比翼れんりさんの「王の耳には届かない!」の感想

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伸ばしたその手を掴め 誰も届かない場所まで 心のままに羽ばたいて
AXLの2016年2本目は異世界モノ。百花繚乱エリクシルやレーシャル・マージに通じる所はあるものの、イマイチ世界観を活かしきれなかったきらいはあるかと思います。


共通ルートの早い段階において、ヒロイン含めたキャラクター紹介は済まし、ヒロインとの交流、そして村のピンチというイベントが主題になります。よく言えばテンポよく、反対に見れば展開が急すぎて、あっという間に次のシーンに移ってしまうのがもったいないポイントですね。

シズルはお嬢様ヒロイン……というのを超えた隣国の巫女。国の問題とは言いつつも、湧いて出る悪役のおっさんが根源というのは使い回しですし、王の耳の残党が!という、この作品のおそらくメイン部分にも関わらずあっけない戦闘、そして終盤にふっと出てくるロゼッタが、戦闘の切り札……そもそもシズルの奇跡の力はそこまで切り取られていないし……など、上げればキリはなく。構成としてはおもしろいところがあるけれど、展開のさせ方にもう少し工夫があるとよかったのかなと思います。

コーリオは幼なじみに近いタイプで、恋心に気づいていくという描写が出ていて好きですね。ストーリーはシンプルに、仲を深めていくのが主で、大きく何かが起きるわけではないですね。一応山を作ろうという意図はあるのか、終盤にコーリオの出自やそれを取り巻く思惑があります。これがそこまで盛り上がり所に欠けるので、ひとつのイベントとしては機能するのかもしれませんが、最後にぽんとこれだけ持ってこられると、正直蛇足の設定だったのかと思ってしまいます。

ジーニアは王女様として、経験を積むために村に出てくる過程で交流深めていくというのがベースですね。それを生かして、ルートは王座の争いが描かれ、黒幕の宰相が暗躍するというものですが、他のルートでは触れられない王位継承権をシズルが持っていたという、寝耳に水な設定が出てくるのがよくわからないですね。ベースにある王の耳が出てきますが、組織としてだけではなく、本当の王という意味もあるのかもしれません。ジーニアが好きということもあり、楽しめたルートのひとつです。

ピオニィは義妹ヒロインも、しばらく主人公とは距離があったため、会った時から愛が溢れていく~というわかりやすい構図の個別ルートです。結婚してからの展開がメインで、組織としての「王の耳」が軸になります。ピオニィが敵になるわけではないですが、本性が現れた時にはゾクゾクするものがあり、さすがにメインストーリーだけあっておもしろかったです。構成としては最初にエッチシーンを固めているので、後半との温度差がかなりあるのが気になりますが、展開的には仕方ないですね。


早いスパン(といっても1年か)で出された今作は、久々に「おもしろい」と思う部分があっただけに、大きな世界観をどうストーリーに浸透させていくかが、今後の課題なのかなと思います。ルート間で設定に差があり(あえて出さなかったということもあるのかな?)、本当にライターさん一人なのかと疑問符はつき、次回以降はもう少しまとまりある作品を期待したいところです。

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