えびさんの「眠れぬ羊と孤独な狼 -A Tale of Love, and Cutthroat-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

絵24+文22+音18+他18 エロゲの選択肢は、今やその意味が軽すぎるのです。
ファーの付いた白いモッズコートのあざみ。
黒いダウンジャケットにぼさぼさの髭面な“俺”。

白と黒の対比は、真逆でありながら、同一性を秘めた二人の印象とよく似合う。
そして、それは本来の羊と狼の外見的な特徴と比べると、真逆の対象にそれぞれの色
が配されているというのが面白い。

クリア後のスタッフコメントで、両者の立ち位置は当初逆だったという事で、それを
あべこべにキャラクター造形に取り入れた部分は、結果的に本作の美点となった。


欲望とバイオレンスが詰まったハードボイルドな臭いの男性キャラ達の魅力は、この
ライターの強みであり、本作もイケメンおじさま達の渋さにキュンと来る。


しかし、まあ、本作の評価が、『Maggot baitsに比べると』という枕が付いてしまい
がちな部分は、色々と突き抜けていた、あの作品よりは大人しく、こぢんまりとして
しまった本作品、あるいは、同ライターの以降の作品に、今後もまとわりつく宿命み
たいなものか。

同様に、エロ方面も大人しい内容(感覚が麻痺してる?)で、阿久津ゲーにしては物
足りなさが残る作品でもあるかと思う。


ラストの三択はすべてが正解とライターは語っているが、このフォローがなければ、
どの結果も選べずに、ユーザーに丸投げして逃げを打ったようにも見える為、やや読
後感は微妙なものに。
例えば、“選択肢のない”映画や小説、マンガなどなら、きっとこのラストはどれか
を選んで描いているだろうし、あるいはすべてが正解であるというなら、銃声の後に
暗転などして、結果は語られないまま、美玲辺りのモノローグで終幕しそうだ。
しかし、本作はエロゲであった故に、“選択肢がある”事が仇となってしまったよう
にも感じられる。

セーブ&ロードはもちろんの事、便利過ぎるくらいに気の利いたシステム周り、ルー
ト分岐やCG回収といったフラグとして簡素化された判りやすさは、選択することへ
の迷いや決断を曖昧なものにしている。

エロゲの選択肢は、今やその意味が軽すぎるのです。

すべてが正解であるのなら、それを簡単な選択肢で並列に描いたのは、どれも不正解
であるような重みのなさに繋がり、演出としては失敗ではなかったかと思えてしまっ
た。


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