エストさんの「W-Standard,Wonderland Lv.1」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

高レベルの演出、過去作MYTHと比べて格段に分かりやすくなったシナリオとテキストのおかげで、考察ゲーでありながらエンタメ作品としても十分に楽しめるという稀有な一作。基本的にはMYTHを思わせる作りだが、核心となるテーマについてはむしろMYTHの真逆を行った事も興味深い。続編が非常に楽しみである。
過去作「MYTH」では神的存在の描いた筋書きに踊らされる架空の人間達を描く事で、そこには存在しない筈の「人間の生」を強調して描き出すという手法が取られていた。例え決まりきった運命に翻弄されるしかない偽物の人間であっても、彼等がそこに感じる喜怒哀楽や強き意志こそが「人間らしさ」であり、それがある限りで彼等は「人間」であるというのだ。誰にレールを敷かれようが、そのレールが不幸せな結末に繋がっていようが、その中でクオリアを感じている限りで彼等は「人間」であり、その生は尊い。

しかし今作ダブワンは少なくともlv.1結末時点において、この結論の真逆をいっているように思える。アトゥムによって運命が制御されている中で生きる事をエバンナは否定する。それはまるで導かれる赤子のように未熟な在り方であると。
トトもまた「運命に抗う事」をセレクテッドして、完全な自由の中にこそ「人間性」を見出している。「機械」であるアトゥムが提示する人類にとって幸福な運命を捨ててでも、古河を含めみんなを幸せにする選択肢を自由に模索する中に「人間らしさ」を感じているのだ。そこでは感情や意志よりも、アトゥムにしてみれば人間の錯覚でしかないところの、「幸せ」という『価値』に執着する姿に強く「人間性」が見出されている。だからトトは「人間」として運命に抗うのだ。
もしこれがMYTHだったなら運命を受け入れて終わりだっただろう。

今作は現実世界と幾多の架空世界が入り混じる構成を取っているなどMYTHを思わせる要素が強いが、核心のテーマ部分は異なる結論を取った事が興味深い。また、エバンナの髪色の変化など数多くの謎も残されている。
彼等がlv.2以降どんな物語を見せてくれるのかが楽しみでならない。
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい206回くらい参照されています。