Gore Screaming Showさんの「ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

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まず初めに、ネタバレを多く含むのでプレイ前の方は見るのを控えて下さい。
また、自分は赤穂浪士に関する知識は名前を知ってる程度で始めましたので史実に対する言及が誤っている可能性があります。


【簡易感想】
このゲームは一言で言えば”ストーリーで魅せるゲーム”です。例を出すならば「AYAKASHI」のそれが最も近いかと。
キャラクターの一人一人がそれぞれに魅力を持ちながら、一丸となって一つの物語を創りあげている。
日常会話は軽快で、死は悲惨で、戦闘シーンは熱い。それら全てが忠臣蔵というものを形成している。
本当に面白かった。今年購入したエロゲの中では1、2を争う作品でした。
願わくば、FDで赤穂浪士が現代に来た期間のエピソードを見てみたいです。



【良い点】
テキスト:江戸時代にタイムスリップしたという事で、その時代のキャラ達は一切横文字を使いません。
 それにも関わらず、語彙に貧困さを感じる事は一度もない。むしろ、それを補って余りある江戸当時の
 言葉がふんだんに使われており他のエロゲには無い、とても新鮮な感覚を覚える。
 また、江戸当時の風習なども大きく取り上げられており歴史に興味の無い人間でも知識欲を刺激されずにはいられない。

演出:このゲームは本当に演出に凝っている。戦闘シーンは立ち絵を動かしているのですが、その立ち絵の数が尋常ではない。
   「AYAKASHI」のように1枚絵を何枚も使って魅せるのに、優るとも劣らないと言い切れる。

伏線:この作品は伏線の数が尋常じゃない。忘れた頃にやってくる嬉しい技法でした。

キャラクター:一人一人が掘り下げられていて、活き活きとしている。主人公のスペックが高いのも読んでいて好感が持てる。
   ただ、このキャラについてはマイナス点もある。

映像:章ごとにOPがあるのは評価点。そのどれも良質で気に入りました。


【悪い点】
声:大石の声が3章で急におかしくなります。恐らく中の人が風邪をひかれたかなにかで喉を痛めたのでしょうが。
  仕方のない事とは言え、完成度という観点から見ればマイナス。しばらくすると途中から元に調子が戻られたので
  ほっとしました。


キャラクター:一人一人が魅力的なのは上に述べた通り。しかしそれは人としてであったり、武士としてであったりです。
        女性として魅力的かと問われたならば、他のエロゲに劣るのは否定できません。また、主人公の学習能力が
        異常に低く、同じ間違いを何度もしたり、意味も無く子供のような態度を取り始めたりするのもマイナス。
        最初は高●生設定ですからいいとしても、歳を重ねたのだからもう少し人生観などが確立していても良いのでは。
        そして、なぜ数多の魅力的なキャラが攻略できないのか。結局何人もと肌を重ねるのであれば、もう少し個性を
        薄めてでも他のキャラとのシーンをいれても良かったのでは。


媒体:この作品の最大のマイナス点は、エロゲーという媒体を活かしきれていない事だと思います。
   それは薄いエロだったり、キャラクターの意味もない露出癖などなど、他のブランドならば
   多くのところが不満の出ないように気を使っているところでもあります。ストーリーが良ければ
   そんなのはどうでも良いと思う方もいるでしょうが、それならばこの作品がエロゲーである必要性は
   皆無であり赤穂浪士の知識を披露したいだけなら論文でも小説でも書いていればいいわけです。
   エロゲーという土俵に立った以上は、もっとそのあたりを意識して欲しかったと言わざるを得ない。

修行:最後あたりで修行をする場面がありますが、展開が使い古されたもので少し勘の良い人間はすぐに読めてしまいます。
   なので犬とヒロインの別れの辛いシーンが茶番にしか見えない。

OPの一枚絵:最初のOPに新八と一学が向かい合った一枚絵があります。しかし、作中ではそのようなシーンはありません。
   恐らく予算か何かの都合で削ったのでしょうが、作中最強を争えるほどの猛者の死闘は是非見てみたかったので残念。


【メッセージ性について】
この作品はメッセージ性を非常に強くもっていると思います。それは赤穂浪士が英雄か、暴徒かという点について。
作中でも政治的に利用された偶像であるとかテロリストであるとか様々に論じられており、歴史に疎い人間には真実が見えません。

ところで、自分がこの赤穂浪士を考えるにあたって思い出される人物がいます。日本の脱獄王、白鳥由栄です。
知ってる方も多いと思いますがこの白鳥は歴史上に実在した人物です。
軽く紹介するのであれば、殺人犯です。しかし大量殺人犯や快楽殺人者などではありません。
その白鳥の名が現在にも語られるのは4度という脱獄回数さながらその身体能力にあります。
白鳥は素手で手錠を引き千切り、全身の関節を外せ、一日に120km駆ける事ができ、
歳が40半ばを過ぎても米60キロ入りの俵を両手にそれぞれ持って手が水平になるところまで持ち上げることができたとされます。
(参考:ttp://www8.ocn.ne.jp/~moonston/shiratori.htm)
当時の看守にすら、彼を評して「一世を風靡した男と」言わしめたほど。まさに規格外中の規格外。
そんな彼を殺人者の一言で済ます事ができるでしょうか。別に自分は殺人の是非を語っているのではありません。
殺人という行為は計り知れないほど重いものでしょう。しかし、それは白鳥という人物を語るにあたって、”エッセンスになりえない”のです。

赤穂浪士もこの白鳥と同じではないでしょうか。主君がどのような人物だったのかは知りません。
義挙などという表面の裏では、生活が苦しくて追い詰められた果てにとっただけの行動かもしれません。
しかし、それは最初から最後まで赤穂浪士を語るにあたって、”エッセンスになりえない”
江戸からの伝令役は早駕籠とはいえ、一日に140km歩を進めたのですよ?あの怪物、白鳥よりもさらに。
主君の恨みを晴らすべく、命をかけた武士がいた。それが全てではないでしょうか。

「だって、オレにとって赤穂浪士は。
赤穂浪士は。
やっぱり、英雄だったのだから。」
作中、最後に語られている主人公のこの思いはそういう事ではないでしょうか。
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