比翼れんりさんの「神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。」の感想

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迷える子羊な僕の願いは えっと普通の『幸せ』だったのですが…
Hulotteのヤバいシリーズも3作目に。今回は「神頼みしすぎてヤバい」 タイトル通り神様が中心に主人公をアシストしながら物語は進みます。

まず導入は、主人公が神頼みしすぎて縁がめちゃめちゃに、恋愛しないとヤバいよ!と神様こと麗と出逢うところから始まります。そこからなんだかんだ1年ぶっ飛ばし、ヒロインたちの通う学園に転入する、という、過去のヤバいシリーズを遥かに上回る迷走スタート。

そもそもこの主人公が好きになれず、自分が幸せになるために、欲望に忠実に、結局は自己本位の塊であります。ヒロインと心の交流を通して自然と結び付くイメージはなく下心オンリー。麗のイケイケ要素もありますが、こういう恋愛模様を見たいわけではなかったことは前提としてあることはご承知おきの上。


七海は首相の娘という、お嬢様ヒロインとしてはあまりない設定。SP花夜もセットでそれだけで登場人物が2枠取れますから美味しいといえば美味しい。出逢いが最悪だったので、当初ヒロイン3人の中で1番縁カウントを減らしてどう近づいていくかが、見所となるはずです。が、イベントは無難なものしかなく、彼女の普通の人として、という意思はそれほど物語の転換要素にはならず、さらに終盤の山となる、主人公への誰かからの嫌がらせは、小学生のように陳腐で、どうしてこういう流れを採用したのか、作り手の意図を聞いてみたいくらいです。七海のキャラクターの良さはそれなりに感じましたが、個別ルートのどこに注目すべきかはよくわかりませんでした。

鈴奈はアイドルヒロイン。あまりアイドルすぎず、丁寧に接してくれる等身大の女の子というあたりが好感度あげてくれます。そんなにタイプではないかなと思いましたが、個別ルートに入るとかわいさに気付いてくるタイプ。実は最初から好意を抱いていたというのは、元々ベースが皆無の3ヒロインをどう描写するかの匙を投げたように思います。これは全てに言えることですが、明らかに恋模様を描くには尺が足りない。設定を意識しすぎてそれがストーリーの足を引っ張ってるのは明白で、鈴奈ルートの山である「依存」からの脱却とこれからの「決意」は、もっと語られなければ結末など簡単に決まるものではないはずです。舞台の裏側を描いてこそ、メインストーリーが活きるというものです。エピローグ含めて綺麗にまとまりすぎですね。

最後の一枠はミステリアスな探偵?由香里ですが、正直なところ素直になれない、実は中身はかわいい系なヒロイン。余裕を見せたり、からかったりする一面があるも、心のうちは人一倍ナイーブで、告白を猶予しながら付き合っていきます。探偵とは仰々しく言うも、観察眼に優れていて、まわりを見渡す力があり、溶け込みやすい側面なんかもありますね。主人公のために料理をがんばったりと健気な年下らしい素顔も見せてくれる、取っ付きにくいようで実は取っ付きやすいヒロインなのです。最後まで探偵要素はそこまで活きませんでしたが、漠然とした眼前がハッキリしてく様は、流れとしてはあるので、キャラクターとして御三家3人の中では一番というのもありますが、足を引っ張る展開もないので、必然的に3人の中では一番好きな個別ルートでもあります。

そしてメインヒロイン4人目として、Hulotteの定番ともなるナビゲーターとしての妹枠、今回は神様。麗の明るいキャラクターは作中でもひときわ輝いており、好きなヒロインなのは間違いないです。ただ、個別ルートで謎の「実は妹だった」カミングアウトあたりでもう雲行きは怪しくなり、いちゃらぶの日常は楽しかったのですが、後半の「消える」お約束から再会までの過程は、かなりの酷さであります。確かに原点回帰はあると思いますが、何も深読みの必要のない薄っぺらい話。感動なぞ呼び起こすわけもなく、いくらキャラが好きでもそれを殺すぐだぐだには心底あきれ返りました。

花夜と真央はサブ扱いも、それなりに付き合う前段やその後もやり取りが描かれており、どちらも好感の持てる個別ルートでありました。
花夜はどうも苦手なタイプのキャラでしたが、ルートに入ってからデレを覚え始め、きゅんとするようになりましたね。
真央は元々好き好きオーラは出ていましたが、報われるお話になり、なんか不思議とホッとしました。


各ルートそれなりに良いところと悪いところがあり、やはり全般的にシリーズものにしようとして、設定や格好にこだわりすぎた感じがあります。そもそもの縁カウントがヒロインによって数値が桁違いで、それは攻略しやすいヒロインや難攻不落なヒロインがいていいとは思いますが、指標となる物指しがないのにどうやって距離を測れというのか。狭まるペースも違い、これならば10段階方式などシンプルな数字を用いた方がわかりやすかったのでは、と。わりと好みの合うストーリーを書かれるライターさんであり、ブランドであり、かなり期待はしているんですが、どうしたの?というくらいお粗末様さは目立ちます。また、キャラデザや音楽は安定感あり、過去から見ても遜色はありませんが、演出の一環としてのアイキャッチがこれでもかと入ります。流れ的にぶつ切りにするべきではないところにも入るので余韻が残らず、テンポを悪くする大きな障害です。それでいて時間経っているのにアイキャッチはなかったりするから余計に意味がわからない。素人でももう少し考えて作るのでは、と。ヤバいシリーズのくくりでは、もうさすがに天井は見えていそう。伸び代はもうなさそうなので、心機一転の次作となることを期待したいですね。

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