MetheMailさんの「虹の彼方に」の感想

F&Cの成分を凝縮したようなゲーム。豪華な声優が場を盛り上げる。天然で質のいい素材を使った薄味料理にどこまで満足できるか。
カード判定で生徒会の仕事の成否が決まるというよく分からないゲームパート。
真新しいことは新しいもののオマケ程度である。
実際の中味はほぼ純粋な正当派の学園AVG。
舞台は文化祭。
よくある、団結して1つのことを成し遂げようという青春ストーリーだ。

システムは凝っている。
キャラの好感度などが逐次確認できるのは良かった。
ただし凝りすぎて失敗したきらいがある。
二種類あるスキップは違いがよく分からないし、インターフェースはごたついている。
慣れれば良いと言われるかもしれないが、なにせエロゲーの学園AVGである。
慣れる前に終わってしまった。
好意的に解釈すれば、アイディアを盛り込んだ「画期的」なシステムであった。

F&CというとCGが綺麗、シナリオ微妙というのが定説である。
ご多分に漏れずその路線を特急列車で全速走行している。
グラフィックは多少ばらつきがあるものの総じてクオリティが高い。
キャラ絵が気に入るかどうかという点だけに集中できるだろう。
かたやストーリーには見るべきものが特にない。
ただ、このゲームに関して言えばそれはマイナス要素として働いていないとも言える。

ドラマチックな展開や丁寧な心理描写を求めるには物足りないだろう。
しかしはじめから「脳内で補ってくれ」と言わんばかり。
割り切っており、逆にスッキリしている。
ユニークなキャラの固有性も活かしている。
淡泊ではあっても雑な作りではない。
ぼんやり最後までプレイできるゲームだ。

BGMや音楽は雰囲気をうまく作っている。
ギャグになりすぎずシリアスになりすぎず。
微妙なバランスに貢献していたと言える。
ヴォーカル曲も3曲あり、オープニングムービーも二種類用意されている。
これを気合いの現れととるか、絞りきれなかった作り手のエゴととるか。
微妙なところだが、どちらのムービーも悪くない。
コミカルなアニメーションやシークエンサの凝った演出が心躍らせる。
このムービーがなければ魅力は半減していたかもしれない。
ゲームのスタンス、見どころを伝えるのに最適だった。

らしいといえばF&Cらしい嫌みのない、いい作品。
ただし嫌みがないいうのは必ずしも純粋な褒め言葉ではないことも意識されたい。
この場合の「いい」は、女性が「いい人ね」と言うときの「いい」である。

(オススメ度…★★★)

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