比翼れんりさんの「はるるみなもに!」の感想

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神々が出逢う 潮風が吹く街で 気づけば私は恋をしたの
クロシェットの最新作は、タイトルからして過去作を意識させるような、神様と習慣の根付く土地を舞台にした作品です。


共通ルートから話はわりと動き、キャラクターの紹介だけではなく、神様に限らず、妖怪やらも登場し、ヒロインたちが学園に集合し、ポンポンと部活を作るまでスムーズに進んでいく、そこまでが一区切り。まぁ、この辺でもう、雲行きは怪しくなっていましたが……

叶は作品のメインに座るポンコツ神様。彼女が神様になるに至った過去やポンコツをはねのけて土地の皆に認めてもらい新しい形作りを担っていくという、作品からしたら王道の話なのでしょう。芽以との「神殺し」バトルから始まり、いろんな展開がてんこ盛りながら、あまり深く感じないのは、ひとつひとつの話題がどうしてもポップになってしまい、同じことの繰り返しだったりもするわけで、あまり前に進んでいる感じがないからでしょう。結局エンディングとして、水緒里とのバトルからの、山神と海神の地域をまとめるという、みんながハッピーエンド……なんでしょうけど、何か違う気もしました。

水緒里が作中では中心に据えられ、各個別ルートでも水緒里が全面に出ていますね。他のルートでは、敵対する何かが後半の山場に用いられる傾向にありますが、このルートでは、水緒里自身と主人公、二人で一人というスタンスで、事態の収束を図っていくわけです。大きく話を混乱させるわけではないものの、望都や依子の絡みを含め、作品の核と背景を感じさせる内容であり、わりかし満足のいくルートになりました。その分他のヒロインとの交流は弱く感じましたけれどね。どうしても近親やらというのは薄めに描かれており、エッチが合法化、むしろ主題に持ってきているのをどう見るか、というのはありますが。

芽以は電神として、主人公の町にやって来るところから始まり、最終的にはこの場所で祀られるわけですね。この芽以というヒロイン、非常に緩急があり、緩い球でカウントを整えたかと思いきや、ズバッと直球を投げ込むイメージです。それでいて内と外の使い分けも絶妙で、このあたりはさすがの沢澤砂羽さん。むしろピタッとハマった配役かもしれません。個別ルートも、緩急を意識しているものの、電神の力封印からの、力の復活? そして黒芽以との対峙…と繋がるのが後半の見せ場ですが、あまり相手方が敵として存在しているわけではなく、芽以の覚悟をもって、締められるわけです。これがメリハリがあるかと言われると疑問符がつき、もう少し工夫はなかったのかなと。結局はキャラクターの良さに終始左右されるお話かと思いました。

英麻は幼なじみヒロインで、お話としては神様うんぬんより、神前結婚式はあるものの、全体的にあくまで普通の女の子としてのもの。幼なじみから恋人への変化はあるものの、ストーリーに変化はなく、過程を踏みながらエンディングへ、という王道の中の王道。個性的なヒロインが多い中で、ある種のバランスを図るルートになっていたと思います。英麻のキャラクターは、とても親しみやすく、あまりキャラゲーのイメージのない花澤さくらさんがマッチしていて、そこはとても良かったと感じました。望都の正体が明らかになるのは水緒里ルートとここだけれど、ここではそれはそんな重要なファクターではなかったのかなぁ。

明日海は共通ルートからの変化がかなりあるヒロインですね。神様が嫌いだったはずなのに、共通ルートの一件、そして神様部を通して、神様を受け入れ、その先まさかの自分が神様になってしまうというね。波乱万丈な話ではあるものの、共通から個別に至る繋がりは良く、またキャラクターもクールながら時折見せる表情がいいアクセントになっており、総合的に楽しく思えるヒロインであり、ルートでした。ストーリーだけ切り取ると、平穏な英麻ルート寄りかと思ったら山場はバトルもの。いろいろ山や谷を付けたからか、そこに割かれるボリュームも少なく、キャラクターだけでなんとか……という典型的なルートにも感じました。


作品の傾向としては、だれすぎず、というかかなりポップな作風で、かなり強めのキャラクターもおり、キャラゲーとしての明るさは常時あるのがポイント。その反動か、ひとつひとつの話題への掘り下げをシリアス一歩手前で引いて、簡潔にしているので、読み物として見るのは厳しいかと。その点では、残念ながらここ夏には及ばないと思いました。ただクロシェットの十八番である、濃いめのエッチシーンを織り交ぜ、ポリシーは揺らぎなく、エピローグは子供とのCGという(悪く言えば使い回しなんだけど…) ヒロインの繋がり(多義)を意識させる作品であることは疑いようがないでしょう。

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