peacefulさんの「真・恋姫†夢想 -革命- 劉旗の大望」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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おかえり、一刀
世間の評判ほど、そこまで出来は悪くはないと思う。
勿論他の革命シリーズよりは劣るが、無印よりは少し下か、同等ぐらいと私は評価する。
それに元々リメイク前の蜀√は不評で、ラストも超ご都合だったことから、
今回は料理する素材自体に問題があったのは否めないところ。
しかしながら、それを払拭しようとする努力の改善跡が見受けられ、かなり序盤は攻めた構成を敷いたと感じる。
ただし中盤以降は疎かになりがちで、中だるみ気味だったのは痛いが……。


【序盤:桃園の誓い~反董卓連合】
最初に驚いたのは、蜀篇でありながら出会い頭で愛紗がトゲトゲしたり、一刀がチヤホヤされないこと。
悪くないというか、むしろ当然のリアクション。(今までが異常だった)
あと自分は慣れて感覚麻痺しているが、初見の人は、序盤は性急すぎて付いていくのが大変そうだ。
流れとして、最初に太史慈や張三姉妹、凜や風、蒲公英たちとの出会いと別れを行き来しながら、
反董卓連合前に董卓軍と関係を持つのは、或る意味混沌とし斬新であった。
それ故に連合に繋がる経緯が他と微妙に異なり複雑になる事で、
過去のマンネリさを解消してくれる一因となっているのはありがたい。


【中盤:荊州への決死行~蜀誕生】
長坂橋での張飛無双が見たかったのに……苦戦にがっかりした。徐晃まで参戦するのは流石に厳しいか?
星の活躍はプラスだけど、魏軍は今回容赦なし。転じてヘイト値が上がる一方である。
あと焔耶がいつにも増してウザい。(前々から薄々感づいてはいたが、私は彼女がどうしても好きになれない)
他には翠が仲間になった時に一刀と呼ばれる強烈な違和感があったくらいで、特に普通の中盤。
ただ自分の勘違いでなければ、8章幕間の個別√の進行具合で、本編に先駆け紫苑や翠の真名がいきなり出てビビる。
これも複数ライターの弊害だが、キャラが多い分整合性が困難と云う言い訳はプロなので通用しない。


【終盤:定軍山蜀Ver.~赤壁】
南蛮調略時に水の浄化シーンは削って欲しくなった。(一刀の知識が漸く役に立つのに)
あと朱里はホント腹黒(個別√でも)。罠氏朱里で判明したが元シリーズとはもはや別人と判断。
声優さんも交代したし、無印~萌将伝の頃の彼女はいないと実感した一幕。
そんな中で終盤は魏への三面同時作戦がピーク、後は冗長でまどろっこしい。
特に戦闘はお互いに顔見知りがいるから、余計にやりにくいのだろう。
その顕著が江陵攻めであり、人質とかマジで茶番なため勘弁して欲しい。
そして革命シリーズで最も盛り上がらない蜀篇の赤壁。
中心に一刀が居なく後出しジャンケンの様相な上に、朱里独走が際立つ。
華琳のあっけなさもそうだけど、追撃戦で降伏という流れは正直ありえない。
そして最後は三国を纏めるのに外敵駆除して三国同盟で幕。何とも締まらない終盤展開だった。


【一刀(蜀篇)の不満】
魏や呉編と異なり、余り天の知識を公にしない一刀。(カタカナも皆からスルーされがち)
序盤はキレ者で、為政者の道を歩んでいくが、正直その後の成長過程が見られない。
天の御使いとしての民の心の支えという宗教的シンボルが色濃い反面、
もはや存在価値がそれのみという悲しい結果に。
それも覗きと盗み聞きを繰り返す時点で、人徳は桃香に劣るか。
これでは元からないけど、ヒロインからの御使いの威光はガタ落ち。
逆にたらし上手で、ちんこの使い(ちんこ太守)として本領発揮する始末。
特に月が風邪ひいて寝込んでいる(実際意識あったけど)隣で、詠とHしよとするのは正にドン引き。
まぁ白丹・空丹の学生服姿、白丹のジャージおさげに関して、一番の仕事をしたのは認める。
後に一刀がサバイバル技術や武術と兵法などを、自分の子供に教え込もうと決意する伏線があるが、
今回の蜀篇の主人公は、新田剣丞の様な万能型の方が望ましいのかも知れない。


【総評】
キャラ層に死角なしだけど、ヒロインの数が多い分、一人に割り当てられるエロシーンが少ない。(空丹とか)
また立ち絵はそこまで気にならないが、CGの一枚絵だと朱里や星が何か丸顔だったり、
紫苑の雷苦手設定が消失するなど、細かい所で既存ファンとして残念に思う。
そんなヒロインの中で最もファーカスされているのは、やはり桃香。
以前はあざとさや偽善が目立つ一方だったが、手を汚しても次の世代の橋渡しをする覚悟が出来た辺り、
確かな成長と理想に殉じる想いが伝わってきたのは好印象。
そしてその真価は、外史での彼女の理想を貫き通した流儀にある。
信念を曲げず、多くの人を束ねる力と人の想いが自分たちの力になる桃香の根幹を垣間見た。
むしろこれが本編のシナリオでも良かったぐらいの出来。

そしてサプライズとして、外史の漢女篇の一刀の存在も私の評価を上げた。
「全ての外史の全ての大切な人に幸せになって欲しい」
そんな呪いともいうべき信念が、試練を乗り越え、戻るべき彼女達の元へ辿り着く。

『真・恋姫✝夢想-革命-』とは三作品で一つの作品であることを、改めて実感する。

最後にもう一度、この言葉で締めようと思う。

「おかえり、一刀」
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