比翼れんりさんの「アマツツミ」の感想

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それは蛍のように 儚くても 切なくても 輝き続けたい
パープルソフトウェアのクロノクロックに続く作品。作風が似ているのは同じライターさんというのがあるでしょうけど、今作はなかなか構成がよかったなと思います。時計という限りあるモノではなく、概念のない言霊をキーにしたのも可能性を広げる意味では効果的でした。この手には珍しく、共通ルート内でエッチシーンがありますね。ただ、ひとつひとつの話が次への布石でもあり、ラストが総てと言わざるを得ず、正直最終話までは踏み台でしかないですね。縦の繋がりはあるけれど横の繋がりは、個別ルートに入るとよくみられるように、案外脆いのかもしれません。


言霊という強力な力を秘めた主人公が人里でボーイミーツガールするところから動きだします。嘘を重ねながら疑似家族を作り、あずきの死期に力を使い瀕死になるも、愛の登場で持ち直す、というところまでが本筋。ここで分岐点。正直、ここから緩やかな下り坂になる気がします。

こころルートへ分岐すると、主人公と一番近い存在だったからか、シンプルに偽の兄妹で悩んでいた関係が、言霊が解除された時に、他人同士になった時にこころが受け入れていられるか、そこに終着点が来ます。キャラクターとしてのこころはとても表情豊かでかわいいですが、ラストの"真実"を知ってからの心情がよくわからず、主人公も意思が揺らいだりと尻すぼみな個別ルートになってしまいました。

次に響子。ルート分岐前までの本筋部分は、響子の霊感と主人公の言霊が合わさり、過去との決別、未来への一歩が描かれます。大本の話とは少しずれる気もしますが、これ単独で見ればアリかなと思います。気になるのは響子個別ルートへ分岐してから。なんかよくわからなくなります。結局守護神は多く語られず、ベースのストーリーだった霊感を無くすこともなく、いたって普通にエンディング。キャラクターも好かなかったので、少々辛い時間でした。どうしても繋ぎのルートという印象が強いですね。

愛がおそらく物語の中心になるのかなと思いましたが。共通部分は、呪いを解いて新しい愛が出来上がるというところまで。キャラクターがさらにかわいくなったようでそこは好評価。希と里での過去が語られ、それがスパイスになりますが、分岐後の愛個別含めて、ボリューム少なく見えます。個別ルートで"恋塚愛"として再スタートを切るという所にしか良さは無かったように思います。

そして、最終話、端々で見られていたほたるの真相へ。END1と最後に解放されるEND2があるので、ヒロインは登場順に攻略していくのがいいのかなと思います。ここまでの中で、ヒントは多々あり、大方予想通りの真相。END1がベースにEND2がなされますが、ハッピーエンドは別にしてもEND2の、オリジナルとコピーの対面やお互いの気持ちを確認する点がエンディングとしては特にふさわしいかなと思います。ただ主人公があれだけ殺したいと思っていた感情が移り変わっていくのがあまりにも簡単。どちらも"ほたる"ということに気づいたと言うだけで話は片付いてしまうのかもしれないけれど、ここは残念なところ。この"ほたる"という2面性あり、クセがあるヒロイン。演者の小倉結衣さんが、これでもかというからいハマり役。

何事も等価交換。言霊を使えば命を引き換えに。オリジナルとコピーを入れ換えれば均衡は保たれる。大きな山にぶつかったと思ったけれど、物事というのは案外単純なもの。ただ、その考えをベースにすると、先には進めない。それが真のエンディングに繋がる。交換ではなく、あるべき形に戻る。それが自然な姿であるなら当然の帰結。神道がベースにあり、難しいように見えるけれども、わりと話は単純なものなのかもしれません。

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