a-bitさんの「屋上の百合霊さん」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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霊との出会いをきっかけとする、爽やかな成長物語
もう何年も前から積んでいた本作。
確か一度インストールしてすぐに止めてしまった記憶があるような、ないような。
来年の頭にリメイクされるとの情報を偶然目にし、せっかくだし...と軽い気持ちでプレイ。
...いや驚いた。これはなかなか面白い。とりあえず一周した現段階での感想を記す。

本作はタイトルが示すとおりの百合もの、つまり同性愛を主題とした作品だ。
レズ...と表現するには描写が柔らかいので、性描写に期待するユーザーにとっては物足りないかもしれない。
尤も、自分としては百合という主題は副次的なものであり、より重要なのは、主人公の結奈が百合霊と共に他のカップル成立に奔走する過程で過去の自分と向き合い、乗り越えていく成長物語としての側面だと感じた。
自分の悩みを話すことが出来る相手のいる素晴らしさ、身近な存在の尊さ、パートナーを思いやる行動・言動の大切さという、同性愛でも異性愛でも不変の前提条件が合って、本作ではそれが同性愛として顕在化したに過ぎない。
こうした”恋をする過程”を丁寧に描いているのが、本作最大の魅力である。

彼女の内に秘めた悩みや苦しみが、百合霊たちとの交流によって癒され、克服されていく様子は、パートボイスに伴うテキストのみの描写中心ながら非常に明瞭で、結奈に対する感情移入をよりスムーズなものとさせていたように感じる。
これは他のカップルに関しても同様で、時に視点を入れ替え、時に時系列を遡り、決して多くはないテキスト量の中で巧みに登場人物の感情の起伏を表現しているケースが多かった。
故に、どのカップルに対しても自然と幸せな結末を期待しながら快適にプレイできたと思う。

キャラクターに関しては、前述の通りのパートボイスかつ声優の掛け持ちといった悪条件を考慮しても、なかなか魅力的な人物が揃っていたと思う。
デザインも良いし、それぞれの個性もあって大いに満足。
個人的には結奈・比奈・音七あたりが好み。
また、二人の百合霊も文字通り浮世離れした存在を遺憾なく活用した魅力があり、結奈を巻き込んだ三者の人間関係はストーリーに良いアクセントをもたらしていた。

システムは簡素ながら、進行表に基づくシナリオのパート化によるテンポの向上、時系列の整理など、自分好みで好感度高し。
楽曲・BGMも悪くない。特にEDは歌詞も含めて本作の世界観にマッチした良曲に仕上がっていると思う。

難点をあげるなら、一部声優の声が合わなかったこと、同性愛に対する抵抗が(結奈を除いて)あまりなさそうなことに対する違和感が拭いきれなかったこと、シナリオが短めなこと...などが挙げられるが、正直そこまで問題視するようなものでもない。



日々の生活で荒んだ心に良い清涼剤となりました。
今年はエロゲ未プレイで終わるかと思っていたけど、良い作品に巡り合えて良かったと心から思います。

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