4Dさんの「八月の化け物たち -1/6の奇妙な真夏-」の感想

フリーノベル。ジャンルで言うなら伝奇異能バトル。TYPE-MOONの世界設定を参考に上条先生を主人公に据え、ジャンプのバトル漫画をやってみました、という感じ。これで内容の大体9割くらいは説明できてる。正直なところデキは…うーん…趣味や同好会で作った作品というか…まあそんな感じwただこういうの一昔前は山ほど見かけたもんだけど、でも最近は随分減ってあまり見かけなくなっていたせいか「なつメロ」ならぬ「なつドージン」という感覚で割と好意的に読めた。内容はどうあれ読了まで30時間以上かかる文章量をもってしっかり物語を完結させたことも賞賛に値すると思う。それがフリーノベルなら尚更ね。
連作形式のノベルで最初はシェア配布、途中からフリー配布に切り替えたそうな。
一話あたり大体2~4時間くらいのテキスト量で、それが12話まである。
なので一通り読もうとするとかなりの時間がかかる。

隻腕の主人公が古臭いほこらに入ったら生首のお化けが出てきて
「お互いに利益があるからアタシと組んで化け物退治しないかい?」と誘われ
その気になってみた、という話。
その後の展開も王道というかジャンプ的というか、仲間が増えたり新しい力に目覚めたり、
昨日の敵が今日の友になったりと基本に沿った作りなので
飽きを感じることはあるかもしれないけど、しかし大きくハズれることもないんじゃないかな。
後はまあ、色々な意味で古さを感じさせてくる。
それは例えば「さっき月姫プレイしてきました!!」といわんばかりの設定がダダ漏れだったり
恥ずかしい自論やお説教がたくさん出てきたり、
はたまたラジオ局と称した登場人物の座談会が毎回ラストに行われたりw

ただなんつーか…そういう古さの何もかもが懐かしい。
ちょっと稚拙なところも含めて、ね。
これで伝わるかどうか判らんけど、
「美しい線、綺麗な塗りで描かれたパーフェクトなエロ絵」より
「ちょっとヘタで素人臭さのあるエロ絵」の方が抜けたりする感覚、あれに近い…ような……
うーん違うか。なんだろう、これはこれで味がある、とでも言えばいいのかなあ。

正直なところ話も展開も結構雑で、同人ということを念頭においても
目に付く部分は少なくない。手垢のついた流れも多く、目新しいものは何もない。
だけど「あーあー、またそんな勢いだけで物事進めちゃって。もうw、しょうがねえなあw」
という気持ちにもさせられてしまうんだよね。
前にも別作品の感想で書いた覚えがあるけど、俺はこういう
「とにかく好きで、自分がやりたいことに全力で臨んで、楽しんで作ってます!!」という作品に弱い。
例え稚拙であったとしても、そういう作者の感情は文字を通して必ず伝わってくるからさ。
自然と好意的になっちゃうんだよなあ。
そんで人間、好きな相手のアラには目をつぶるし、良い所は取り立てて目が向かうもんだ。

キャラクターには中々魅力もあるし、各話ごとに次の話に向けてのヒキがしっかりしてるし、
「とりあえず次の話も読んでみるか」「んーまあ次もいってみるか」とかやってる内に
この長い話、全12話を読み終わることができた。
ケチつけようと思えば多分誰でも、いくらでもケチはつけられるだろうけど
うんでも俺、これ読んでて楽しかった。
バトルがメインの話だけど、個人的にはキャラ間のダベりを見てる方が面白かったな。
点数は他にある優秀な作品とも比較して相対的につけてるから
どうしても高得点は付けられないんだけどさ。
でも「よくがんばりました」というハンコがこの作品へ押されることに
誰も異論は差し挟まないんじゃないかな、とも思う。

これだけ頑張って作った割に、レビューの類がWeb上に一切なく
異常に知名度が低いので感想を書いてみた。あんまり具体的な感想になってねえかw
同人ノベルなんて日の目を見るのはごく一部ってのは昔から変わらないのかもしれないけど
自分と同じように、年食った人があの頃の同人をもう一度、みたいな感じで読む分には
少なくともこの作品を楽しめるんじゃないかなあと思うよ。



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