Marozan_Shosanjiさんの「その花びらにくちづけを ミカエルの乙女たち」の感想

百合エロ界隈に散見される地雷を全て取っ払った、毒のないふぐっぽいゲーム。ふぐり屋ではありませんが。
>本作は気になっているが、同人時代の過去作品をプレイせずに手を付けてもいいのかどうか迷っている方へ
これは私個人の感想なのですが、ミカエルの乙女たちは過去作に触れていなくても十分に楽しめるような作りになっていると思います。
元々それほどシナリオが重要視されているシリーズではないのに加え、過去作のネタが出てくる頻度もそう多くはなく、軽く触れる程度ですがその都度説明も入るので進行上の大きな問題は見受けられません。
歴代のキャラに関しても共通ルートでしっかりと登場してくるので、個別ルートに入る頃にはそれなりに愛着が湧いているかと思われます。
また私自身は本作以前のその花作品を一通りプレイしていたのですが、このシリーズの醍醐味は馴れ初めよりもむしろカップル成立後のいちゃらぶにあるように感じます。
なので、既に円満期に入っている過去作カップルたちの後日談という側面も持ち合わせている本作は、本来であればFDとしてそれ相応の敷居があるはずなのでしょうが、実のところそういったものはほとんどありません。
もちろん、過去作に触れておいた方がより楽しめるというのは間違いないと思います。
しかし時間や金銭的な問題というのも当然ありますので、本作をクリアした後に気になったカップルの過去作を振り返る形でプレイするというルートを通るのもまた一興かもしれません。


さて、本作で最も特筆すべきなのは、やはりその百合作品としての絶対的な安心感でしょう。
これは制作側もはっきりと言及していたことなのですが、当シリーズはふたなりや女装を始めとする男キャラの絡みはもちろんのこと、Hシーンではディルド・バイブ・ローターなどのオモチャ類を使用せず、恋愛面では女性同士であることの葛藤も決して描かないというコンセプトを設けています。(詳細を知りたい方はげっちゅブログのメーカーコラムを参照してください)
こうした一種の縛りとも言える制約を採用した背景には、百合というジャンルが持つ繊細さがあると思います。
百合はメジャーでこそないものの、その内部ではかなり複雑に派閥が細分化しています。百合とレズの境界線にまつわるエトセトラはその代表例です。
時の流れに伴い派閥が分かれていく一方で、踏んではならない地雷もまた多くなっていきます。
その中で要素をあれもこれもと詰め込もうとすれば、かえって地雷まみれの作品が出来上がってしまいます。
先の制約は、そういった百合業界の動向をよく理解した上で設けられた、いわば研究成果の賜物なのでしょう。

ただし地雷と好みは違いますので、これが無ければよかったのにと思うことはなくても、これが無くて物足りなかったと感じることはあると思います。
そうした意味では、明確なコンセプトが本作ひいてはその花シリーズの最大の武器であり、同時に最大の弱点であるとも言えます。

また、一見抜きゲーには見えない本作ですが、実際にプレイしてみるとかなり性描写に力を入れているというのが分かります。
ただでさえ体位のバリエーションが限られている女の子同士の濡れ場を総勢6組分、フルプライスに見合うだけの量を用意し、それでいてプレイヤーにマンネリを感じさせないものを揃えるというのは本来ならとても難しいことだと思います。
しかし本作はこれらの悪条件を確かな画力による描き分けだけで、完全にとまでは言えませんがクリアしていました。
人工物や非現実性に頼らない、天然由来の成分だけで構成された萌え系百合HCGという観点においては、その技術や量などすべてひっくるめて、間違いなく業界最高品質を誇っているでしょう。
無論絵柄の好みに合うことが前提条件ですが、エロゲ選考段階におけるCGの優先順位が高いユーザーには自信を持っておすすめすることができる作品です。

一方、エロに力を入れているとはいっても、斬新なプレイやシチュエーションを拝めるというものでは当然なく、また最初のHシーンに辿り着くまでにそこそこ時間が掛かります。
あくまで日常的な範囲内での性描写であり、抜きゲーのような実用性や即戦力を求めているユーザーには少し物足りないかもしれません。

シナリオは恋する女の子の可愛さを前面に押し出した、可もなく不可もなくの仕上がりになっています。

共通ルートではカップルの垣根を超えたキャラクター同士の掛け合いを楽しむことができますので、日常系作品としての魅力も兼ね備えていると思います。

全体的に供給の少ないおねロリを取り扱ってくれているという点もプラスです(ただしロリ側が才女という設定ですので、等身大のロリを見られるかと言われればそうでもありません)。


そして、もはや本編とは関係なくなってしまいますが、ラジオメディア展開もその花シリーズの特長の一つです。
本作を通してその花ワールドに興味を持った方は是非、ニコニコ動画や音泉にて絶賛配信中の玲緒っぽいらじお(全121回+SP2回)並びにゆりりんラジオ(全29回+SP1回)を聴いてみてください。
特に玲緒っぽいらじおでは、第3回アニラジアワード一般部門で最優秀女性ラジオ賞を受賞したエロゲラジオ「オトメ*ドメイン RADIO*MAIDEN」のパーソナリティを務めている杏花さんの、ラジオビギナー時代の初々しいトークを拝聴することができます。
もちろんミカエルの乙女たちの裏話などについても何度か触れられているので、作品に対する愛着がより一層湧くこと間違いなしでしょう。

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