isumiさんの「コッペリアの墓標と廻る恋のはなし」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

螺旋階段はくるくる回る、報われない恋もくるくる廻る
むかし、むかしというほどむかしではなく。
今よりもすこしだけ前のお話。

世界の端っこの螺旋塔には悪い魔法使いが住んでいた。
螺旋塔からは世界の全てを見渡すことが出来た。
しかしそこに住む魔法使いは一人ぼっちだった。

くるくると終わりの見えない塔は永遠の孤独を思わせ、
時の経過を知らせる鐘の音はうつろに響き渡り。
魔法使いは一人きりの自分と、
自分を一人にした世界を呪いながら生きていた。

いつものように世界を見渡しながら呪っていたある日、
魔法使いは一人の人間に目を留めた。
とある国の王族の一人である人間は、優しく、美しく、
――そして沢山の人に愛された
魔法使いとは対極の存在だった。

魔法使いは一目で人間に恋をした。
それから毎日暇を見つけては人間を見つめた。

あるときは笑い、あるときは泣き、あるときは怒り。
くるくると表情をかえるその姿は幸福に満ちていた。
人間は、いつもどんなときでも一人ではなかった。
厳しくもやさしい家族、かしづく家臣達、そして忠誠を誓う騎士…
たくさんの人に囲まれ、幸せそうに笑っていた。
それなのに、魔法使いは一人ぼっちだった。
魔法使いは世界を呪い、自分を呪い、そして人間を呪った。
そしてついに呪いに倒れた人間を螺旋塔へさらってしまう。


その後二人はどうなったかって?
残念だけど、この先は魔法使いと人間しか知らないんだ。

伝えられた物語はここまで。
伝えられていない物語は、ここから

(以上、OHPより抜粋)

フリーゲーム
記憶をなくした主人公には、愛しい彼女がいつだって側に。

繰り返しプレイ前提のノベル。間違った選択をするとすぐにバッドEDになるため難易度は低いです。
さて、このゲームを語る上での重要なキーワードは「精神的NTR」
ループものであるということは早々にネタばらしされていたため、当初は「ライヒがライヒに対して抱くものか」と思っていました。
ところが本作の精神的NTRはそんな単純なものではありませんでした。
登場人物のほとんどが幸せになりえない結末を迎えるであろうことは、後日談を見て初めてわかります。

そういうことだったのか!という絡まっていた糸がほどけていくような爽快感はありますが、プレイ後に爽快感はありません。
だからといってバッドEDかというと、そう言い切れない後味の悪さが残ります。
ゲーム終了後にも(おそらく)続いていく報われない恋に思いを馳せ、余韻に浸りましょう。

――でも、囚われのお姫様は何も知らないからとても幸せ

以下、ネタバレ感想














そもそもこのお話は「誰にとって」の報われないお話だったのでしょうか?
①ウィンダムにとって
愛しいお姫様をさらってきたのに拒絶され続け、彼女の瞳にはいつだってライヒしか映っていない。
徐々にネリネの記憶の中に侵食していくものの、きっとその時ウィンダムに向けられた笑顔はウィンダムではなくライヒのものであるはずです。
本人も言っていたように愚かな選択です。

②ライヒにとって
囚われた愛しい人を助けに来たのに、魔法使いに殺されてしまう……だけではなくそれからも別の死体を使って生き返らされ続け、ネリネの望むとおりに行動しなければ同じ時を繰り返す。
ライヒでありながらネリネの瞳に写っているのはオリジナルのライヒだけで、更には徐々にライヒの記憶は魔法使いに侵食されていく。
これからもライヒは目の前で愛しい人の中に自分以外が入り込んでいくのを見守っていくしかないのです。

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