nanachanさんの「幻創のイデア ~Oratorio Phantasm Historia~」の感想

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『―この場には多くの想いが交錯している。しかし,どの想いも――――決して揺るがないほどに強い―』(作中より)
本作をジャンルづけるならば,「異能力バトル物」といったところであろうか。過去の大災厄によって荒廃した世界の中で,異能の力を有する「稀ビト」,「幻ビト」たちが刃を交える。厨二ど真ん中な設定で,いかにもその能力を駆使した熱いバトルが展開されるように思える。

もっとも,本作にそのような面を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。作中でそのような戦闘は数えるほどしか行われないし,行われたとしてもほとんどが一瞬で片が付く何よりも,同系統の作品でほとんど必要不可欠であろうラスボスとの戦闘さえない。

それは,「異能力バトル物」であるにもかかわらず,本作においては「バトル」そのものがさほど重視されていないからであろう。本作の見所は,ギリギリの状況下に置かれた登場人物たちの内面にある。自分の弱さを直視し成長する,苦境に際してなお自分の信念を貫く,譲れないものを守り通そうとする,そしてその想いをぶつけ合う。主義主張に納得できるか否かは別にしても,彼らのそのような描写は見応えがあったし,心にグッとこみ上げてくるものがあった。

個人的には登場人物たちの内心の描写がメインの作品が大好物であるので,非常に満足している。「異能力バトル物」として本作をプレイされた方々がどのような評価を下すのかはわからない。戦闘描写がはっきり言って薄いことに物足りなさを感じる方がいるだろうことも想像できる。それでも,私自身にとっては傑作と言ってもよい作品であった。


<その他雑感>

・赫とノエルの過去については掘り下げて欲しかった。特にノエルの赫への愛情を描写する上ではなくてはならないものであったはず。

・キャラデザがめっちゃ可愛い。蒔田さんは一発でお気に入りの原画家になってしまった。単独原画のイチャラブ萌えゲーがやりたいなあと思ったり。

・なるちゃんかわいいよなるちゃん

・あの終わり方からのなる・ノエル以外のEPはやっぱ無理があるよねー。一本道の弊害だが,こればっかりは仕方がないか。


世界観・雰囲気 14/15
シナリオ 23/25
キャラクター 15/15
サウンド 8/10
グラフィック 10/10
システム 4/5
個人的補正 15/20
総合 89/100
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