ban_07さんの「トラベリングスターズ -Traveling Stars-」の感想

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やっていて楽しかったし、どちらかと言えば好きではあるが、明確な不満点の残る作品であった。
全体的な雰囲気や日常のやり取りなどはHOOKらしさもありやってて楽しかった。しかし、今作では姉妹ブランドのSMEEやASa Projectを意識していたのか、部分部分でHOOKらしからぬ顔芸などが見受けられ、その部分が悪目立ちしていたのは実にもったいなく感じた。
もう少し純愛ブランドとしてのHOOKらしい落ち着いた日常で描いてくれればもっとブランドの魅力とマッチした作品になったのではないかなーと思わないでもない。

ヒロイン自身は魅力的だったと思うし、話自体もほぼ悪くはなかったと思う。だがメイン6人の加えサブもルートがありボリュームもそこそこあるのでどうしてもダレてしまう部分もあってそこは残念。
ヒロインが6人もいればさすがに気に入ったキャラとそうでもないキャラが出てきてしまい、そこまで好きになれないキャラはどうしても楽しみきれなかった。前提として「ヒロインがかわいい」という部分があるため余計に。

各ヒロインの個別について簡単にプレイ順で

・紗彩
再会型悪友系幼馴染み。
実に自分好みな気安く付き合える関係のヒロイン。
話的には「向き合うこと」みたいな感じ。主人公と一緒だったときのことと主人公と離れてからのことそれぞれに対して。
紗彩が好きになれればたぶん楽しめるんじゃないかと思います。

・レア
ギャグ&茶番。
上記で軽く触れた顔芸枠。
ヒロイン自身がギャグだがルートも大概。終盤の展開が本気で困惑してしまった。
おそらく作中一番話の出来がイマイチではないかと。

・イライザ
お嬢様系。
悪くはなかったがそこまで好きにもなれなかったヒロイン。
話としては「夢」とか「目標」のような感じかな。魔女の家系として、育ててくれたおばあさまとのこと。
自分はそこまで好きになれなかったが、話自体はそこまで悪くもなかったので好きになれれば楽しめるのではないでしょうか。

・クロエ
THE クーデレヒロイン。
実に素直にかわいいなーと感じられたヒロイン。
話は設定から十分想像できる「種族差」のお話。吸血鬼として生まれ持った性質と人らしくありたいと願った想いとの隔絶。
話の出来もヒロイン自身もおそらく作中一番安心して魅力的に感じられるのがクロエだと思います。

・ジルコニア
甘やかし系お姉ちゃん。
かわいいにはかわいいのだけど、話がどうしてもうーんとなってしまってモヤモヤが残ってしまった。
なんというか、いい加減HOOKは「死」を関連付ける話やるのやめません?設定的に他のルートどうなっちゃうの?とかいろいろ引っかかってしまって素直に楽しめないし、何より純愛を目指すHOOKというブランドとのギャップが強く違和感にしかなっていない。(以前PriministArでも同じことを思いました。)
ぶっちゃけ作中で一番エロかったと思うんですが、話が話だけに素直にシコれなくてモヤモヤ。絵的にもまかこさんこんなエロい絵描けたんだってなるくらいエロかったし、上田朱音さんはさすがという他ない演技を魅せてくれていたので余計にそう感じてしまった。

・フィン
純真無垢な天使。
素直に何でも吸収していって、素直に気持ちを向けてくれるので実にかわいい。
話としては「成長」でしょうか。これまで巫女として言われるがまま、乞われるがままに動いてきたフィンが自分の意思で決め、行動するようになっていく話。
分かりやすい成長物語でクロエと並んで安心して楽しめる枠でしょう。

・サブヒロイン's
パスカル先生&さっちん先生、ベアトリス、ミーシャ(初回特典)
ぶっちゃけサブヒロイン攻略って必要です?個人的には不要というか、中途半端で手抜き感も感じてしまってなんかうーんとなってしまう。
サブヒロインって攻略できないからサブヒロインって枠なんじゃないんですかね。攻略できるっていうならメインでいいのではって思ってしまいます。そのどっちつかずな状態がどうにも……。
正直3ルートとも短くてどうこう言うこともないくらいなんですが、1点だけ。ベアトリスのルート入るのすげーめんどくさかったです。なんてあんな入り方にしたんですか。紛らわしいにもほどがあると思うんです。


そんなこんなでHOOKSOFT15周年記念作としてはいろいろもったいないところも多かったかなぁと感じた作品でした。
何度も言うように楽しめなかったわけではないので、余計に残念だった部分が際立ってしまったのかなとも思う。
ぜひとも今後はこのマイナス点をプラスへと昇華していってくれることを願わずにはいられない。
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