着を出してあげなさい」


なん・・・だと・・・?
これ、院長こと晴パパが悪役っぽいけど、一番の常識人だよね。さらに


颯斗 「塩酸リドカインを」 ←院長に指示する医大一回生www


ここで爆笑。ホントありえないw
流石エロゲーという他ありません。そして流石のウンコマン。非常識すぎる。
更に晴香嬢も手術後に

晴香「お父さん、まだ話は済んでいないわ。この人と結婚したいの」
颯斗「今、話すことではない。焦り過ぎだ、晴香」

だから姉さんKYお願いします。さすがの颯斗君もこれには苦笑い。
人の生死が掛かっている状況でこれは無い。ありえん。



晴香シナリオのエンディングも多分3つです。
まず2人で落ちぶれるルート。これはエロシーンがあるだけのややバッドエンドです。
次にスイ自殺エンド。ここでこの鬱要素を入れた理由が判りません。ちょっとホラー。

そしてみんなに祝福され結婚するハッピーエンド。全員が揃いかつ仲良く、さらに
ハーレムではない唯一のエンディングです。スイがレイプされ心を閉ざしている状態
なので完璧ハッピーではありませんが、本作における一番のハッピーエンドかなと。
最後のイミフ展開がなければハーレムでも納得できたのですが。


数多の三角関係作品にもいえることですが、優等生ヒロインが恋と友情を両立させる
ルートは、大体ハッピーエンドで終わります。いい子ちゃんがいる場合、対抗馬ヒロインの
ほとんどは人の機微に聡く、妥協やより良い道の選択ができるからです。

しかし優等生は自分が恵まれているのがわかっているからこそ、引くことが出来ません。
引いたことが無いから怖い、何で引かなければいけないかわからない、引きたくない等
理由は様々ですが。
だから他ヒロイン優勢だと必ず衝突が起こるし、エンディングも優等生が泣きを見る
パターンがほとんどです。

本作における晴香は、まんま優等生タイプ。ゆえに彼女でないとみんなが幸せの結末は
起こり得なかったのかなと。このシナリオではそんなことを考えさせられました。
ハーレムエンド?あんなイミフなのは認めません。



◆所感
主人公が兎角不快と評判高い作品ですが、原因は物語とエロパートで性格の擦り合わせを
全く実施していないからですね。

数多のエロゲーで「エロシーンになると主人公が豹変する」という欠点が散見されますが、
その擦りあわせ方が甘かったり、エロとシナリオが乖離しすぎているとそのような問題が
発生します。

本作は、その擦り合わせ行為を完全に放棄してしまっているのです。あるいはする気が
まったくない。ゆえに聖人君主さながらのシナリオパートとウンコマンなエロパートが、
二重人格のようになってしまったのでしょう。


加えて優等生ヒロイン、晴香の存在が外道っぷりに拍車をかけています。
盲目的に愛慕う彼女はどこまでも主人公に都合よく存在し続けます。また絶対に離れない
からこそ常に他ヒロインとの対立が発生し、どこまでも主人公に都合悪い存在として
居続けます。

共通ルートで結ばれたせいで、ややこしいことになった。でも、どんな修羅場になっても
最後は許してくれるから、他の女性を選んでしまう。
加えて悠紀の場合、選ばないと自分が孤独にさせてしまう責もあります。だから悠紀を
選ぶしかない。晴香は誰かが助けてくれるから選ばなくても大丈夫だろう。そんな打算が
颯斗に働いたのはシナリオを見ての通りです。

だから優等生と対抗ヒロインの間を行き来し、不誠実な対応を取ってしまう。優しさが
ウリである三角関係モノ主人公にとって、それは必須行動なのでしょう。優しいからこそ
見捨てられない。決断できない。優柔不断な最低男のレッテルを貼られてしまうのです。


擦り合わせていない性格と、優等生が原因の不誠実な対応。
この2要素が混じりあった結果、颯斗のようなウンコマン主人公が爆誕してしまった
のでしょう。

普段は誠実なのに、恋愛となるとコウモリ状態。
追い詰められるとエロシーン確保のため、性格が豹変し不誠実な陵辱を。
そしてシナリオパートに戻ると、エロ時の事を忘れたかのように聖人面。
これがウンコマン颯斗の真実なのかなと考える次第です。


以上を踏まえた上で本作を評価すると、共通ルートと悠紀シナリオは文句なしの
クオリティ。
共通ルートはやや非常識な行動が目に付くものの、ヒロイン達いずれも個性を持った
性格付けがなされ、颯斗も比較的常識人です。話のテンポもよく、鬱シーンも真に
せまった演技などで魅せてくれました。

悠紀シナリオは先に述べたとおり、晴香の性格付けがそこそこ丁寧に描写されている
ため、表面上悪くない晴香がズルい性格をしているのがわかりますし、ゆえに颯斗にも
一定度の情状酌量ができます。愁嘆場もやるせない思いが伝わってくる良シーンです。

そして後半戦である鬱病パート。ここは本当によくできています。声の演技、悠紀への
愛と贖罪のため絶望に立ち向かう颯斗、どれも痛々しく、そして切なく表現できています。
鬱ゲーとしては素晴らしい出来ではないでしょうか。悠紀シナリオ目的で購入しても
決して損はしないはずです。


ただ他シナリオが大きく足を引っ張っているのが気懸かりです。
音海シナリオは依存という別テーマがあるとはいえ晴香の描写が甘く、また音海も
悠紀ほど人間ができていないため、颯斗の不誠実さがこれでもかとばかりに浮き彫りに
されます。

そこがクソゲーチックで実に面白くはあるのですが、つられて秀逸な悠紀シナリオも
同じ目で見られてしまう可能性が非常に高い。特にちろたん殺害事件がギャグになって
しまっているのが痛い。個別導入部分だから「あぁこっちもクソゲーなのか」と思われて
しまうんですよね。実際私が最初はそうでしたし。

オーラスを務めるハーレムエンドが意味不明かつ強引なまとめ方なのもマイナス点です。
クソゲーとしてはこの上なく良く出来たオチですが、やはり悠紀シナリオが殺されて
しまう。
スイの扱いも欠点ですね。あれはプレイヤーに決して良い印象を与えません。エロシーンが
意外によく出来ているため、そちら方向で解釈されてしまう可能性も無きにしも非ず、です。

これだけクソゲー要素に覆われてしまっては、さすがの名作鬱シナリオも陰に隠れて
しまいます。その点が本当に惜しい作品です。
一発目に悠紀を攻略するか、あるいは平凡ながら安定感のある晴香シナリオから入り、
悠紀へ繋げれば一定の評価もされそうですが、結局ハーレムにぶち壊されてしまう気が。
だってアレ、本当に酷いですもん。

いっそのこと、クソゲーとして笑い飛ばしてしまうのもまた一興かもしれません。
実際ウンコマン颯斗は面白すぎますし、セリフもいちいち失笑を誘います。
スイの扱いもハーレムエンドも、天然外道な主人公のガチ行為として見ればかなり
笑えます。本来のプレイ方法ではありませんが、それもまたいいのかも。
悠紀だってちろたんや修羅場などなど、笑いポイントは点在していますし。


最後に私個人の評価ですが、悠紀シナリオの名作っぷり+クソゲーとしての面白さを
加味してかなり高くしています。確かに欠点だらけの問題作で、完成度はかなり低い。
でも鬱シナリオとして間違いなく上質な箇所はあったし、一方で爆笑もした。
つまり、十分面白かったし楽しめたわけです。
事実何か光る部分がなければ、ここまでダラダラと文章を垂れ流しません。

欠点だらけでお世辞にもいいエロゲとはいえない。でもつまらない面白いで言ったら、
間違いなく面白い。本作はそんな、数少ないタイプのエロゲの1つです。
毎度この手のゲームだと疲れてしまいますが、またこういった作品には出会ってみたい
ものです。下手な名作よりよっぽどレアですからね。

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい1489回くらい参照されています。

このコメントは2人の方に投票されています。