ヌイさんの「雨に歌う譚詩曲 ~A rainbow after the rain~」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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苦しみを、諸手に抱えきれない苦しみを受けながらも、その記憶こそが彼らを生きながらえさせた。そして傷を負ったもの同士が出会い、短い同居生活のなかで向き合い始める。
「殺して欲しいのに......死にたいのに、死ねない。記憶が......希望が、枷になって、苦しくとも死を選べない
終わりのない......拷問......しかし
しかし記憶を失うことを恐れた。その全てが無になることを許せない。だから......生き続ける......」
本当に自死を望んだ人が、永遠への一瞬を前にして臓腑に刃を突き立てることができなかったとき、死およびそれに伴う苦痛と死後の未来の不確定性を恐れたのではなく全てが無に帰すことへの恐怖を感じたのではないだろうか。
苦しみがなくなることを望んだはずなのに、いざその時になれば苦しみがなくなることが許せなくなってしまう。しかしこれこそ未来をみつめる生き物である人間がその不安に押しつぶされて一人残らず死んでしまわなかった理由でもあると思う。彼らはそうやって煉獄のような生を耐えていく中で運よく青空に架かる大きな虹を見ることができた。でもきっと雨が降っていたことを忘れることはないだろう。七色の高架下にはその名残が静かに溜まっているのだから。その風景さえもやがて過去になり未来は繋がっていく。

今回はなんと言っても場所選択がなく日常場面の使い回しによる尺延ばしがなかったので今までのEMUのなかで一番短くテンポよく感じたのでそこは良かった。
ただ話全体としてはrailwayのほうが好き。理由はわからないけども最後の爽快感の違いでそう感じたのかもしれない。日常場面の掛け合いはおもしろかった。

悠 最後の最後で今日子さんが全てを持っていってしまいましたね。ED後に出てくるのも今日子さんだけだし。お前と読んでいいのは未来の夫だけって件が可愛らしかった。終わり方が少し安直な感じがしたのはいただけない。父親が殺した母親の墓を立派にしたのはあれこれ推測されているが、結局なんでなんだろう。愛した人に対するせめてもの罪滅ぼしだったのか自分が一度は愛した人間をちんけな墓に入れたら示しがつかないとでも考えたのか、あくまで事故に見せるために悲悼の意を表そうとしたためなのか。父親に関してはあまりにも描写が少なかったのでわからない。(あれほどまでにお金に拘ったのは自分に振り向いてもらうためだったのかなとか色々想像した。)

みつき 多重人格ときいて最初はるかが恐れたのは治療によって自己の存在が消えてしまうことだったのかなと思っってた。だからはるかが孝一を殺そうとした理由がわかったときは少し意外に感じた。

美佳 「痛覚は意味もなくあるものでもない。もちろん罰のためにあるものでもない。
やっちゃいけないことを自分から理解するためのものなんだ」という部分とBADENDの暴走が印象的。

七菜子 「傘になる。いらなくなったら捨てられてもいい、だから.......」正直一番不憫で痛々しく感じた。

美夏 いや好きな人の部屋を毎日爆発させるのはどうなの。

基本的に一人ひとりが傷を抱えどこか狂っているように感じ精神異常者と健常者の違いってなんなんだろうって考えさせられた。両者には明白な違いはないのかもしれない。精神が異常であるかどうかは結局のところ孝一の言うようにそれをどう受け止め捉えているかの違いでしかないように感じた。


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