oku_bswaさんの「マジカルアイズ -Red is for anguish-」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

街で発生する怪奇な事件を巡って、人間・異形・マツロワヌモノそれぞれの想いが錯綜していくミステリーADV第一弾。登場人物の内に秘めたる熱い想いが印象的。フルボイスは勿論のこと作品世界を感じられるMAP選択や時系列が一目で分かるフローチャート、推理モードにクリア後のおまけも充実していて、「高品質」という表現がぴったりの同人ゲーム。特筆したいのは完成度の高さだが肝心のシナリオも面白いし、是非とも多くの人にお薦めしたい一作。
・簡単なあらすじ
生物や無生物が強い感情を契機にして異形化し、人の手には負えない様々な怪異を引き起こす。主人公・天河勇は学友である緒方千春との穏やかな高校生活を楽しむ一方で、マツロワヌモノとしてそうした事件に対処する日々を送っていた。
そんな彼の元に、街を静かに賑わせつつあるとある変化と、人形が人を襲うという奇怪な事件が舞い込んできて…。

シリーズ第一作目ではあるが一応今作でも完結した物語になっている。
公式ブログの例えを借りて説明すると『名探偵コナン』のような感じ。コナン君は行く先々で様々な事件に巻き込まれてそれを解決しているけど、大本の黒の組織関連の事件については依然として継続中のままである。

今作もメインである人形事件については綺麗に解決されるが、近頃の犯罪件数の異常増加(物異にも影響を及ぼす?)という大本と思しき事件については次巻以降も引き続いていく。
他にも
・冒頭の御伽話との関連
・おまけシナリオでの千春の謎
・千春が入手したアクセサリー
・主人公の過去や家族、マツロワヌチカラについて
・???side
など、まだまだ明らかにされていない事柄は多いので今後どうなっていくのか気になるところ。

推理モードは現時点では今日一日で知った情報を整理する程度で、難易度も高くないしあまり積極的に推理しているという感じはしない。(マツロワヌモノとはいえ主人公は探偵ではなくあくまで一介の高校生なので、証拠を集めて犯人を当てるというよりは入手した情報を落ち着いて積み重ねていく形になるのは仕方がないのかも。)
ただ推理パートについては「シリーズ一作目からあまり複雑にして敷居を高くしたくない」という意図もあるようで、次巻以降からは新しい機能も追加されてより本格的になっていくみたい。(参照:http://magicaleyes-dev.blogspot.jp/2014/08/blog-post_11.html)
個人的には東視点での推理パートがあれば面白いなと思う。立ち位置としても人間側のもう一人の主人公という感じだし。

ミステリーADVと銘打たれているが、第一章ではミステリー物としての面白さ(過程を推理する楽しみや思いもよらないトリックに翻弄される楽しみ)よりも事件に関わる登場人物の想いや信念といった心情的な部分の魅力の方が大きい。
特に脇役の男キャラが良い味を出していて、声優陣の熱演もあり、そこには見ているこちらが思わず掻き立てられるような静かな熱さがある。終盤の田村や東のシーンはグッときた。

マップ選択は時系列の区切りで同じ地点を連続して選択するところもあり、そこら辺に少し面倒臭さを覚えるかも。ただこの作品、シナリオに直接関係しない部分にまで凄く手が込んでいる。マップ選択やフローチャート、推理モードもTIPSもおまけのマテリアルも、シナリオを成立させる為の必要不可欠な要素という訳ではないし、ぶっちゃけ無くても構わない。だけどあれば登場人物が何時・何処で何をしていたのか分かりやすく理解することができるし、彼らが息づく作品世界をより身近に感じることができる。
こうした、プレイヤーが『マジカルアイズ』という作品をより深く味わう為の妥協しない作りに好感が持てる。今後もこのクオリティを維持したまま進んでいったら凄いシリーズになると思う。

同人ゲームにしてはちょっと値段が高めで費用対効果が優れているとは言い難いけど、それ相応のクオリティは備えていると思うし公式サイトを見て興味を持った人はプレイして損はないと思う。
開発中の第二章『indigo blue heaven』編も今から楽しみでしょうがない。

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