tak112さんの「金色ラブリッチェ」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

ハッピーエンドとは何か
理亜√を2周して確信しました。間違いなくハッピーエンドだったと。


理亜が望んでいた結末は最後まで一貫して変わりません。大好きなイチとシルヴィが幸せになることです。
付け加えると、2人の間に子どもが生まれ、マリアと名付けられること。
それが叶えられた結末なら、理亜にとってのハッピーエンドはそれであるのだと思います。
理亜√後にシルヴィ√に追加されるエピソードは理亜√後の話であるという前提の感想となります。理亜√後に主人公が外交官になるのは難しい道ではあったと思いますが、その分カッコつけて頑張ったという解釈で。

読み手(=主人公)の立場から見ると、主人公は大好きな理亜を失ってしまう、つまり最上の幸せからは離れてしまっているのかもしれません。
しかし、シルヴィの立場も含めるとこの結末が「2人が幸せになる」(ひいては理亜が幸せになる)ために最もよい結末であったと言えます。
シルヴィが理亜√でも央路を好きであったことは、指輪の件で「央路が選んだ方が指輪の持ち主になれる」という告白の際の表情から読み取れます。
理亜が望んでいることがイチの幸せなのか、イチとシルヴィの幸せなのか。ここにハッピーエンドであるかそうでないかの分かれ目があると思います。
私はこの物語は愛の物語であるだけでなく、友情の物語でもあると感じました。

理亜は当初、「闇は心地よく、怖くないから闇に還るのも怖くない」という考えを持っていました。
死ぬのが怖くなるから、2人を遠ざけ、イチからの告白も拒絶しようとします。
イチを受け入れてからの理亜は、明確な記述がないので想像するに留まりますが、生きていたい・死ぬのは怖くないという気持ちの間で揺らいでいる様子が1/1の音楽堂での様子から見て取れます。
そして最後に、屋上で理亜は再び「死ぬのは怖くない」という立場に戻ります。
最初に取っていた立場と最後に取っていた立場はどう違うのでしょうか。
最初の立場では、理亜が夢見ていたこと、イチと結ばれることは叶えられません。理亜の夢は叶えられないまま、それでもイチとシルヴィの2人が幸せになるから死ぬのは怖くないのです(だからこそ2人をくっつけることに執着していた)。
シルヴィとの共演を通し、金色の時間をやり遂げたと感じた理亜は一度は死を受け入れますが、イチにより再び金色の時間を過ごすと決めます。
最後の立場では、イチと結ばれ、過ごした全ての時間が金色だったと振り返る理亜が、満足して死を受け入れたのです。金色の時間は一度だけで後は暮れていくものと考えていた理亜が、明けない夜が無いように、再び金色の時間を過ごす一年間を通して。
理亜の願いは全て叶えられた。もちろんその先、クリア後のExtraのような願いもあったはずですが、病気の進行という要因からそれは叶えられず、2人の幸せを願うことになりました。それも叶えられた結末はハッピーエンド以外の何物でもありません。

「病気の進行」という避けられない要因は外部から見れば逆にどうにでもできる要因でもあります。
急速に回復し、完治しましたというシナリオも作れたはず。そしてそれはまた、感動を与えるものでもあったはず。
それでも理亜が嫌いとまで言った映画になぞらえてまでこのシナリオにしたことは、ただ感動を与えるために死なせるのではない、死は必ずしも(どのキャラクターにとって...かは少し難しいですが)悲しいもの・忌むべきものではないということを提示しようとした作り手の主張であると私は感じました。
死を踏まえてもハッピーエンドにすることはできると。映画に細かい描写がないため推測ですが、映画と本シナリオの違いはここにあるのではないかなと思います。


ここからは個人的な感想ですが、それでもプレイ中、大団円なエンドを望みました。
「人は死ぬ映画は嫌い」と理亜が言っていたことから、メタ的ですが大団円になるのかなと思いました。
終盤、手を振る茜ちゃんを美人と判別できたことから、遠方から見えるほど視力が回復し快方に向かっているのだと思いました(回復を示唆する意味はないので恐らくミスでしょうか。ここだけは残念です)。
前述の通りこのエンドは紛れもなくハッピーエンドだと今は思えますが、イチと理亜が結ばれ、シルヴィと仲良く3人で過ごす。そんな結末も2人が幸せになるという理亜の願いが叶えられた一つの結末であると思います。
シルヴィもまた、2人のことが大好きなのだから、その2人が幸せであることはシルヴィの幸せでもあるのだから。
大団円エンドを願ってしまうのはチープな考えかもしれません。このエンドを批判するわけではもちろんありませんが、それでも個人的には大団円エンドが良かった。

作中理亜は好きな湖の伝説に関して、未来から手紙を受け取り事故を回避してハッピーエンドにする話をあげています。
最後に主人公が投げた箱を過去の3人が拾い大団円エンドになるシナリオもある...というのも一つの捉え方としてはありなのかもしれません。


ともあれ本当に心を揺さぶられました。
演技のすばらしさが大きな要素になっていると思います。
全てのキャラが良い味を出していました。
時間を置いてまたプレイしたら違った思いを持てる作品なのかなと。

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