くるくすさんの「リセレクト」の感想

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ちょっとお説教臭いけれど主張自体は悪くないし、雰囲気も儚げで良い。ただ展開が荒唐無稽だ。
 さて、いきなりヘンな美少女が目の前に現れて、あなたの個人情報をいくつか言い当てた後「未来からやってきました」などと告白したとしたら、あなたはどう対応しますか? 以下に4つの選択肢を用意してみました:

1)逃げる。怪しげな宗教の勧誘かもしれない。こちらの個人情報を言い当ててくることからして、もっと危険な人物なのかもしれない。
2)騙されたふりをして付き合ってみて、隙あらばお持ち帰り。
3)黄色い救急車を呼ぶ。
4)信じてあげる。

普通は1か2の行動をとるのでしょうが、この主人公はなんと4。ライターさんもかなり導入部で苦労していらっしゃるようですが……ファンタジーはできるだけ緻密に話を進めないと、子供じみた感じが際立ってしまいます。序盤でタイムスリップを受け入れるよりも、主人公が最後の最後に彼女の正体に気づくような展開の方がいいんじゃないかなぁと。あるいは親子関係を確実に証明できるような何かを導入する――例えば作品の舞台を1999年ではなく近未来にとって、誰でも簡単に遺伝子を検査できるようなデバイスを登場させるとか、あるいは、ファンタジー世界を舞台にして、魔法か何かで親子関係やタイムスリップを証明するとか。
 その点、同ライターさんの「明けない夜が来る前に」(2010)は丁寧でした。出会ったばかりのヒロインが突拍子もないことを言い出すのは本作と同じですが、冒頭で主人公が通行人に干渉できなくて困惑している様子を描くことによって、非日常を受け入れる素地を作れていました。荒唐無稽な話にできるだけ説得力を持たせようとする姿勢に、好感を持てます。
 気になったことをもう1つ。出会ってまだ間もない割には、ヒロインが主人公に対して妙に説教臭いのです。一般論だけエラソーに語られても、主人公は戸惑うだけでしょう。そもそもメッセージ云々をストレートに表現してしまうと、道徳の教科書のようになってあか抜けない印象を受けます。


■2016年6月13日 一部修正

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