4Dさんの「カガミハラ/ジャスティス」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

フリーノベル。元はシェア配布していた作品ということもあってか、フリー作品として見ると作品の質はトップクラスかなというのが個人的な感想。突っ込みどころもなくはないし、最終章には正直「えぇ?…これってそんな話なの…?」と失望感もあった。が、しかしキャラクターに愛着は湧いてるし、お話的にも伏線らしきものは張られていたし、要するにお膳立ては整っていたので投げ出すことはなく読めた。そんでまあ、楽しかったです、結局。
エンターテイメントだと思ったら後半から強烈に雲行きが怪しくなってきたが
もうここまで付き合ったのだから(すでにプレイ15時間以上)と最後まで読んだら
やっぱりエンターテイメントだった、という感じ。



学園を舞台にした学園ドラマ?ミステリー?サスペンス?みたいな内容で
登場人物達の予想のつかない行動や展開に振り回されながらも
犯人や物語の流れを予測しつつラブコメが来たかと思ったら
いつの間にかループ(?)とかも加わってきて、とすごく雑多なお話。
少なくとも開始から15時間くらいはそんな感じだった気がする。
物語における明確な指標というか行きつく先というか
「この物語は〇〇である」「目的は、主張は、伝えたいことは〇〇である」ということが
確定するまでに非常に長い時間を要するので、読む側としては感情移入がし辛い部分がある。
色々なキャラが出てきて色んな事件や出来事は起こるけど
極論、誰が主人公格であるのかすらいまいちはっきりしないので、
物語の登場人物に自分の感情を添わせづらいというかさ。
どういう立ち位置で読めばいいのかが判らないんです。

それが悪いという訳じゃないんだけどね。
物語中には「犯人当て」や「ループ?」「それぞれの正義」といった
推理や対立要素があるため、特定の人物を主人公としないことによって
容疑者から除外させず、あるいは主義主張に掛値をつけさせないようにしよう、
ということなんだろうし、実際読んでいてつまらないという訳でもなく
色々と出てくる謎が気になって第三者的な立ち位置で読み進めていける。
ただなんとなく心細いんだなあ、これがw
「こいつは(色んな意味で)信じてもいい」というのが一人もいないってのはさ。

上記の通り、何が正しいのか常に翻弄してくるような内容で
かなりの長編ノベルでありながら飽きさせずに楽しませてくれるし、
前述の通り物語の大きな謎や伏せていた情報が明かされる山場がいくつかあって
正直その時はめっちゃくっちゃに面白い。
犯人の正体もそうだけど、〇〇の正体がエージェントだなんて正直予想してなかったし
良い意味で刺激的ではあったね。
SF要素もまあありがちではあるけども、実際それで面白い思いをさせてもらってるので
突飛には感じたが受け入れられないこともなかった。

ただまあ、それでも引っかかった点はある。
最後の第三部。「話し合いをして戦争を止めよう」っていうやつ。
この作品がそんな話だとは思ってなかった。
別にメリケンと中東の話とかが読みたい訳ではなかった。
ただ俺は「犯人は誰だ!?」や「消えた彼女たちの行方」とか
あるいは「ポリスメンまで出張ってくる陰謀の正体」だとか
そういう判りやすく楽しそうで、興味を惹かれるお題目があったから
読み続けてきただけなんだよね。
最初っから「この話は戦争を止めるお話です」と案内があったら間違いなく読んでないw
しかしこれまで20時間近く読み続けてきたのでキャラクターに愛着はあるし
物語の結末だって気にはなる。
そんな感じで、こういうのもアレだがいくらか騙された気分のまま読み続けてみたら
これがまたピタゴラスイッチのごとく色んな要素がうまくはまり込んで
大功を成し遂げる快感が味わえるという、つまりこの第三部もしっかり
エンターテイメントとして判りやすい楽しさがあった。

そう、つまり「戦争を止める」という言葉から思い浮かぶような
肩肘張ったガチさや説教臭さが薄いんだよね。それが良いのか悪いのか判らんけど。
ラッキーマンとまでは言わないが、なんでもかんでも上手くいってしまう流れは
もはやファッションラブアンドピースに見えなくもない。
が、しかし実際読んでて薄っぺらいとか馬鹿馬鹿しいとかは思わなかった。何故か。
そこで登場するのが恐らくメインヒロインである遥ちゃんです。
いやひょっとするとメインヒロインは村上君なのかもしれないけどもw

本作において彼女は多くの役が割り当てられており
いわゆるトリックスターなんだけども、行動の目的は常に一貫してる。
それは読み進めていくにつれて判明していくんだけど、これが面白いところで
「遥の目的」がそのまま「本作品の目的/終着点」となっているんだよね。
この感触を言葉で言い表すのがなんかすごく難しいんだけど、
「面白いけどこの話、どうしたいのかがよくわからんなぁ~」と思っていたところに
「実は最初の最初っから遥の目的としていたことこそが、この話の目的なんですよ」と
めっちゃプレイ時間をかけた後にやっとこ判明するので、こう、今までの話を振り返って
ピタッと刷り込まれるというか、錯覚してしまうというか…
とにかく「戦争を止めよう」とかいうデカすぎる目標に対しても違和感を抱かずに読み続けられる。
今までの長い旅路や度重なるループ等の全てが一つの理由に収束していくその力強さと余波で、
上手いこと読み手を騙してくれていたように思える。
思い返せば粗は結構見つかるんだけど、読んでいた最中は勢いや雰囲気にのまれて
ただひたすらに面白いだけだった。なのでまあ今更細かいことを書く気にはならないかな。

加えて言うなら遥のビジュアルにかなり釣られたことも否めないw
萌えイラストとはまた違うコミカルな感じの絵だけど、表情豊かでものすごく可愛いんです。
俺様娘すぎて自分はちょっと好きになれないキャラなんだけど(というか性格が悪いとはっきり説明されてる)、
それでも見た目はやばいくらい可愛いので
「なんかむかつくぞ、てめコノヤロ、可愛いからってなんでも思い通りになると思うなよ!」と
見た目に騙されて最後まで読むことを決めたり、腹黒さが判明してからなおも演技に騙されて
ちょっと萌えたりしたオッサンが申しております。
あっ個人的にはニセ姉一押しです。大好きです。何だこの可愛い生き物は。
最後の最後で「お前5年あったのになにやってんだよ、油断しきってるんじゃねーよ!!」と言いたくなった。
そんなところも含めて可愛いので始末に負えない。



とまあそんな感じで、なんかよくわからない話ですげー長いけど
飽きずに楽しめるしところどころグッとくるところもある、結構な優良作品。
すげー長いとは言ったけどよく考えるとフリーでこんな文章量の作品はごく少ないので
腰を落ち着けてガッツリ読みたい人にはなおさらお薦めできる。

自分はとりあえず次回作のなろう小説を読んでみようかな。



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