比翼れんりさんの「ワガママハイスペックOC」の感想

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もう一歩 もう半歩 正直に近づけたら 心の外側に触れられるの?
まどそふとの3作目にして、ブランド1のヒットになったであろう、ワガママハイスペックの続編。メイン4人のアフターストーリーとサブ3人がヒロインへ昇格し、7編の独立したストーリー集です。


まず、個人的にも本編が楽しめたことをおさらいしておくと

1.キャラクター同士、主人公との関係性を生かし、シンプルにそのままストーリーを展開できたこと

2.上記からの続きで、余計なシリアス描写を無くし、一人一人へ近づく時間をきちんと取ったこと

3.これは個人的なものも混ざるけれど、絵や声、そしてまどそふと一番のネックだった停滞するだらだらしたシナリオを、トーク中心に軽快に展開できたこと(これは絵師や声優の好き嫌いはあるけれど、ライターについてはいい人選だったと思いました)

など挙げられます。


そして今作OCでそれを継続できたかが、続編としてきちんと繋がりがあったかが、楽しめたかどうかのターニングポイントになります。


かおるこはそもそもの作品の中心に座る人物なだけあり、主人公との繋がりは描きやすいのかなと思います。彼女のアフターも"その続き"という意味では、非常に大切な物語であり、時折入るネタみたいな要素や、それでいて、いろんな意味での「partner」を再確認する構成を含めて、本編からの流れそのままに楽しくプレイさせてもらいました。何も特別なことはないけれど、1対1で向き合ったシンプルながら深みのあるアフターストーリーで、千歳の評価も上がる、満足のルートでした。

アーシェは元々本編からピアノ要素は飾り気味であったけれど、アフターはそのアーシェを追っかけてウィーンがメインの舞台に。あまり深いシーンを入れず、ペアリングで始まり、ペアリングで終わる所に標準を合わせたのは、限られた尺で展開させるには丁度よかった感じです。アーシェのしっかりした姿が生き生きと描かれ、時に嫉妬気味に求めるあたりは、らしさが出ました。サプライズの卒業式はあまりサプライズ感出ませんでしたが、みんなで写真を撮ったところは、あぁ続き物の締めくくりらしくていいなあ、とは思いました。

さて、おそらくメイン4人の中では1番人気のあるヒロインであろう兎亜。確かに僕も本編ではかなり好きでしたし、今作でもアフター後半のいちゃらぶぶりはなかなかだと思います。なぜこういう書き方をするのかというと、アフターの導入から中盤にかけて恐ろしく、まわりを巻き込むほどに自己中心だからです。兎亜のツンツンデレデレの落差は確かに持ち味かもしれません。個別ルートというのはローラーコースターのようなもので、何もなければいくつか山を越えて元の位置に戻ってくる、そこにキャラクターとしてのかわいさが加われば大きな推進力が突如生まれる、反対に大きな摩擦力がブレーキになる。本アフターの度の過ぎた一途さは、キャラクターとしの品位を下げかねず、一件の後引きや繋がりを考慮したとしても、酷く心象を悪くするものです。また、兎亜と直接関係はないけれど、サブキャラの言動が受け付けず、総じて残念なアフターストーリーでした。

未尋は終始安定したかわいさが光りました。それは本編から続くもので、アフターストーリーも、いい意味で何のひねりもなくシンプル。ひとつひとつ小さな出来事を重ねていくスタンスは、ファンディスクらしいものです。ワガママとは言いつつも、兎亜などに比べれば些末なもので、むしろ他人のルートでも、嘘でかき回す所にマイナス印象さえ抱いてしまった。未尋を思ってのことなのかもしれないけれど、OCの兎亜に限ってはクセが強く出た感じだ。

奏恋は、元々本編から好きなサブキャラでした。シンプルに仲を深めていくお話や、そもそもの舞台をベースにきちんと置いて、それでいて、いちゃらぶの要素も残した展開で、3人のサブのヒロイン昇格は奏恋だけでよかったのでは?と思います。まあタイトル画面からして、ヒロインは5人ってことか。と、わりかし満足のいくイフストーリーであるのですが、どうも中盤から後半にかけて、前述のとおりの舞台や家族関係の盛り上がり所が、その多くカットされており、これがFDとしての限界かなと感じ、そのあたりは残念です。

千歳は作家と編集という適度な距離感というか関係がよく、本編から、苦手なタイプのキャラクターに見えて、わりと好きなサブの一人でした。ヒロイン昇格はわりと評価できそうだったんですが、やっぱりサブキャラとしての役割だったからでした。ヒロインにそのまま上がると、どうしてもヒロインとしての"好き"には変化せず、ちょっと厳しい。短い尺でストーリー作るのは難しいでしょうが、ひとつ軽めの山を作ってみたのは、編集者ならではでしょうが、要らなかったのでは?と思ってしまいます。

縁は正直、ごめんなさい、好きになれないタイプのキャラクターで、その感情を排除して、穿った見方をしても、やっぱりどうも外したお話。そもそもの過程が他のヒロインほど無いので、くっつく流れからが、まあ早いこと。ストーリーは先生らしく、バイトNGと注意する体を見せることと、真の嫁に!という謎メイド講座で終わってしまい、何の盛り上がり所もありません。本編ストーリーの延長ではなく、補完ではなく、蛇足であることは間違いないでしょう。


と、ルートごとにバランスに差があり、本編から比べるとマイナス寄りに傾くも、まどそふと初のファンディスクとしては、やれることをやった雰囲気はにじみ出ています。歌しかりムービーしかり。大事なのは"次"の動きかた。さすがにこれを引っ張ることはないでしょうが、ブランドの方向性はこれで固めていってほしいですね。

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