gaogaogao改め烏賊悪魔さんの「シンフォニック=レイン」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

絶対に途中で放棄してはならないゲーム。すべてのシナリオはフォー二、アリエッタendの複線だと思ってもいいはず。そしてプレイ終了後、故 岡崎律子に黙祷を捧げるべし。点数の理由は『それは舞い散る桜のように』が私的に90点を取れない理由と同じ。
後述するが、感動の手法として手本となりうる作品。

声、曲、ゲーム性、雰囲気が高いレベルで調和しているが、話自体が童話チックな印象なので、それほどテキストレベルが高いわけではない。

にもかかわらずなぜ我々ユーザーは泣かされてしまったのか。
その答えは一にも二にも、それは『前振り』としての他3つのシナリオと、『前座』として2つのシナリオがあったからではないだろうか。
はっきり言って、最初の3つのシナリオはそれほど面白いとは思わなかった。
名台詞らしい名台詞が少なく、卒業演奏というイベント自体がヒロインのストーリーに食われてしまっているような印象。主人公の性格も無難で、特に目立つような行動も台詞もなかった。

ところが、もう二つのシナリオで、主人公のと遠く離れた恋人アルの過去が明らかになり、『雨の街』の意味の解説を聞くうちに、今まで未消化だった部分が大体わかってきた。この時点でゲームをやめていれば、私は74点の点数をつけただろう。
ところが最後のシナリオ。
①音の妖精フォー二とアリエッタの意外な関係に読者である私が気づいたとき。
②人には見えないフォー二を卒業演奏のパートナーにすると決めたとき。
③『アルのことはわかるけど、クリスはトルタと組まなきゃダメだよ』(フォー二)
④演奏が終わって待ちに帰った後のアルとフォー二。

正直言って、理屈が合わないと思う部分が多くあったが、それでもこの四箇所で私は泣いてしまった。
(アルは歌が下手なはずだし、フォーニはずっとこの部屋にいる妖精だと言っていた。誰かの魂に憑依する妖精だったのだろうか?)

一番最初にフォー二シナリオをプレイしても、それほどの感動は得られなかったに違いない。
フォー二がなぜ、あれほどまでしつこく『アルのことはともかく……』と言っていたのか。どうしてアルからの手紙をそのままに受け入れ、トルタとクリスとの関係を応援し続けたのか。どうして最後の卒業演奏の日に、彼女はクリスの頬にキスをしたのか。

それらの疑問を抱かせ、脇役としてのフォー二をプレイヤーに知らしめた上でフォー二シナリオをクリアすることで初めて感動を得られるのだ。
感動という感情は『特定個人と関連した(愛着をもった)時間』と『特定個人に抱いた尊敬(ユーモア、教養、実力)』に比例する、というのが私の持論であるが、このストーリーは前者を体現したいい例ということが出来るだろう。(ちなみに、後者が加わればこのストーリーは家族計画同様100点だっただろう)

このゲーム、雰囲気は非常にいい。
クリスマス      →ナターレ
ホットチョコレート  →チョコラータ・カルダ
レストラン      →リストランテ
と呼んでみたり(他にもあるらしいです。参考ページhttp://kipima.hp.infoseek.co.jp/game/SR/koneta.html)、
とにかく雰囲気に関しては非常に洗練されたものを感じる。
ついでにキャラや土地の名前にも意味が込められているらしいので、興味のある方は上記のサイトを覗いてみることをお勧めする。

雰囲気としてちょっと残念だったのは、主人公をはじめとするキャラがぜんぜんイタリア人らしくなかったということ。(せいぜいアーシノぐらいか)
主人公とトルタはイギリス人といったほうがしっくり来るような気もする。
さらに、魔力で音を奏でるという楽器、フォルテールの設定を活かしきれていない気もする。もちろん、『音の妖精フォー二』の存在をより信憑性あるものにするための設定として必要な要素ではあるのだが、ただそれだけになってしまったのは残念。
例えばフォルテールを弾けなくなる代わりにアリエッタが意識を取り戻すとか、そういう話の流れでも良かったのではないだろうか。

さらに、リセルシア、ファルシータの両名のシナリオには救いがなさ過ぎる。というか、あれがグッドエンドだというのは割り切れない。何かしらの追加シナリオが欲しかった。
非常に蛇足な説明ではあるが、音ゲーとしてのシンフォニックレインは、そこそこ面白い、ただしそれだけ。ビートマニア系のゲームをプレイしたことがあるか、タッチタイプが可能な人はクリアするだけならすぐに出来るようになるだろう。
タイピングソフトとしての機能をつけてくれれば、文字通り『一般人にお勧めのゲーム』になっただろう。


総括として、このゲーム、前だけでは70点台、後ろだけなら100点、ただし、後ろだけをプレイしてもシナリオの真価は得られないので、前半部は必然だったと考えざるを得ないだろう。そしてストーリーはすばらしいものの、テキストレベルはそれほど高いものではなかった。この点において、テキストレベルだけが異様に高く、ストーリー要素が中途半端だった『それは舞い散る桜のように』と対照的である。
ゆえに私の評価は『名作に限りなく近い超良作』ということで89点。
ゲームパートとぇちシーンの有無については点数の加減に影響なし。
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gaogaogao改め烏賊悪魔さんの「シンフォニック=レイン」の感想へのレス

人的に心の底から好きに作品なので、未だに口コミ等でじわじわと広まって来てるのが嬉しいです。

とりあえず、いくつか補足説明を。
まず、この作品の世界ですけど、同社のエンジェリックコンサート(AC)やエンジェリックセレナーデ(AS)
と同一世界(ただしずっと後の時代)ということで、舞台は過去のイタリアってわけではないかと。
フォルテールに関してもシリーズの繋がりの象徴くらいの意味合いですかね。

あと、(アルは歌が下手~ やフォーニはずっと~)に関してはデジタルピクチャーコレクション中の
「雨の始まり」と「妖精の本」のSSである程度補完されています
(もう一本の収録SSの「いかさまコイン」はアルorトルタEND後のファルおよびリセの補完です)。
興味があるなら読んでみるのも良いかと思います。

リセEND後に関してはしろ氏の同人誌の「こんな空の下で」において描かれており、
これを読むとある程度あれでもHappyと認められるようにもなるのですが、
現時点では入手手段が殆どないのが辛い所です。

最後に、
>感動という感情は『特定個人と関連した(愛着をもった)時間』と『特定個人に抱いた尊敬(ユーモア、教養、実力)』に比例する
の意見は面白いですね。自分にとってはトルタに対する後者の想いからこの作品に100点を付けたという事になります。
2004年09月26日00時28分34秒

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