tanisigeさんの「アマツツミ」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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名は体を表さない
【総評】
一本道系のシナリオとヒロイン個別を兼ね合わせた特殊な構成で、短所も色々目立つものの
比較的読みやすいテキストと各ヒロインの魅力もあって、総合的には良作であると言って間違いない。
ただ、シナリオゲーとして評価するにはやや物足りない部分もあり、どちらかというとキャラゲーとしての評価である。

「脱落式」採用の上、「本筋ルート」と「派生ルート」に分けた結果、ヒロイン個別にあたる「派生ルート」が
おまけのようなものなってしまっている点や、最重要設定であるはずの「言霊」がご都合主義であったり、あやふやなところが見受けられるなど問題点も多い。
ただ、それ以上に見過ごせない問題は何と言っても、主人公である誠氏ねの存在である。


【誠氏ね】
本作の主人公である誠は、閉鎖的で代わり映えしない、現代社会から隔離された里が嫌で脱出し
田舎町に着の身着のまま降りてきた世間知らずの男である。
そうした「神」である「言霊」使いの誠が、現代社会で様々な人にふれあい「人間」になるという基本的な流れがあり
誠のキャラ付けはそうした演出の一貫であるという前提は分かっているが、それでも突っ込まざるを得ないところがある。
まず、里から出てきたばかりの誠は、「言霊」の乱用が目立つ。
そもそも「言霊」は、自分が発した言葉で対象の行動や意識等を操ることができるという能力であり
「言霊」と意図せず発した言葉でも効果を発揮し得ることは作中で指摘されている通りである。
だからこそ、里は現代社会から隔離されて生きており、里内でも必要以上に喋らないというのが、基本的な設定なのだが
作中序盤の誠はそんなことはなかったかのように使いまくる。
命令や要望を発した言葉であっても「言霊」になっている時となっていない時があり、作中でルールが統一されてないのも問題だと思うが
それ以上に、そうした危険な能力でもあることを誠は当然知っていたはずなのに、平気で乱用してしまうところは
そこそこいい歳である主人公としてはあまりに幼稚で不用心だと言わざるを得ない。

また、誠は基本的に流されやすく、里では貞操概念が緩いという補足説明があったことを加味してもあまりに下半身に忠実過ぎる。
序盤に「言霊を使ってやらせてもらうのは"ちょっと"気が引ける」みたいな説明があったくらいだから、このキャラ付けも意図してるのだろうが、少々効きすぎである。
名前が「誠」なのもわざとやってるのではないかと思うくらいだ。
里でずっと過ごして来た許嫁を捨ててやってきたんだから、こっちで可愛い子がいたらやりまくる。
まぁこのくらいはまだいいだろう。エロゲ主人公なんだから。
でも、許嫁が追いかけてきても気にせず別の女とやる。ヒロインのルートに入ってなくても(恋人になってなくても)構わずやるし、やった後も何気ない顔でまた別の女とやる。

こうした主人公の節操のなさは、前述の通り意図したものであり、こころルートや愛ルートではその不貞さが多少指摘され、話の後半では改善もされるが
それでもやり過ぎと言わざるを得ないだろう。
ヒロインは処女なんだから、主人公も個別に入るまでは童貞でなければいけないなんてことを言うつもりはないが
ここまで誠氏ねぶりを見せられると、プレイヤーとしては一歩引いてしまって、主人公のことを一人称で見れなくなってくる。
この点は、もう少し何とかしてもらいたかった。

【愛】
意外と珍しい幼馴染で許嫁という設定もさることながら
ドSでありながら献身的で、妖艶でありながら幼いところもあるなど、背反する性質が印象深い。
愛自身は幼馴染ヒロインとしてやや完璧すぎるくらいの魅力を持っているが
主人公の誠氏ねがあの通りなので、浮気されるのをつい許してしまう共依存妻的なところが引っかかる。
幼馴染ヒロインというのは、主人公との双方向的な関係性が重要であるが、誠氏ねから愛への愛情は上辺の言葉はともかく、やや軽薄な印象が否めない。
というとこで、主人公のせいで幼馴染の強みが若干薄れているが、そこを差し引いても素晴らしいヒロインであった。

【ほたる】
唯一「本筋ルート」しかないTrueヒロイン。小倉結衣さんの飄々とした演技が光っており序盤から存在感があったが
彼女の見せ場はなんといっても、終盤の闇ほたるが表れてからだろう。
闇ほたるが病気になる前は恐らくこころと普段はしゃいでるような明るい性格であったことが示唆され
それと病んでいる時の荒んだ様子との対比が、このキャラの魅力である。
明るくひた向きなほたるも、一枚剥けば闇ほたるのような清濁併せもった部分もあるということで
両者の関係性をもっと掘り下げるところが出来たら、キャラ萌え的にも更に捗った感じはあるが
最後は、言霊の万能で終わらせたのはちょっと残念だった。
どちらかというと闇ほたるの陰鬱さに惹かれたので、エピローグでもそこら辺の色をもう少し残して欲しかったところである。
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