野菜炒めさんの「Crescendo ~永遠だと思っていたあの頃~ Full Voice Version」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

姉もいいけどそれ以上に5000円の子の話がずば抜けて良かった
歌穂と保健の先生のルートはやってない。
正確に言うと歌穂は途中で投げて先生は攻略見て投げた。

歌穂は何がダメなんだって言われると主人公の友人と杏子が可哀そうでやってられなくて。
この2人が(友人と歌穂)がどんだけの期間付き合ってきたかは知らんけど自分の彼女が自分の友人のこと好きなんじゃないかと思ってしまうことも彼女からはっきりそう言われてしまうことも無茶苦茶キツいことだと思う。

ほんとは歌穂好きなのに友人を勧める主人公もそんな主人公にがっかりして好きでもない友人と付き合う歌穂も心情はある程度は理解出来るとは言えやってることが酷すぎる。その後に歌穂が杏子が主人公好きなのを応援することも含めて。

んで、しばらく付き合ってから「実は・・ごめんさない」なんて言われたらどうする?
自分がこの友人の立場だと想像してみたらたまらないよこんなの。
友人の彼女を恋愛対象にする作品を余り好きになれんのは取る側じゃなくて取られる(去られる)側のこと考えたらキツすぎるから。
1度取られたことがある人ならこの辺は身に染みて分かるかもしれない。

今回は話の都合上、友人が聖人にされてしまってその辺が余り感じないのかもしれんけど。
この辺が余りに都合が良すぎるのがこのルートいまいち楽しめない一番の理由。

なのでアナザー含めてやったのは杏子と義理姉と優佳。
この中で一番引き込まれたのは優佳。
なんで5千円かって言うとその金額でウリやってたから。
だから最初はイメージはそんな良くないと思うけどこの子すごい生い立ちが不遇なんよね。
なのにそんなに性格が歪んでない。

長らくまともな愛情なんて受けたこともないような子が主人公と友人そして恋人関係になることで楽しそうな姿見るだけで泣ける。
この子の場合、作中一の鬱イベントとかもあったりするけど贔屓目もあるかもしれんけどテキストが一番綺麗な気がする。

本編以上に良かったのがアナザー。
優佳の場合だけ他ヒロインアナザーと違って完全に本編と別物。
恋人関係になるのは同じだけどその後に主人公に依存しすぎてしまって関係が上手くいかなくなる。
この辺の心理描写とかものすごく上手い。心情が理解出来すぎてしまって辛いんだけど引き込まれる。

んで最終的には主人公が突き放すような形で別れることになるんだけど卒業式の日に久々に会話する2人のシーンがまた抜群に良くて。
お互いの非を認めて謝罪するのと同時に本気で向き合ってくれてたあの頃のことを心から感謝する会話が恥ずかしながらすげー泣ける。
号泣じゃなくてジーンと来るような感じ。

優佳はあの後に色々あって新しい彼氏出来たから本編から見るとNTRにも見えるかもしれないけどその会話とラスト別れる時の優佳の笑顔見たらそんなことはもうどうでもよくなる。
個人的には優佳本編含めてこれこそが真のハッピーエンドだと思う。
主人公は独り身エンドだけどこいつならすぐにいい彼女なんて出来ると思う。
とても良かった。このルートだけで満足出来た。

この作品って卒業前の5日しか無いけど回想フル活用してるんで不足は余り感じない。
無駄な会話がほとんどないからテンポも良好な上にテキストが非常に読みやすいんで好感触。
絵柄はちょい癖あるけど恋愛系としては良く出来てると思うんでお勧め。

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