peacefulさんの「CURE GIRL」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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70CURE GIRL
ライターは「殻ノ少女」の人ですが、本作を過剰に期待してはいけません
Innocent Greyの姉妹ブランドNoesisの4作目。
(自称)ダメ人間たちの恋愛を描いた苦く甘い少女たちの成長物語。
ダメな部分は主人公や各ヒロイン共異なりますが、概ね共通しているのがコミュニケーションの問題を抱えている点。
それ故タイトルのCUREは、それらを“治療・回復する”という本来の意味でまず間違いないでしょう。
ですが意訳すると「CURE GIRL」には、“異性への熱をさまさせる残念な少女”という意味合いも含んでいます。
二つの意味を匂わせながら、CUTEの単語も連想させるタイトルに、名付け親のセンスが感じられました。

さて、肝心の内容について、本作を単なるパクリ(盗作)とみるべきか、それともオマージュ(敬意)とみるべきかで、
評価は変わりそうですが、どちらにせよオリジナリティが余り感じられない作品だと私は思いました。
その理由として、BGMやOP、ショッピングモールの外観やネーミングといった全体的に青を基調とした作り込みが、
明らかに「ペルソナ3」を意識している節がこちらに伝わってきたからです。
それだけならまだしも、ヒロインとの話題作りの為の選択項目蘭が、「キミキス」や「アマガミ」のシステムに非常に酷似している点。
ここまで似せるなら、せめて好感度パラメーターぐらい作って欲しかったところです。
その所為か攻略が非常に単調になり、序盤は退屈な日常の繰り返しによる単なる作業ゲーと化してしまいました。
他にもヒロインの一人に「恋姫✝無双」に登場する華琳様そっくりのビジュアルで声優も同じな怜奈という少女がいて、
性格も同様に罵倒ありのツンデレ女王様気質を持っているのは、流石に見過ごせないかと……(汗)。
(ただし人間不信で引き籠りになった現代版にアレンジされている点は評価します)
あとその影響か、倉田まりや演じる隠しヒロインである貧乳ボクっ娘ロリが季衣に見えて仕方ありませんでした(笑)。

『創作の基本は模倣である』という言葉があるように、別段模倣することが悪いわけではありません。
ただし、それが余りにあからさま過ぎる表現に対しては、反発を生みやすいのが昨今の現状です。
確かにこのライターの代表作である「殻ノ少女」も京極夏彦の「魍魎の匣」「絡新婦の理」のオマージュとして批評されています。
このパクリとオマージュの境界線はグレーゾーンとも云える曖昧なものですが、偏に受け手の判断によるものでしょう。
元ネタになった作品をリスペクトし、そこから独自のアイデアを抽出しオリジナリティを表現する事が大切に思えます。
そして受け手の私は残念ながら、本作に対してパクリとオマージュ双方の見解が見受けられました。
どちらにも取れるという事は、本来持つ作品の魅力(価値)を著しく歪めてしまう可能性をもつに至ります。
個人的に好きなライターの為、元ネタ(イノグレ以外)を意識(想起)させる作り込みは極力控えるべきだと、ここで苦言を呈したいです。
それにしても推理サスペンスと学園ラブコメで、こうまでライターの腕が違うのもある意味珍しいですね。

ちなみに上記の問題を除いたシナリオの評価は、可もなく不可もなくのオーソドックスな出来に思います。
ダメな部分が有るのは人間として当たり前であり、ダメ人間なんてのは単に自己評価が低い普通の人間であるというプレイヤーの共感性を狙い、
主人公との交流を通じて自分を変えるきっかけ(成長)に繋げた構成は王道ながらも良かったです。
その上でコンセプトを外さずに、ポジティブに生きるメッセージ性を込めた作品として無難に纏めた印象を抱きました。

ただし主人公が少し曲者で、ボッチなコミュ障と称している割に、普通に初日から学年の違うヒロインに会いに行っている矛盾。
オフ会で一度会っただけなのに、元不登校の主人公が自然にヒロインへ出向いて会話するという動機が感じられませんでした。
(一目惚れという描写もないので、ライターの操り人形感が強いのはマイナス点)
また当初の無気力な性格とうって変わって、次第にガツガツと会話する軟派なパシリ男に変貌し、
しかもブルマニア+スク水フェチであるムッツリスケベのド変態と判明。←これは珈琲貴族が悪い(笑)
他にも公開告白&キスしたり、選択次第で鬼畜になってレイプする奔放ぶりを発揮するので始末に負えません。
その為、これらの行いが本人の成長か元々の性格か、いまいち主人公の性格が掴みづらく、分かり難いので、
一人称視点での物語に於ける、本作の没入感を阻害する原因になっているというのが、私の見解です。

ただ概ねヒロイン陣は、どれも良いキャラセッティングを施され、ダメ人間な理由(過去)も説明されている点は好印象。
もったいない腐女子:古都音や、ヒモ男製造機:美悠、罵倒ロリ女王:怜奈など、かなり良い味出していますね(笑)。
しかしながらサブヒロイン不在(山田は認めぬ)やヒロイン同士の掛け合い不足もあって、物語に奥行を作れなかったのは残念。
また最初のオフ会からのハーレム√が何故無かったのか、正直悔やまれます。

他の不満点としては、テキストウィンドウの透明化ができないので、肝心のシーンが見えないのはアウトだということ。
それとスキップも遅く感じるので、システム面は全体的に少々使い難かったです。
その中でもやはり珈琲貴族のCGは美麗でした。
天才的な色彩グラフィッカーの腕も健在で、Hシーン時で特に威力を発揮しましたが、表情差分が少ないのは玉に瑕です。
総じて、まあまあな作品でした。

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