比翼れんりさんの「春音アリス*グラム」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

謎が解けるように恋を知って 乗り越えてきた日々
NanaWindより発売されたARIA's CARNIVAL!に続く、不思議ファンタジー学園モノ。延期に延期を重ね、3年ぶりの新作(Flowering skyからは2年ぶり)となりましたが、中身は良くも悪くも新しい要素は感じませんでしたね。シェアワールドの要素もあり、続編とはいわないまでもアリアズはプレイしておくことが無難かなと思います。


ボリュームのわりに中身がないというのは、こういうことを言うのだろうな、と思えるくらい、まずは共通がわりと長めに感じます。耶々を中心とした、謎解きモノの一端も見せますが、その相手の後ろ姿が大きく見えるわけではなく、そもそも謎解きというほど、謎も凝らせたモノでもなく。事件を何度か繰り返し、犯人探しという場面もありますが、気付いたら何事もなかったようであり、キーになってるのかよくわからず、共通からモヤモヤします。

優理は生徒会長らしいしっかりした一面と、少しふにゃっとした一面を併せ持つ、cv遥そらさんが存分に出たヒロインですね。主人公と過去の接点があったようですが、覚えていない節は、正直聞き飽きたし見飽きたし、鈍感な主人公にはイラッとします。そして、肝心のルートは優理が生徒会長になった経緯と、その過去がメインに据えられ、新生会との対立の構図も説明され、根本の設定を補完する意味では、役割を果たしたお話。正直盛り上がり所もなく、可も不可もない出来とは言わざるを得ませんけれども。

エリサは異国のお姫様。あまり作中でそれらしさは出ないですが、奏雨さんのほわわーんとした雰囲気がよくマッチしており、ストーリーのメイン軸に据えられているのもよくわかります。おじいさんの残したお宝を探して、主人公たちの前に現れるわけですが、個別ルートもZERO騒動の延長にあり、アリスグラムを解きながら、時計塔を上っていく終盤と繋がります。おそらく作者は、RPGやらこういった謎解きゲームに影響を受けたのは明らかで、さながらダンジョンを巡り、階層を上って、最上階のラスボスと、今時こんなテンプレあるんだなと、笑えます。ZEROの正体も想定通りでバトルらしいバトルでもないし、エリサの突然帰国エンディングまで含めて、過程が無いわりに、よくここまで中身のないシナリオ展開させるなと感服いたしまた。

一葉は付き合い長いということもあって、ある程度のベースを前提にしており、波奈束風景さんの落ち着いた演技もあいまり、とても親しみやすいヒロインですね。風紀執行部としてのキリっとした一面とプライベートのかわいい一面と、使い分けも上手く、作中他ルートでは目立たないものの1キャラクターとしての完成度は非常に高いです。日常シーンも満足できるものですが、どうしてもルートのマイナス要因になっているのが、やっぱり皮肉にもアーケン。ZERO騒動の流れにのった大組織の目論見を暴いて、悪を成敗、加えて主人公の父親についてもフラグ回収というのが個別ルートの大まかな内容。確かに必要な切り口だとは思いますが、チープというか作り込みが甘いというか、発生した1イベントを起点にして話がまぁ広がらないこと。展開を派手にしたからこそ、粗さが目立ちました。こんなんじゃ未来の風なんて吹かないよ。

雪は小動物系で、料理やゲームが上手いなど、プレイ側としては好感の持てるキャラクターで、杏子御津さんのほわっとした十八番のような演技もハマっていましたね。ストーリーは共通から端々に語られていた"悠久の場所" 前作との繋がりも意識されますが、雪の理想と現実を対比させどう向き合っていくかが、主題。作中の中ではわりとキーポイントの話に見えますが、個別ルートは淡白なもので、とくに後半の山場もあっけない感じがあります。ただZERO要素を長引かせなかったことなど、あくまで雪個人にシフトしたルート構成だったのは、無駄がないとも捉えることができ、シンプルな味付けながら素材が生きたように思いました。

くすはらゆいさんのオンオフの聞いたボイスがぴったりの耶々は、一番主人公の近くにいるからか、作中通して好感度高いヒロイン。恋人になるまでが、もう少し気持ちに素直になれない葛藤を挟むとおもしろそうなんだけれど、まぁかわいいし許しましょう。ストーリーは過去の出来事がメインに据えられており、祥子との確執なんかも交え、わりと伏線に近いところをなぞっています。前作からの流れを踏まえ、全体を俯瞰してみると、重要なファクターであるのは確かであるものの、やっぱりどうしても純粋にキャラクターを売り出してほしいな、とは思いますね。


コンプ後の印象はどうしてもアリアズシリーズの焼き直し。世界観は共通しているので、続編と見るか否か。共通に多くを割いていたり、謎(アリスグラム)を題にしたわりに個別ルートの温度差がバラバラだったり、芯のない統一されていない作品に思えます。シナリオを意識したわりには、その多くが寒く不発で、キャラクターが印象いいだけに、もっとシンプルな作品となることを期待したいです。

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい466回くらい参照されています。