yatomaさんの「ことのはアムリラート」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

非常に評価が難しい作品。エスペラント語に興味がない方にはお勧めしない。異世界ものならば150点、百合物としては40点。
 この作品の一番の醍醐味と他の作品との一線を画すことは、やはり知らない言語を主人公と一緒に勉強していき、相手が何を言っているのか理解できた時の嬉しさを共感することであって、エスペラント語を適当に読み飛ばすとこの作品の楽しさの半分も理解でいないと思います。
 自分は、エスペラント語(人工言語)に興味があったのでノートもとって進めていきました。そのためプレイ時間のほとんどはノートとの睨めっこでした。ノートを取らない場合のプレイ時間は5-7時間程度でクリアできると思いますが、やはりその方法はお勧めしません。
 で、実際にこの作品の勉強方法1回で覚えられるかというと、無理だと思います。短いシナリオの中に凝縮しているので所謂詰め込み式で、その場限りで覚えられてもあとで絶対忘れると思います。特に、接頭辞などは後半の方いきなり大量に出てきて覚えさせる気が無いように感じました。
 が、恋愛シミュレーションゲームの特性上、多くのプレイヤーが2週目をプレイすることは分かっているので、2週目前提の難易度でも確かに良かったとは思いますし、2週目をエスペラント表記でプレイしていると、よく見る単語は自然に覚えられて、結構他の教材を使ってみてもすぐに理解できるほどにはなりました。なので、恋愛シミュレーションゲームと上手く融合できていたと思いました。
 そして、実際のエスペラント語とユリアーモ語との違いは文字位ですし、またその文字も理解していれば難なくローマ字でも入力できるので違いはほぼないと思います。自分はノートにユリアーモ文字で覚えてしまって、書くときに逆にローマ字の小文字を忘れてしまう現象はありました・・・oに,入れてしまう・・・


 エスペラント語に関してはこの程度にして、内容に移りたいと思います。
 異世界ものとしては、別の世界でも日本語が通じるお約束を破ってきた着眼点は素晴らしいですし、その対象言語を人工言語にするのも非常に面白い。そして、主人公は異世界で言葉が通じない事での不安や、元の世界に戻れない事で諦めなければいけない事、それでも、心の内を隠すように笑顔を振りまいたり、見ないふりバカなふりをして何とか自分を保っていることなど良く描けています。
 レイとルカが仲良さそうにユリアーモで喋っているのを見て疎外感と嫉妬を感じ、悲しくなるのは実際にプレイヤーも感じることで、より一層感情移入できました。
また、小さいことですが、単語表を見てこれ英語じゃん!と思ったとき、凜もそういう反応をしていて面白かったです。
 ただ、補助金制度の問題点とかなんだか関係なさそうだけれど国の事情もしっかりと設定が作られていましたが、活かせていなかったですね。


 そして、百合に関しては、昨今流行りのなんちゃって百合ですかね。
ルカからの好感度が最初からMAXなのはまあ凛の外見がドンピシャでタイプだったからっていうのは理解できますし、また逆もしかり凜からルカも外見は好みだったというのでいいんですが、
恋人になるまでの過程はやはり百合ゲーなのですから描かなくてはいけないと思います。
凜からルカは、助けてくれた恩や、依存していくうちにそれが恋のようなものになっていった解釈もできますが、ルカからは絶対に何か理由が欲しかったです。
 なので、百合を期待している方には全く面白くない作品だったと思います。


 キャラクターに関しては、みなさん仰る通りルカが最高に可愛い。
かわいらしい性格にやはり聞いていて心地よい声。言語学習もあるので聞いていて苦にならないのは非常に助かりました。ルカの声が可愛いからずっと聞いていた人もいるのではないでしょうか。内田秀さん調べまくりました。
 そして、攻略対象ではないけれど魅力的なレイさんのAさんの話。
皆が皆、この世界に馴染んでいたりとか、元の世界との決別をできるわけではないし、帰れる可能性がないというのなら今の状態でも幸せを感じられるけれど、帰れるかもしれないという希望のせいで元の世界への想いを思い出してしまう。人として仕方が無い葛藤も無視せず語っていて、もう少し掘り下げても良かったと思います。


 シナリオ、エンディングに関しては、薄かったです。
 やはり、言語学習に時間を割かなくてはならない以上、ミドルプライスでは限界があったと思いますが、せめてエンディングは落としてほしかったです。
 起承転結の転と結が非常に短く、あっという間にエンディングに入ってしまい、元の世界の生活と、ユリアーモな世界との違いであったりとか、親や友達とルカどれが大切かなどの葛藤でもっと時間を割いても良かったと思います。凜はさっぱりしている性格のようで、実は自分に自信がなかったり、突発的にやってしまった行動に対して後から後悔してしまったりとなかなか人間味のある性格なので、プレイヤーが飽きるくらい、悩んで悩んで悩みぬいて欲しかった。
一番やってはいけない、なるようになるさ論で片づけてしまったから、この世界での成長を全く感じられなかったです。
 エンディングは、ルカも空の変化に気づいている描写があったので想像はしていましたが、後日談が欲しかったです。余りにもあっけなく、またルカの家庭の問題など色々想像していたにも関わらず終わってしまって、面喰ってしまいました。


 システム面は、スキップが機能しないのは1.05aで解決しているみたいです。
ただ、余りにもパッチを出すのが遅すぎて自分は1.04でプレイしていたので、面倒くさかったです。
 OP,ED,BGMは、可もなく不可もなくでした。


 総合的に見ても、言語学習、異世界ものとしては最高に面白いテーマでしたが、恋愛シミュレーションゲームとしてみると、薄っぺらいものでした。これがミドルプライスではなくフルプライス以上で、さらに濃いものであったとしたらという夢を見てしまうほどに惜しい作品でした。
 とても記憶に残る作品にはなりました。

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