MetheMailさんの「Dear My Friend」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

好みは別れるかもしれないが、減点するのが難しい、癖のないゲーム。だが、掲げたテーマは消化されていない。
世間一般では「タイトル倒れ」という評価が定着しているようだ。
ゲームとして悪かったという話は余り聞かない。
むしろ「良くできたAVGだが」が接頭語。
続くのは「テーマを扱いきれず」「意味深なタイトル倒れ」という批判。
私は別にテーマを扱っていないとは思わない。
だが飲み込んだ食べ物をそのまま下から出しているかもしれない。

冒頭示されるように、「友情と恋愛は両立するのか」が本作のテーマである。
直接は男女間、つまり「貴方とは良いお友達でいたいの」が成立するか否かである。
だが同時に3角関係、1人の異性を巡って友人間が争う場合も含むのかもしれない。
『君が望む永遠』などはこのテーマも扱っていたように思う。
このゲームでは後者についての描写は無かった。

さておき。
主人公を中心とした仲良しグループの中でストーリーが進む。
主人公はその中から一人の恋人を選ぶ。
良き友達は自分の恋心を抑えながら2人を応援する。
本当にそれだけの話だ。
正直拍子抜けした。

友人だった2人が恋人になる。
その2人が別れる別れないをあらそい紆余曲折する。
そうして2人の関係で「恋愛と友情」が成立するかを問う。
そんなストーリーを想像していた私は、正直拍子抜けした。
この物語で扱われる「恋と友情」の中心は、攻略対象からはずれたヒロイン達だ。

小麦を除きヒロインは主人公を取り巻く友人でもある。
そして主人公を好きでもある。
その中から1人が”恋人”になる。
彼女たちに許される選択肢は2つ。
思いを抑えて友達を続けるか、主人公を巡って最後まで争うかである。

結果的に彼女らは全員、麻衣ですら恋を諦め友情をとる。
恋心を抱きつつ、けれどそれは実らぬものとして友情に満足して戻っていく。
男女間で友情は成立する。
けれど、恋と友情は両立しなかったのだ。

書いてみたものの、だから何なんだというのか。
そう、恋と友情は両立しない、それは分かった。
友情に満足せず恋人を目指して戦うのが良いのか。
しからば、友情に満足しては幸せは無いか。
主人公達は「よき友」として充実した日々を送っている。
それもまた真実だと言えまいか。

友人と恋人の間の絶対的な差は何なのか。
『瑠璃色の雪』の若葉や『ToHeart』の志保は主人公と恋人になった後、別れる。
しかし破局してなお関係を続けることで、男女間で友情が成り立たせる。
そしてそれが時に恋より素晴らしいことを暗に示している。
『君が望む永遠』の遙・水月はまったく逆である。
男女間に友情なんてものは成り立たないし、それでよいと明言しているのがわかる。

このゲームでは恋も友情も良いものだと言っている。
しかしその関係に本来つきまとうはずのドロドロした要素が消えている。
これ程爽やかに処理できるこのキャラは良い人でしょう?という話になってしまっている。
物語がキャラを描くための手段になっているのだ。
恋は何故辛いのか、友情は何故辛いのか、辛いのにどうしてそれは素晴らしいのか。
キャラが物語を紡がない以上、残念ながら語られるべくもない。

(オススメ度…★★★☆)

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