merrinさんの「放課後の不適格者」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

右、左、もう一回左っ!キックはハッタリっ!本命は体当たりっ!!
このゲームを始める前にいろいろと評判は聞いておりましたが、実際に自分でやってクリアしてみると、人によって評価は違うんだ、いうことを再認識させてくれた作品で
気になる点は多々ありますが、それでも、やって良かった、そう思える作品だったと感じています。

まず、特に良かった点は戦闘シーンの描写でしょう。テキストといい、演出といい、戦闘の臨場感をものすごく感じることが出来ました。作中の中で光る、というか印象に残る名文も幾つか散見されました。

「ジャブは牽制っ、本命はその後の回し蹴りっ!」

「最初は右っ、そのまますり抜け様に左っ!」

「右、左、もう一回左っ!キックはハッタリっ!本命は体当たりっ!!」

「そのマーク!君は不適格者か!」

など、声に出して詠みたくなるほどの名文があり、これだけでもこのゲームをやって良かったと思います。

戦闘シーンだけだはなく、主人公とヒロインや仲間との会話にも、光る名文があったと思います。

「たとえ良い結果を生まないとしても、嫌いになる理由にはならない」

「………しばらく僕を放っておいてくれ、イツカッ!!でないと僕は、君を憎んでしまいそうなんだっ!!頼むっ!!」

「女の子は一番好きな人には、どれだけ汚れていても構わないから、自分達にとっては白馬の王子様でいて欲しいのよ」

「――――――最後のダンスは、末永さんに譲るわ」

など、このゲームは非常に名言が多いなと感じました。
最後の、改造される前にみんなを逃して、異世界イツカとの戦闘で傷だらけの状態で晴香の家に向かう途中、『ラストダンスは私に』を口ずさむシーン、イツカの机に「おかえりなさい」と掘られているシーンは、泣きそうになりました。
私は特に朝顔ルートがお気に入りで、夕顔を殺してしまった自分に負い目を感じているイツカと、そのイツカを支えてあげたいと思っているけど、なかなかイツカに声を掛けられない朝顔が、だんだん距離を縮めて、幼馴染ではなく恋人になっていく過程がとても良かったです。
それ以外にも、委員長ルートでは、委員長がイツカを好きになった理由を語るシーン、晴香ルートで純が死んだあと、みんなで写真を撮るシーンとか結構良かったなあという感じです。

また、このゲームはボーカル曲、BGMともに、とても素晴らしいです。
『鵺の森』の

「これは 夢かもしれない 悪い夢なんだ」
「どうして どうして 愛しているのに
許して 許して 苦しまないで」

という歌詞は、まさに過酷な運命を背負ってしまったイツカやクラスメイトのことを歌っているように思えます。
BGMも好きなものが多くて、特にお気に入りなのは『ラストダンスはわたしに ver.2』、『スノードーム』、『赤い洗礼』、『I’m home』、『陽だまりのesquisse』などです。

しかし、このゲームは手放しで絶賛は出来ないと思いますし、人に勧めるのも少し躊躇われます。やはり、設定に粗が多く、気になってしまう人にとってはそれが気になり、なかなか物語に集中できないのではないかと思うからです。
私は、細かいことはなるべく気にせずプレイできた方だと思いますが、それでもツッコミどころの多いご都合主義みたいな設定とかはありました。
また、結局異世界イツカ達を操っていた真の黒幕は誰なのでしょう?最後の異世界イツカとの会話も抽象的でなんとなくでしか理解できませんでした。
それに、イツカは改造されて異型の怪物に変身してしまうクラスメイトを殺していくことしか出来ず、またクラスメイトも、イツカに殺されるしかない運命なのに、あまりにもあっさりとその事実を受け入れているように感じました。死ぬとわかっているなら、あんなに普通に日常を過ごすことは出来ないのではないでしょうか?
さらに言えば、怪物に変身したあとのクラスメイト達に、自我が残っているっていうのも少し微妙だな、と思いました。
イツカに自分がしようとする攻撃のヒントを出したりするのですが、それのせいで戦闘シーンが茶番劇っぽく見えてしまっているのかなあと感じました。シリアスなのにどこか緊張感がないというか、当事者意識が足りてないというか、そういった印象があります。

総合的に見て、この放課後の不適格者は面白かったですし、やって良かったと思います。
プレイ時間もそんなに長くないので、サクッとまではいかないですがダレずに最後までプレイできる作品だと、私は思います。

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