4Dさんの「華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

エロゲーにおけるクソゲー判定というのは難しいと思う。まずゲーム性自体が存在しない事が多い。シナリオに対しては主観によるバラつきが大きいし、「バグが酷いだけ」「未完成品」と、内容以前の指標に頼る事も多い。そこに救世主のごとく現れた本作「華麗に脳殺♪クソゲーがイク!」はチーターマンを彷彿とさせる王道のクソゲーだと自信を持って言えると思う。ゲームを終えた後の虚無感・荒涼感は、まさにイーストウッド作品を見終えた時のようだった。
色んなところで騒がれて盛り上がっているので、興味を抑えられず手に取ってみた。
同メーカーの過去作「淫刻の虜姫」の感想はまだ、ある程度配慮した物言いができてたと思うんだけど
今回は思った事を素直に書いていこうと思う。

ゲーム内容は同人作品である「SHINOBI GIRL」の完全丸パクリと言って差し支えないね。
もっともこのSHINOBI GIRLも元を辿ると海外のフリークが作ったFlashゲーム「Demon Girl」が元ネタなので
パクリがどうこうとナンセンスな話はしない。
ただ、なんでこんなゲームが生まれてきてしまったのか、という経緯を理解できるので
気になる人はAngel Girl XやDemon Girlをプレイしてみるのも一興だと思う。
どちらもフリーのFlashゲームで、ゲーム性・サービス精神においてこの「クソゲーがイク!」より全然優れてる。ちゃんと面白いよ。



起動すると「ジャジャジャン!ジャンジャジャン!!」と最高にハイなオケヒ連打をキメながらOP動画が流れるんだけど、
まずこの時点でかなりのヤバさが漂ってくる。
何がヤバいって、とにかく内容が凄い。ごく少ない素材を徹底して使いまわして使い倒す。
「ジャジャジャン!ジャンジャジャン!!」とまたもやオケヒループで間を持たせながら
なんとか一本の動画に仕立て上げている。凄いよホント。
だってさ、このゲーム、与えられた立ち絵素材はなんと”1パターン”しかないんだ。パッケ絵とかSD絵も使ってはいるんだけど。
その立ち絵をトリムしたり回転させたりモノクロにしたりと、なんとか手を加えながら5回か6回か、
それくらい使いまわして2分を超える動画作ってるんだもん。
こち亀だったかな?そんな話があったような。大体あんな感じと思っていい。
「この動画作ったヤツ、苦心しただろうな…でもある意味プロだな」と、同情と感心を寄せてしまう。
主題歌もやけに耳に残るスルメ曲で、ヘンにデキが良いのがまたクソゲーらしさを際立たせているね。



ゲーム本編は横スクロールのアクション。
一応説明しておくとプレイヤーができる事は、
・進む
・ジャンプ
・しゃがむ
・攻撃する(いくつか方法はある)
・防御&遠距離攻撃ゲージ回復
この5つ。これらを駆使して、いや駆使する意味はないんだけど、まあとにかく道中には敵キャラクターがいるので
攻撃したり避けたりしながらゴールを目指していく。いや攻撃しない方が早いんだけど。
操作性?走ってるように見えないアニメパターン?そんなもん犬に食わせろ!とばかりの微妙なフィーリングで
開始15秒で「え?…ええぇ~??」という精神状態になるだろうけど、それでもめげずに進んでいく。

2~3分もやっていれば「あ、ジャンプ中は無敵なんだな」と気付く。
そしてジャンプを多用すると「あ、着地時に一瞬硬直があるな」とも気付く。
しかし当たり判定のはっきりしない攻撃や防御、しゃがみ回避を行うよりは
とにかく硬直にだけ気をつけてジャンプで進むのが早くて楽だという結論がでてしまう。一切やる気のみられないアクション性。
そこに敵キャラのモーション等といった演出不足や、OP動画のやたらノリがいい主題歌がフラッシュバックしてきて
もうどうしようもなくチーターマンを感じてしまう。折角だから主題歌はステージBGMとしても使うべきだったね。本当に惜しい。

一応、敵には忍者や蛇、カエルや犬といくつか種類がある。
そしてこのタイプのゲームのキモは「敵と接触しちゃうとエロいいたずらをされてしまう」という点。
だから前述したSHINOBI GIRL等をやった事があれば「ああ、蛇には頭突っ込まれて、カエルにはナメナメされちゃうんだなきっと」と
容易に想像する事ができる。
キャラ絵自体は可愛く描けてるので、きっと誰もが期待して蛇やらカエルに突っ込んでいった事だと思う。

で、まあ結論を言っちゃうと「あうっ」とダメージを受けるだけで、別にいたずらされたりする事はない。
このゲームにおいてプレイヤーがエロい事をされるのは雑魚忍者(色違いで3色いる、色が違うだけで他は特に違いは無い)とラスボスのみで、
異種姦というか色んな敵にハメハメされるのを期待した人は諦めて頂けますようお願い致します。お買い上げ有難うございました。

……ええっ?マジで?

ま、まあ一応雑魚忍者は複数のアニメパターンがあるみたいだし(雑魚忍者4パターンでラスボスは2パターン)、
ヒロインは二人いるから…まあ決して多い訳ではないけど…うん多くはないな…
でもこういったドット絵エロアニメみたいな一風違うエロ表現ってのも珍しくて新鮮だし、絵は、絵は可愛いよな…
でもヤラれ時のあえぎ声が一パターンしかないとか酷いし…っていうかエロアニメ解像度低すぎだよなあ…

と、自問自答を繰り返しながらステージをクリアしていく訳です。
クリア毎に20行くらいの短い状況説明が有ったり無かったりしながら、ご褒美CGが一枚表示される。
ちなみにこのご褒美CG、「おっぱいまで」です。本番とかおまんZとか無し。そして合計10枚で差分なし。

……ええっ?マジで?

そして特に盛り上がる事もなく一通りクリアすると、タイトル画面に戻される。
そこでメニュー「画廊」を押してみて、CGはあれで全部だったという事に気が付いて、
更に何よりも重大な「エロアニメの回想」が存在しないと気が付いた時にですね、
やってくるんです。もの凄い混乱が。「え…。あれっ…。あれ?…え?えええっ!?」と。

「バカな、そんな事があるはずがない、あるはずが…」と、もう一度「画廊」の中を良く見てみたり
一縷の望みを託して「設定」を押してみたりするんだけども、哀しい事に回想なんてものはどこにも存在しないんだよね。
そして「…あ。このゲーム、もう終わったんだ。俺は、クリア、したんだ」と認めてしまった時、
今度はもの凄い虚無と荒涼感がやってきます。頭がからっぽになってしまって、何も考えられない。
ただタイトルをぼーっと眺める事しかできない精神状態になる。



曲がりなりにも名の知れているメーカーが作ってるのに、ゲーム内容は果てしなくクソで
エロゲーなのに本番スチルは無し、エロ回想も無しという、文句のつけようがない正統派のクソゲー。
外注原画が気の毒になるくらいにクソゲー。
クソゲーオブザイヤー2011は学園迷宮エロはぷにんぐで決まりそうだけど(おめでとうございます)、
既に2012筆頭候補が同メーカーから出てきてしまった感じ。最高に最低すぎて興奮を禁じえない。
メーカーの姿勢としても「なんか同人ゲーム市場って売れやすそうだから、売れ線かたっぱしからパクって出そうぜ」という
安易な考えが透けて見える辺り、実にクソゲーメーカーらしくて良い感じ。

バグが凄いとかギガパッチだとかそういったショーマンシップに優れている訳じゃないし、
部分的には評価できる点もあったり(絵)と、いささかパンチにかけるきらいはあるものの
誰もがクソゲーと認めざるをえない説得力は持っているので、クソゲーハンターなら話のネタとして手を出してもいいかも。
とりあえずOPだけでも見る価値はあると思うな。

絵は可愛いので、ちゃんと回想だけでも作っておけば
クソゲー判定はぎりぎり避けられた…かもしれないんだけどね。いやそういう問題でもないか。
まあとにかく、感想に熱が入るデキだったよ。














「クソゲーって、要はつまんないって事だろ?なんでそんなに盛り上がれるの?」
と疑問を抱く人もいるんじゃないかな、と思う。

コンシューマの有名な名作ゲームに「天外魔境II」というのがあって(ネタバレなので見たくない人は戻ってね)、
この中で登場する敵キャラ「デューク・ペペ」は自分の大事な妻をプレイヤーである「卍丸」に殺されてしまい
自身も傷つきながらほうほうの体で逃げ出してしまう。そして卍丸を恨みに恨んだ末、彼はどんどんとおかしくなっていく。


「おぼえていろ!この仇はきっととる!最愛の妻をなくした恨みは忘れんぞ!」
        ~
「生きててくれて嬉しいよ!卍丸!他の誰にもお前たちの命をやりたくないんだ!
 この俺の手で、お前たちの首をねじ切りたいんだ!それが俺の生き甲斐だ!」
        ~
「卍丸!!見てくれよ!この俺の醜い機械の体を…お前のためにここまでやったよ!
 もう元にはもどれないんだよ、俺もおまえたちもね…一緒に地獄に堕ちてくれるかい?
 さあ最後の決着をつけようゼ!愛してるよ!!卍丸!!」


憎しみと愛は表裏一体。あまりの出来事に怒りを覚え、悔しさと喪失感で夜も眠れず、
そしてその対象の事だけを昼も夜も考え続けた時、憎しみが愛へと裏返ってしまう。
このデューク・ペペを「ユーザー」に、卍丸を「クソゲー」、最愛の妻を「時間とお金」に置き換えると判り易いと思う。
自分とクソゲーとの関係を終わらせる為、二人のエンディングを迎える為、
その鬼畜な難易度やバグに対して何度も何度も繰り返し試行錯誤していく。
クソつまらなさが逆に面白く感じてくるようになり、もっと酷いところが見たくなる。
そうしてクソゲーが頭の中をどんどん占めていく訳だね。

クリアできてもできなくても、歪んだ愛情が育まれていく。
そしていつしか「クソゲーと出会うのも悪くないな…」とか考えてしまう物好きが出てくる。
クソゲーと聞いて興奮してしまう者は、きっと皆それぞれ、そんな素敵な出会いを経てきたんじゃないかな。


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