meroronさんの「虚構英雄ジンガイア FINAL」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

ハチャメチャで無茶苦茶! でも面白いと信じて突き進むその姿勢は数年前の同人作品を彷彿とさせ、最初はついていけずとも、いつからか心が熱くなっているではないか!!! そんな厨二燃えゲかと思いきやなにやら謎に満ちた展開が続き、半分ぐらいしか理解できない状態が続く……。 しかし、そんなカオスな設定や謎をまとめあげ導き出されたラストには不覚にも涙してしまった。
ジンガイアは作品の性質上、ネタバレなしでの感想は非常に難しいので最初からネタバレ気にせずに書きます。

気になる人はふりーむからvol1だけでもやってみると良いでしょう。
https://www.freem.ne.jp/win/game/11832




vol1は急展開! そして残酷! これに尽きるでしょう。
唐突に異世界へと飛ばされるのですが、いきなり〇は死ぬわ、〇〇は人間やめるわ……。
あまりにも救いが無さすぎる展開の連続に驚愕する人は多いでしょう。

しまいには、vol1では主人公である英雄は何の力もない一般人ってのがまたね……。
鬼桜の人たちとかなんで一般人なのにそんなつえーんだよと突っ込まざるを得ないのに英雄だけ無力。現実は非情である。
(いちおう想像力がその人の能力に繋がるという設定はあるのだが、なんか違和感が拭えないでいる)

しかし急にナンシーがメンヘラ化け物になったりと、理解が追いつかず展開についていけないと思うこともある……。
けれども導入として必要な、インパクトある人を惹きこむ展開を作ることには成功しているワケだ。



そしてvo2。
自分はこの2がめっちゃ好きでして、とにかくハチャメチャでインフレしまくりのバトルが熱いこと熱いこと。
演出も、このvol2が一番光っているように思えました。

多分ですけど、vol2とFINALのデザイナーさんって別の人になりました……かね?
vol2は画面の切り替わりが多く、読み手を飽きさせないような作りになっていた。

技を繰り出すときのカットインがいちいちかっこいいし、カードを駆使する戦法でちゃんとカードの画像を表示させたりするところとかね……。
そのスピード感はなかなかお目にかかれないハイレベルなノベルゲーでのバトル演出でした。
ゆえに燃え度はこのvol2が一番良かった。



vol3では一転してそれぞれの登場人物の過去話がメイン。
これも結構面白いんですが、場面展開が急すぎて「あれ、いま誰の話だ?」となることが多々ありました。
まぁ、この分かりにくさは狙ってやっているのかもしれませんが理解7割で読み進めることになったから、そういったモヤモヤ抱えながら読むの苦手だと結構苦しいと感じるかもしれません。

ただ、テツの話とかはかなりじーんと来たりして、vol2からの緩急の付け方としては非常に巧い構成だなと思いました。



最後にFINAL。
結果的には面白かったのですが、実は不満点もいろいろあったエピソードでもあります……。
まず、vol2と比べて演出センスが大分変ってしまっていること。
通してやったから余計に感じました。絵柄の変化もそうだし、カットインの出し方とかも大分弱くなってしまったかなと思います。

蛭田さんがあまりにも魅力ないぽっと出の敵であること。
作中でも言われていますが、最川の方が立派だし似た者同士とされて僻まれて相討ちにされるのは最川さんがあまりにも可哀想ではないか……。
まぁでも彼の感情がありえないとかそういうことではなく、これば僕にとってただの嫌悪なんですよね。
自分で努力して抜け出そうとしない本当に不快なキャラクターでして、そう思わされてるのは僕も作者にうまく踊らされてるなーとも感じてます。

最後に、ナンシーと真衣ちゃんは悲劇のラスボスとして立ちはだかっていましたが、あれが結局なにをしたかったのかイマイチ分かっていない……。
ナンシーのお腹の子とは……真衣ちゃんが怪物になって死んで現実世界に戻ったはいいが決着の付け方が消化不良……そもそもテッドってなんなんねん……などなど。

あと必殺技に麻雀の役をつけるのはやめよーよさすがに笑うわあれ……w


けれども、けれどもなんですよ!

僕がこの作品の何が好きかって、はためんどくさい設定や構成を組み立てておいて読者を混乱させておいて、カオスすぎる展開で引っ掻き回しておいて、この世界が作られた理由ってのが「大介が過去の自分に自分の想いを託したいか」っていうあまりにも愚かしいが切ない単純すぎる理由だったこと!!!! これが凄く好き!!!!!

ここまでやっておいて、ここまで苦しめておいてやりたかったことがそれかよ!!!!と。
でも、そこまでやるからこそ大介の狂気や想いの強さが感じ取れるし、ここまでやったからこそキャラクターの気持ちというのがビシビシと伝わってくる。

あまりオリジナル世界での静との馴れ初めって描写されてなかったけど、そんだけお前は静のこと好きなんだなぁ……と。
多分、これで静との物語をもっと深く描写してたらもっと感動していた気がする。


そして、テーマ性はいろんなキャラクターを描いているからあっちこっちしているのだが、
その中でもちゃんと親としての絶対正義を描き切っていたのが良いなぁと。

そこだけは終始ブレていなくて、オーシャンブル・ブルーが至った境地と、最後に英雄が大介のために自らを犠牲にする姿。
親は自分の子供のためならどんなことからも守ってあげて、それを絶対正義と強く描き切った。
寄り道は多いけれども、それをちゃんと貫き通したのは見事というほかありませんでした。

あ、ついでに厨二秒として魔女フォクシーとか第n世界脅威とかの設定めっちゃ好みなんで同じ世界の別作品とか出す予定あるならすごくやりたいです。
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

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